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【ケアマネ】見守りの本質を考える
どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今回は「見守りの本質を考える」をテーマに書いてみたいと思います。
私は今とある本を読み進めているのですが、その本の一節を読んで「これはケアマネの仕事にも共通する」と感じました。
「ライオンのおやつ(著:小川糸)」という本なのですが、その本に登場するワインを作っている青年の言葉。
僕の仕事の基本は見守りなんだよ。あ、これはやばいぞ、って時は手を出すけど、基本的には自然任せ。
でも、その結果、あっと驚くようなワインが出来るんだよね。その一口で、飲んだ人の人生そのものまで変えてしまうような力が、ワインにはあるような気がして
このセリフの前には、思い通りのワインを作りたくても自然の影響が大きく委ねることしか出来ないことも多くて、人が与えられることは微々たるモノという内容のセリフがあります。
この一文を読んだ時、私は「これってケアマネの仕事にも通ずるものがある」と感じたと同時に介護は見守りの技術がもっとも利用者に大きな影響を与えるものなのかもしれないとも考えました。
今日はそんなお話です。
思い通りに介護したくても…
「介護をする側」が思い通りに介護をしたいと感じることは実際に介護に携わった経験のある方であれば誰しも少しは感じたことがあると思います。
とは言え「介護される側」も人間です。思い通りになんていきません。
認知症のある方であれば尚更。どれだけお願いしても、お願いされたことを忘れて自分のやりたいようにされることは日常茶飯事。
介護する側はその都度イライラしたり、時に感情的になることもあるでしょう。その結果さらに負のスパイラスに陥って上手くいかなくなるなんてことも…。
介護は「人」対「人」ですが、「介護される側」はある種自然現象に近い存在だと思った方が気持ちも落ち着くし「相手(介護される側)」に良い意味で期待することもなくなると思います。
思い通りに「介護する」ではなく、「相手に合わせた介護」を考えた時、重要になるのが「見守り」の技術ではないかと私は考えました。
見守りの技術って??
僕の仕事の基本は見守りなんだよ。あ、これはやばいぞ、って時は手を出すけど、基本的には自然任せ。
このセリフで言うなれば「あ、これはやばいぞ」と気づけるか否か。
見守りには「短期的」なものと「長期的」なものがあると私は思います。
短期的な見守りとは、例えば「このまま歩いたら転びそうだな~」とか「ここに〇〇を置いたら〇〇しそうだな」とか「今~その日中」に起こりそうなことを予測すること。
転びそうな人に対して、その人の能力を把握して近くで見守る必要があるのか、少し離れた場所からでも大丈夫なのかを判断して対応するのも見守りの技術だと思います。
長期的な見守りとは、例えば「最近食事量が減っているけど、どこか身体に悪い所があるのかな?」とか「以前に比べて歩くのが不安定だけど、このまま行ったらそう遠くないうちに歩けなくなりそうだな」など「数日~数カ月」に掛けて変化がありそうなことを予測すること。
食事量の減少に対して「何が原因なのか?」を考え、介護される側の様子を正確に把握しようと努めることも見守りの技術だと私は思います。
「これはやばいぞ」と気が付くためには経験が必要です。そしてその「やばい」となった時に適切に「手が出せるか」も含めて「見守り」の技術だと思います。
ケアマネは長期的な見守りのプロでありたい
見守りには「短期」と「長期」があると書きましたが、そう考えるとケアマネジャー(以下:ケアマネ)は「長期的な見守り」のプロである必要があると私は思います。
ケアマネは利用者を前にして基本的には直接介助はしません。
あくまでケアマネジメントのプロであり、介助をすることが役割ではないので。もちろん在宅ケアマネと施設ケアマネでは異なると思いますが、在宅ケアマネは基本的には直接介助することはタブーです。
ではケアマネがマネジメントの一部として出来ることは、長期的に見て利用者がどのような変化を辿るか予測すること。
それには「長期的な見守り」の視点が必要なのだと思います。
「今のまま利用者が生活していたらどのような生活になりそうか」
毎月のモニタリングでは利用者の変化を確認しながら常に長期的な視点で見守る。もちろん異変を感じたらサービス事業所と情報を共有しながら必要な支援を提案・調整する必要があるのだと思います。
「ライオンのおやつ」に出てくるワイン作りの青年のように、ケアマネのすることも「基本見守り」です。
でも「あ、これはやばいぞ」と如何に早く気づけるか。
これもケアマネの力量なのだと私は思います。
「早く気づいて早く対処する」
これが出来れば利用者の生活は長期的に落ち着いた生活が送れるかもしれません。
私自身、自分が担当させて頂いている利用者には「長期的な見守り」をしながら長く住み慣れた自宅で本人の望む生活が送れるように支援し続けたいと思います。
今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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