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風の谷という名の希望
一昨年の2020年の7月頃でしょうか。「シン・ニホン」という本を書いた安宅さんが唱えた論で、「開疎化」というものがありました。
疎開の反対なんですが、丁度コロナが急拡大してきて、リモート推奨、皆さん都会のオフィスを離れて田舎に引っ越しましょう!! 現代の疎開である~というようなお話でした。
実際、田舎(地方) に本当に事務所を移転した企業さんもありました。和歌山県白浜にオフィス移しました!! というネタもガイアかカンブリアで放映されて、空港が近いところでは「特区」を作ったらどうか? みたいな話も各自治体で話し合われたのではないでしょうか。
以下はその時に作ったpptなんですが、開疎化が進むとしたら、こんなプロセスなんじゃないかとの想像です。コロナが引き金となり、地方へのUターン、Iターンが促進され、地方で納税者が増えるというシナリオです。
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これは、人口ヒストグラムを見てもありそうです。
以下は、2030年の大阪の人口ヒストグラムですが、
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2030年に団塊ジュニアが最大ボリュームになり、70オーバーの人達が少なくなります。すると、エッセンシャルワーカーと言われる、清掃、警備、小売販売、建築現場、タクシードライバーさんとか、なり手が少なくなるはず。都市のインフラ機能が減退していきますよね。
逆にアラフィフ層は中間管理職から、経営陣に進むセレクションにおいて半数以下に絞られ、負け組みは激しい肩叩きにあうだろうし、ポストを離れたホワイトカラーの人達が行き場を失っていくと。そんな時丁度田舎の親の介護の話が舞い込んで、だったら田舎に戻ろうか・・・となるケースも増えるはずです。
そのことは、実は地方にとっては良いことだと思うのです。というのは、都会で企業戦士として戦っていたビジネス知見を持った人材が田舎エリアに増えることで、もし、その人達を有効に活用することができれば、エリア発展に繋がるかもしれないからなんです。
以下は、昨年12月「カンブリア宮殿」で放映された流山市の行政の秀逸さにより、税収が大幅アップしたという内容の番組内キャプチャですが、
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行政がこんなイケてるキャッチコピー入りのイメージポスターまで作っちゃうんだ!! という驚きを覚えた番組だったんですが、流山市役所の中にマーケティング課を作って、外から人材を登用、マーケティング課が中心となって流山市への移住受け入れ促進をしたことの成功事例として語られていました。
私は元広告代理店だったこともあり、この辺りは敏感に反応したわけなんです。マーケティングセンスのある人を、地方行政の推進役に据えることで、魅力のアピールが上手になるんじゃなかろうかと。もちろん、戦略作りが最重要ではあるわけですが。つまり、実態を伴わないキャッチコピーだけの上滑りでは駄目よと。
某、人材コンサル企業常務も言ってましたが、「2020年代に都市から地方への人材の大移動がおきますよ」と。今日も、恵比寿にある某法人ビルの4-7階が全てがシェアオフィスに変わった現状等を見ていると、確かに都市にオフィス持つ必要もないし、人材も都市に留まる必要はなくなってきてるよなぁと実感させられます。