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訪問介護のサ責は現場のヘルパーと同じ目線じゃダメだよね??
どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今回は「訪問介護のサービス提供責任者は現場のヘルパーと同じ目線じゃダメだよね?」をテーマに書いてみたいと思います。
一ケアマネである私の独断と偏見です。そして今回は長文です…。
私は最近「曲者利用者」の担当をさせて頂いています。
「要介護」の認定が下りていますが、地域包括支援センターも間に入り支援している状況なので俗に言う「困難ケース」に該当するケースと捉えて良いと思っています。
度々書いていますが私は「困難ケース」という言葉は好きではありません。何をもって、誰に対しての「困難」なのかが分からないので…。
ですが、こうした記事を書く上では分かりやすいと思うのであえてそのような表現をさせて頂くことをご理解ください。
今回の支援の中で訪問介護事業所のサービス提供責任者(以下:サ責)に思うことがあったので記事にしてみます。
事例の詳細については個人情報の兼ね合いもあるので上手く誤魔化しながら書いていきます。
70代男性の一人暮らし…。現役時代は中小企業の重役…。
これからはこのような利用者も増えるのかな~と思っています。
現役の頃はそこそこの会社でそこそこの地位にいた。だからプライドもあるし、頭の回転も悪くはない。でも現役の頃の「地位」が抜けないような利用者です。
妻も子どももいますが別居しています。
妻は必要に応じて支援してくれていますが「必要以上には関わりたくない」という様子が見受けられ私やサービス事業所とも一定の距離を持っておられます。
「下手に口を出したら本人から何を言われるか分からない」といった所…。
妻の気持ちも非常に良くわかる。そんな利用者と言えばご理解頂けるかと思います。
本人の体調は思わしくなく、医師からは「ターミナル期」であると言われています。
本人もそれは理解されている。一時期に比べて大人しくなったと病院関係者は言っていました。
私が担当させて頂くまで、計4名のケアマネを交代し、訪問看護も3事業所目、訪問介護は唯一1事業所が長く関わっていますが、ボランティアからは数回支援した後に断られた経緯があります。
本人の状態的に、ADLはまだ維持できているけど病気の進行と共に思うように動けない。動けば体調が悪化する。でも一人で生活しなければならない。という状況で本人も不安から「毎日誰かに来て欲しい」という依頼がありました。
自分で何とか短い距離であれば移動は出来ますが、短時間でも身体を起こしているのが厳しい。その為、訪問介護で洗面等の一部介助や食事準備や掃除・洗濯などの家事支援を介護保険と自費を併用して支援することになりました。
入念なサービス担当者会議
今回土日も踏まえた訪問介護の支援を希望された為、どうしてもこれまで関わっていた1事業所では予定が組めずに「新たに」1事業所追加で依頼することになりました。
新たに関わる事業所には本人の「気難しさ」については事前に伝えた上で、数枚にわたる本人の基本情報を配布。ケアプラン原案も事前に全事業所へ配布しました。
ケアプランの内容もかなり詳細に記載しました。
ここまで入念に作り上げたケアプランは久々というレベル…。
入念な根回しの上で、担当者会議当日は関係者すべて揃って話し合いを行いました。
新たな事業所からはサ責が参加。ただ、この新たな事業所のサ責は会議での発言からやや暗雲が立ち込めていました。
「身体介護というのは何をすれば?生活援助だけで良いのでは?」
事前に状態を伝えていたこと、生活援助だけでは本人の生活上困難もあるし、何より介護保険の仕組み上好ましくないことを説明しました。
「生活援助だけでも月30回はいけませんでしたっけ??」
正確には要介護1である今回の利用者は月27回以上の生活援助であれば行政へ届出を行う必要があります。
本人の生活を考えれば身体介護は必要ですし、仮に生活援助だけでいくにしても行政へ届出の後にチャチャを入れられる可能性を考慮すると、本人の性格的にも支援がややこしくなる。
