ヒヨリミコロシアム覚え書き
どうも。
今回はヒヨリミコロシアムという作家主義性の高い短編小説コンペの審査員に選ばれまして、かなり経験値の高いイベントだったので、その覚え書きを書いていきたいと思います。
・短編小説ってやっぱり良いなぁ。
僕は長編小説より短編小説の方がどちらかというと好みで、それは企画と企画に対する哲学性が純に反映されるから。だと思っています。
鋭い強いパワーを持った商業主義的ではない企画に、その企画に対する強い哲学性を持った文章が、ヒヨリミコロシアム全体に立ち込めていて、凄い脳トレになりました。
週刊少年ジャンプみたいなマンガって、もうオートパイロットっていうか。ハイハイ。ルフィが勝ちますよっと・・・みたいな。ある程度オートパイロット的に読めるじゃないですか。
でも、ヒヨリミコロシアムは本当に先が読めないというか。
企画の奇抜性故に、先が読めない。だから真剣に読む。のでそれが筋トレになるっていう。凄い良い体験が出来たなという実感がありました。
・ブレードランナーを見たぜ
https://editor.note.com/notes/na2ae1245acd9/edit/
というワケで、短編小説の中にブレードランナーの描写があったので、それをきっかけに20歳の時から9年ぶりにブレードランナーファイナルカットを通しで鑑賞。
とにかく圧倒的なビジュアル。圧倒的湯気!雨!そしてコートを来た探偵!目が光るヤツ!2回目の鑑賞はメチャクチャ楽しかったです。
![](https://assets.st-note.com/img/1655883613288-KpjfnraPJg.jpg?width=1200)
しかしこの主人公のハリソン・フォードがとにかく不憫。すげえバク宙をするハイレグ女にふとももで挟まれながら鼻フックを食らうシーンはもう主人公のソレではない。お前本当にそれで良いのか。壁から手が出たりとにかくやられっぱなし。いいのか。お前・・・
![](https://assets.st-note.com/img/1655884058814-HtM6fWPI0Y.jpg?width=1200)
ルトガーハウアーの鳩の掴み方も雑ゥー!
でも、最後にハリソン・フォードを助けてあげたシーンは感動的でした。
「リメンバー・ミー。僕のこと、忘れないで・・・」という哀しい思いの中雨の中で絶命するルトガーハウアーくん。主人公は紛れもなくこの人だったんだなぁ。と思いながら見てました。
この「bubble~」の短編集なんかが特にお気に入りで、10点を出したヤツです。
https://www.youtube.com/watch?v=Dz_GcqrHTi0
個人的に「遺書系作品」が大好きで、他人の遺書を読むのが大好きな自分としては、この遺書のメッセージ性がガンガン胸に届きました。
大林宣彦の海辺の映画館って映画も遺書映画として最高で・・・その影響で10点満点をあげちゃいました。
富嶽とかも、僕は暴走する自意識から出た言葉っていうのがすっげー好きで、ランゲージのおかしい自意識の歪んだ人間っていうのがラブな僕としては大好物でした。
暴走する自意識をロジカルにやるコメディアンとして、バカリズムが好きな僕としては、富嶽は自意識によってランゲージが崩れる方向に向かうのがたまらなく好きっていうか。とにかく良かった。
![](https://assets.st-note.com/img/1655884531739-BHk66AEyl7.jpg)
夕暮れ色の恋模様も、僕は夕日で終わる日本映画っていうのがすげー好きでして。
横道世之介とか、桐島、部活やめるってよ。とかそこのみにて光輝くとか。日本映画ってのは夕日で終われ!って思ってる人間としては「夕日で終わるラスト、サイコ~~!!!!」ってなったので10点付けちゃいました。
ちなみに個人的なエンディングテーマはサカナクションの三日月サンセットです。上に歌詞あるけど、もうまんまでしょ?(知らんがな)
https://ncode.syosetu.com/n2089hr/
あと、安倍晴明が題材の作品だった事が判明した作品があったんだけど、教養ヒクヒクオ君には一切わからず、自分の無知をさらけ出した結果になったのが悲しかったです。すまん。10代の頃アヘアヘしながらゲームばっかやってたからホント教養無いんだ俺・・・
後この「ガランドー」(コマンドーみてえに言うな!)これは特に良かったよね。
なんかもう、後半読んでて頭クラクラしちゃって、椅子に座って読んでたんだけど後半体が浮く浮遊感みたいなのが感覚としてあって。
僕、とにかく変な映画が大好きで。
テリー・ギリアムとか、ギレルモ・デル・トロとか。ギャスパー・ノエとか。何見てんだよ!?っていうふわふわ感って創作を見る動機として結構あって。
そういう意味では「ガランドー」はとにかく浮遊感とふわふわがグレイト!だった作品です。
https://ncode.syosetu.com/n1725hr/
で、十年目の怨嗟。
いや、もうこれは10点と金賞をあげるしか無いというか。
正直「忖度はしない」っていう一定のスタンスで読んでたんだけど、やっぱこういう現物出されると10点と金賞は出さざるを得ないっつー実感があった。
「愛の成就と生命の喪失が等価交換である」っていうミナシブキさんの一貫したテーマ性がこれで完全に確定したイメージもあって、本当に業が凄い(褒めてる)作家さんだと思います。
・・・生命の喪失無くして愛の成就は成立しないというメッセージ性が、ヒヨリミっていうサークルの作家性の台風の目というか。中心点だと思ってるワケで、まぁ10点は出しますよね。と。
っつーワケで、ヒヨリミコロシアム。やっぱオモロかッたです。
特に「企画が跳ねる事に成功している」作品が多くて、企画からぴょーんと飛び跳ねる事にちゃんと上手く行ってる作品が多かった。
また、次があったら参加したいし、ぜひぜひ続けて頂きたい文化だと思ってますので、応援します!
終わり。
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