終わりに
このシリーズを開始したきっかけはコロナでした。
コロナ禍以前は忙しく各種研修に取り組んでいましたが、
コロナの蔓延とともに集合研修に急ブレーキがかかりました。
リモート研修などを試みたものの、
どうやら私の特徴は強いインパクトを伴った対面講義にあるようでした。
元々長いお付き合いの企業が殆どで20年以上も関与している会社も珍しくはありませんでした。
そんな企業群が軒並み集合研修の中止という決定となり、
なかば強制引退(?)のような形で殆どの企業との関与が終了(中断?)する形となりました。
突然強制的に今までいた場所から引き離され、
時間を持て余すと同時に無力感や戸惑い時には怒りさえ感じたものでした。
能力や意欲が消滅したわけでもなく、
ある日突然その発揮すべき場所と時間をなくしてしまったということでした。
そんな時に知恵プラスの服部さんに
「今まで研修テーマとして定年延長にまつわる諸問題を取り上げたことはあったけれども、
自分がそのような立場に立ってみるとやはり心の準備ができておらず、
慌て戸惑い時には怒り、といった心情になっていきました。
定年延長に伴う諸問題に今迄管理職の側からアプローチしてきましたが、
定年延長者の側になった整理と準備の時間が必要なようです」という様なことをつぶやくと
「そのことをブログで発信しませんか?」ということで、実験することとなりました。
今迄研修で述べてきた理論も含め自分の立場に置き換えつつ表現してきました。
このシリーズを終えるにあたり、
改めて我々は「社会的動物」であることをしみじみと感じています。
働く意義はいくつもありますが、
多分最大の価値は「社会とつながる」ということではないでしょうか。
時には無理やり自分の思いを押し殺しても、やはり何かをしたい、社会と繋がりたい
という欲求は押さえられません。
そのような状況で私がたどり着いた結論は
「自分の時間を自分の納得できる過ごし方をする」ということでした。
どちらかというと今迄の私の人生は「挑戦」という言葉で表現できるようです。
様々なことに流されることを嫌い挑んできたと思います。
満足感はありませんが納得感はあります。
もうそろそろ自分を「挑戦」という様な少々過激な気分から解放したいと思います。
自分で納得できる時間を、
自分が心地良い時間を、
自分が感動できる時間を過ごしたいと思うようになりました。
その一つとして比較的最近やり始めたのがクラッシック音楽を聴くことです。
今まであまり興味を持っていませんでしたが、
ある時に偶然チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を耳にしそのとりことなりました。
それから同じ曲を違う演奏家で聞き比べてみたりしてみました。
同じ曲でも演奏家によって全く異なった印象になるものです。
それいらい、特別クラッシック音楽に詳しいわけではありませんが、
気になる曲を選びいくつか聞き比べるようなことをやっています。
つまり「自分にとって感動できる、心地良い時間を過ごすため」です。
私の人生が終局に向かっていることは間違いありません。残された時間を自分で確かめながら、大切に過ごしたいと思っています。
海雲 龍人