それを避けるべく作成したケアプランを事前に配布した上で電話連絡で意思疎通を図ったのですが…。
元々支援していた訪問介護事業所の助言もあり、会議は良い方向に収まり、事前に現在の事業所がサービス提供している時間にサ責が訪問し内容を確認した上で「新たな」事業所が関わることになりました。
初回のサービス提供の後に…
「新たな」事業所が初回のサービス提供を終えた週明けの朝一番で本人から電話が掛かってきました。
「カイゾウさんから指導してよ!あれじゃ俺の体調が悪くなるよ!」
怒り口調で次々と「新たな」事業所の対応にクレームを言われました。
話を聞くと「細かい要望」で初回のヘルパーが全て上手く出来る内容ではありません。
回数を重ねる上でお互いに歩み寄り本人の要望に添えるものだと伝えても本人は聞く耳持たず…。その私の返答に対しても怒りを露わにします。
本人の言っている意味も確かに理解が出来ます。
「細かい要望」=「配慮」を重要視している利用者なので、本人を「想って」行動していることであれば利用者自身も感じ取れたと思います。
現場のヘルパーは本人の性格や言葉遣いだけを意識し「気後れ」した状態でサービスに当たったのだと想像出来ました。
本人の電話からも「コミュニケーション」が双方足りずに、結果として循環が悪くなりお互いに良い関係性が築けていない。
そう感じた私はサ責へ初回のサービス状況について確認すると共に今後について相談をするべく連絡をしました。
本人が気に入らないみたいで…
サ責へ連絡すると「もう本人から聞いていると思いますが…」と第一声。
確かに本人から連絡があったからサ責へ連絡はしているが、ケアマネとして私は片一方の話だけを聞いて何かを言うことはありません。
そこでサ責からも初回サービス提供時の話を聞き取ると本人のクレームに対しては理解をしている様子でした。本人が言っていたことと一致していたので。
ですが話の合間合間に「本人が気に入らないみたいで!」という感情的な言葉が入りました。
気に入らないのは分かります。だからこそクレームになっている訳ですから…。そこで私は「本人が気に入らないことに対してどう対応しますか?」と聞いてみました。
すると「ヘルパーがもう無理だというので、うち(事業所)はこれ以上サービス提供は出来ません」と返答が…。
私は「?」となりました。
事前に「難しい利用者」であることは伝えてあり、本人の詳しい情報も渡している。その上で「依頼を受けた」わけです。
本人のクレーム内容も初回では確かに対応が難しい「細かい要望」ではあれど、「コミュニケーション」が取れていれば「次」に活かせることばかり。
「要望」「コミュニケーション」を現場のヘルパーが「次」に活かせるように対応するのがサ責だと私は思っています。
今回の利用者は確かに初回でかなり細かい要望をクレームじみた言い方で実際にサービス提供に当たっているサ責やヘルパーに伝えたと聞いています。
が、「暴力」と捉える程の内容ではなく「曲者」の範囲を超えてはいないと私は思っています。実際に1事業所は問題なく入れているので…。
それをたった一度のサービス提供で「ヘルパーが無理と言っているので」と提供を打ち切るサ責の力量に愕然としました。
ヘルパーが「無理」と言うモノを「理解」した上で「分解し」「対応を検討し」次に「試す」ことを提示した上で「ヘルパーのヤル気」を促すのもサ責の役割だと私は思います。
それをヘルパーが「無理」と言えば「そうよね」と返すようなサ責は「サービス提供責任者」と呼べるのか?
私は疑問でしかありません。マネジメントをする役割としては力量不足。
ヘルパーと同じ目線では「サ責」は務められないのではないかと思います。
とは言え地域には訪問介護事業所が少ないのが現状…。
そう考えるとレベルの高い人材を育てられる訪問介護事業所がもしあったのなら「独壇場に出来る」と思う今日この頃…。
それが難しいのが介護業界ではありますが、そこをクリア出来たら「独壇場」で依頼を受け続けられると私は思います。
私のいる地域にも優秀な訪問介護事業所が出来て欲しい…。
今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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