第2種電気工事士合格体験記~技能試験編~
1. はじめに
先日、第2種電気工事士という資格を取得したので、その勉強方法やかかった費用などを備忘のためにまとめました。
第2種電気工事士は筆記試験と技能試験の2つで構成されているのでそれぞれに分けて説明します。
今回は後編の技能試験編です。
前編の筆記試験編をご覧になっていない方は以下の記事をご覧ください。
2. 技能試験の概要
筆記試験に合格すると技能試験を受けることができます。
技能試験は事前に公表されている13題の候補問題のうち1問が出題され、試験時間の40分以内で欠陥なく完成させれば合格となります。
令和6年度の候補問題は以下です。
https://www.shiken.or.jp/candidate/pdf/K_R06K.pdf
毎年公表されますので、最新のものはご自身でご確認いただきたいですが、何年も変わっていないです。
技能試験に使用する電線だったりコンセントだったりという部材は試験で配布されますが、それを切ったり、接続するために使用する工具は自信で用意する必要があります。
どういったものが欠陥に該当するかについても資格試験のサイトにアップされていますので、事前に目を通しておく必要があります。
また、部材については若干の余裕はありますが、完成させるための必要量しか用意されておらず、電線を切り間違えるだけで不合格が確定してしまうため、結構シビアです。
4. 学習方法~技能試験~
ここからは実際の学習方法です。私は工具もこの試験のために購入し、電線などこれまで全く触れたことがなかったですが、無事一発合格できましたので、初めて取り組むという方もまずは安心してもらえればと思います。
ネットで、第2種電気工事使用の工具セットと候補問題13題を作るための部材セットが売られていますので、お金はかかりますがまずはそれを購入するのがよいと思います。部材セットについては2回分購入しましたが、13題を1通りやるなかで、似たような作業を繰り返し行いますので、2週は不要と判断し、1回分は試験後メルカリで販売しました。
定価に近い形で売れたので、保険のために2回分買っておくとよいかなとは思います。また、メルカリで売却した際に配送しやすくなるため、購入したときに使われていた段ボールは取っておくと使えます。
学習期間は1ヶ月程度で購入した工具・部材セットは以下です。教科書は購入せず、YouTubeで学習しました。
ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験工具セット(約13,000円)
電気工事士 2種 技能試験セット【2回練習分】(電線、器具) 【全13問対応】(約23,000円→メルカリで1回分を約10,000円で売却)
ホーザンの工具セットはアマゾンでも上位に出てきて、使っている人が多いのではないかと思います。試験場でも何人か見かけました。工具セットには候補問題の複線図もついてきますし、またホーザンのYouTubeで1問ずつ開設されていますのでそれを見ながら作成しました。
最初はケーブルを切断したり、被覆を剥いたりする作業も動画のようにうまくできず、完成まで1時間以上かかってしまい、合格できるか焦りましたが、何回も繰り返すうちに速度が速くなり、最終的には30分以内で完成できるようになりました。土日に2題ずつというペースで進め、平日は複線図の作成やホーザンのYouTubeを見てイメージトレーニングをしました。
5. 技能試験で難しかった作業2選
個人的に難しかった作業とその対策ポイントを2つまとめてみました。
・ケーブルの剥ぎ取り
動画を見ていると簡単にケーブルの被覆をはぎ取っていますが、自分でやってみると、全然切れないし、切れたとしても抜けないしで最初は大苦戦でした。
作業の中で断トツで数も多いので、これで詰まって大丈夫なのかと不安でした。
対策は2つあります。
1つ目は、切れ目を入れる際にVVFストリッパー(ケーブルの被覆をはぎ取る工具)を左右に振ってあげることです。VVFストリッパーをケーブルに対して垂直に当ててあげることで、きれいにケーブルが切れる仕組みになっていますが、なかなか一発で垂直に当てるのは難しいです。なので、切れ目を入れた後左右に振る、つまりケーブルに対して垂直(90度)をまたぐように80~100度の角度でVVFストリッパーを当てることで、垂直で切ることが出来るという感じです。
2つ目は、完全に切れず若干ケーブルが繋がってしまっている場合は、切れ目の部分を折り曲げてあげて力業で切るというものです。全然きれいなやり方ではないですが、あれこれやっていると時間が過ぎてしまうので、取り合えず頑張ってしまえば試験は通ります。
ただし、電線を傷つけたり、剥ぎ取る場所ではないところに傷をつけてしまうと欠陥になるのでそれには注意してください。
リングスリーブの圧着
心線を繋ぐ際に差し込みコネクタへ差し込むかリングスリーブで圧着するのですが、差し込みコネクタの場合はとりあえず順番に差し込めばよい一方で、リングスリーブの場合、複数の心線をきれいに束ねる必要があり難しかったです。心線は結構固く複数繋ぐ際はなかなか言うことを聞いてくれず、また、欠陥の一つに「リングスリーブの下端から心線が見える長さが10mm以上露出したもの」というものがあり、雑にも出来ません。
対策は、心線の剥ぎ取り位置を揃えてつなげることです。またその位置が揃うように立ち上げ位置を調整してあげることです。そうすることで、自然と心線が束ねられますし、またどれか一つの心線だけ露出しすぎて欠陥になるということも防げます。
6. 試験当日の体験
技能試験は1つの欠陥で不合格になってしまうということで、筆記試験と違い結構不安な気持ちでの受験でした。
候補問題の13題も苦手なものと得意なものとがあったので、出来るだけ簡単な問題が出てくれという気持ちでした。
出題されたのはNo.6で、露出型コンセントという他ではあまり使われない機器はありますが、そのほかは癖がない得意な問題だったので、安心しました。緊張して、剥ぎ取りや接続にもたつきましたが30分程度で終了することが出来ました。
試験終了まで、欠陥はないか注意深く確認しましたが、判断基準も自分で評価していただけなので、合っているか不安で、結果発表までは緊張していました。
7. まとめ
電気工事士という普段の生活では全く触れたことがない資格の取得となりましたが、技能試験で問われる能力もいくつかのパターンとなっていて、何回も練習することで、素人でも試験に合格する程度にはできるようになりました。実際に仕事として使えるかといわれると全く自身はないので、本格的にやる場合は講習会など参加しないとなという気持ちです。
自分としては、自宅のダウンライトの取り換えが出来るようになりたいという目的で取得し、おそらく必要になるのは10年以上先ということで、それまで忘れてしまいそうですが、取得できてよかったです。
技能試験合格までにかかった費用は工具と部材で33,000円(メルカリで一部試験後売却し、正味23,000円)です。
受験料や筆記試験の参考書と合わせると約45,000円
また、合格後の免状の申請のために5,300円かかりましたので、計50,000円と結構な出費になりました。
ダウンライトの交換だったらそれ以下の工賃になりそうですが、いい経験になりました。
他にもいくつか資格をもっているので、今後はその体験記も書いていこうかと思います。