ケアマネジャーの報酬に対する東京都の提言について思うこと

どーもカイゾウ(＠kaizo777)です。

今回は「ケアマネジャー(以下：ケアマネ)の報酬に対する東京都の提言について思うこと」をテーマに書いてみたいと思います。

10月10日にとうとう東京都が国へケアマネの報酬について提言をしたというネット記事を見ました。

「専門性に見合った給与になっていない」

「ケアマネの魅力が減少していることや職員の高齢化による離職などでケアマネが不足している」

「ケアマネの安定的な確保に向けてその業務の専門性に見合った給与となるような処遇改善を」

このような提言を時期2024年度の制度改正に向けて国へ緊急提言をしたそうです。

この提言の趣旨は「ケアマネが不足しているから給与上げてケアマネになる人増やそうぜ」になると思います。

そもそもケアマネになろうとする人が少ないのは給与だけなのでしょうか？

ケアマネという仕事が好きな私が感じる「ケアマネ業務に対する不満」を３つ挙げてみたいと思います。

①法定研修が多すぎ問題

ケアマネになる為、続ける為に超えるべきハードルを超絶ざっくりと書いてみます。

• 介護支援専門員実務研修受講試験

• 実務研修

• 専門研修Ⅰ

• 専門研修Ⅱ

• 主任介護支援専門員研修

• 主任介護支援専門員更新研修

まず、介護支援専門員実務研修受講試験を受験し合格する必要があります。試験合格後「実務研修」を経て初めてケアマネを名乗ることができます。

その後専門研修Ⅰ・Ⅱを5年以内に受けることで「資格更新」が出来ます。

主任介護支援専門員研修を受講する為には5年以上の実務経験を有した上で各都道府県が提示する要件に該当する必要があります。

さらに主任介護支援専門員を更新する場合にも複数の要件をクリアした上で更新研修に参加する必要があります。

各研修に参加する際にも「事前課題」を持参し参加する必要があります。

いかがでしょう？

かなり省略して分かりやすく記載しましたが、実際に研修参加申し込み概要などに目を通すとそれだけで「面倒くさい」と感じる方が大半だと思います。

しかもケアマネをやり続けるには5年間ごとにこれらの研修をクリアして更新する必要があります。

資格維持する為に自腹を切って毎回「法定研修」に参加して更新し続ける資格ってケアマネ以外ありますか？

②要支援の報酬安すぎ問題

処遇改善をする為にはそもそもケアマネジメントに対する「報酬」を上げる必要があると思います。

以前報酬の内容に関しては記事にしたことがあるので、気になる方はそちらを見て頂けると嬉しいです。

要支援の方の支援を地域包括支援センターから委託されることも以前より増えていますし、何より担当していた利用者が要介護→要支援になることも増えています。

単純に担当していた利用者が要介護→要支援になれば居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所)は報酬が減ります。

せっかく利用者の介護度が改善したのに諸手を上げて喜べないのが介護保険の仕組み…(これってそもそもおかしいですよね？）

それであれば、要支援の報酬も要介護とそれほど差をつけなければ良いと私は思います。

ざっくりと要支援と要介護のケアマネジメントの報酬は倍以上の開きがあります。

ケアマネとしてやっていることに大差はありません。強いて言うなればモニタリング訪問が毎月→3カ月1回になる程度…。

③ケアマネに何でも求めすぎ問題

ここにきてやっとケアマネの報酬改善の話が挙がるようになりましたが、これまでは報酬には一切触れずに「ケアマネの質の向上」を求められてきました。

もちろんケアマネの質が求められる意味は十二分に理解しています。

しかし「質＝無理難題を攻略する技術」ではありません。ケアマネはあくまでケアプランを立てる役割。利用者を理解し課題を抽出・分析して利用者の意向に近い形で生活が成り立つかを検討・調整する役割です。

独居・高齢者世帯の家族の代わりも出来なければ、介護保険サービスで補えない役割を埋めることも出来ません。

何より「行政機関」が行う業務(地域創生・地域連携・多職種連携)の要として大々的に求められている割に「公務員」ほどの待遇もなければ「医者」ほどの発言権もない。

その上何か事が起これば「ケアマネさんに…」と言われれば、傍で見ている介護従事者(サ責・相談員・介護職等々)の方々は「私もケアマネになろう！」と思う人は少ないでしょう。

実際ケアマネ資格を既に持っている方が全員ケアマネとして働き始めれば、ケアマネ不足は一気に解消されます。

何故資格は持っているのにケアマネをやりたくないのか？？

その本質を国は理解し改善する必要があるのだと私は思います。

とは言え私は冒頭にも述べたようにケアマネという仕事が好きです。上記のような「問題」はあれど、私にとってケアマネの仕事は自分を成長させるツールとして最適。

何より他業界・他業種に比べればなんだかんだ言っても仕事はそこまで多岐でもなければ、大変でもないと私は思います。

ただ「『求める』ならそれに見合う『待遇』『給与』は約束してくれ！」と個人的に思うことはあるので今回のような意見を書いてみました。

ケアマネになる人を増やしたいなら給与もそうですが「法定研修」についても見直す必要があると私は思います。

今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。