Mountain stream fishing last game. Episode「定番のキセキ」#17
2023シーズン釣行最後の振り返りです。禁漁間近の9月16日。この記事でも紹介したT氏と釣りに出掛けた記録です。「フライフィッシング」に魅了され、やっぱり釣りは面白いと思えた日。そんな瞬間、時間を綴ります。
時刻は8時30分を過ぎた頃、一件の通知。「今日どうするか」禁漁まであと数日ということもあり、秋めいた川を歩くことに。攻めた感じではなく、近場でもいいから自然の中でいい時間過ごせたらいいな、みたいなゆるい感じです。お互い「ゆっくり準備してから集合で」てな感じで、家の掃除やら何やらを済ませて集合したのは11時30分。なんだか釣りに行くような空気感では無くなりつつある感じでしたが、まずは飯から。T氏の提案で、近くの蕎麦屋へ向かうことに。腹一杯になって、時計は14時を過ぎた頃。釣り場は自分の提案で車を30分ほど走らせ秋らしい魚を釣りたく里川へ到着。
今回は、自分は竿はあまり出さず写真に専念することにしました。
生い茂る草もなんだか秋の感じに。T氏はフライフィッシングでの釣りです。
ぽつぽつとライズも見受けられ期待が膨らみます。秋風が流れ心地い空間を熊鈴をシャンシャン鳴らしながら釣り上がります。
ふと川沿いの藪に目をやると、黄金色に輝くジョロウグモの姿が。
秋にかけて成体になるこのクモはほんとに目立ちます。成体になるまでに8回ほど脱皮をしてこの姿になり、期間は4ヶ月ほど。自然てすごいなぁとつくづく思います。
下ろしたてのT氏のウェーディングブーツ。Patagoniaのリバーソルト。
ほんとにかっこいいブーツ。発表からしばらく経ちますが、自分は買おう買おうと思いつつも中々手に入れられず。彼の足元をしばし拝見。
1時間ほど釣り上がったところでしょうか。魚はいるも中々フッキングに至りません。
T氏は足を止め、フライを結び直します。
「でかい魚はでかい毛鉤でしょ」そう話しながら、フライボックスから取り出したのはオーソドックスなエルクヘアカディス#12。
彼曰く。
定番中の定番だから、一番最初に巻き方を覚えたやつだね。小雨降ってたし、小雨で暗めの環境だった。毛鉤の動きや、バイトの合わせを確実にする為に高い浮力を得られること。でかい魚はでかい毛鉤に食いつくという独自の統計をもとに選んだよ。
と、後日話してました。
渓流に映えるホワイトカラーのグラスロッド。このロッドはジョインターとノースカントリーアングラー のコラボで生まれた、ユニダイレクショナル Sグラスのブランクスを使用し国内で作られた竿。コスメといいこの透け感めちゃくちゃかっこいいですね。
リールはハーディの150周年モデルのフェザーウェイト。英国の雰囲気満載です。
さて、「ビー、ビー」とラインを引き出しキセキのキャストをします。
僕は何かを感じてたのかカメラを回します。
左の際をキセキのフライが流れた瞬間、水中に消えます。フッキングと同時にシャシャンと鈴が鳴り、UDグラスが今季1番の弧を描く。
ランディングまでは数秒だったでしょうか、スムーズな所作に少しビビりました。
ネットの中には「秋らしい」尺ヤマメの姿が。
全身が震える瞬間、釣りにはそんな魅力があります。そんな時間をシーズン最後に持ってくるT氏のセンスには脱帽。この瞬間があるからやめられないないんです。
じっくりとカメラを構え、この時間を噛み締めます。
パーマークの中にうっすらと辰砂色を纏うその魚体はまさに日本の鱒。日本の生き物の美しさが滲み出ています。
魚へのストレスを最小限に抑え、感謝をしながらリリース。
ほんとにいい時間。
皆さんは震える体験をしたことはありますか?
渓流をフィールドにした釣りにはそんな魅力が盛り沢山。一匹の魚に辿り着くまでのプロセス、エピソードは釣り人それぞれ。楽しみ方は無限です。
そんな魚、自然に感謝と愛を持ってぜひ皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか。
そんな形で、オーソドックスな軌跡を辿った「定番のキセキ」な2023シーズン最終釣行はT氏と共に閉幕。またこんな時間を一緒に過ごしたいなぁ。
最後に、「キセキなヤマメ」のファイトシーンをフッキングからランディングまで映像に残すことができたのでシェアしようと思います。
釣り場への誘引剤「The DRAG」になれると嬉しいです。
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