いじめのはじまり
こんにちは。今、メキシコのグアダラハラは夕方6時半です。
また1週間が始まった。もうすぐ学期が終わるので、テストの実施やらその準備やらで忙しい。
あと2週間踏ん張ったら、少し休暇がもらえる。
ちょっと行ったことがない町にでも行ってみようかな!(^^)!
今日は今学期、うちの学校で日本語を勉強し始めたある男の子について話をしたい。
今学期というのは、1月から始まったので、彼はまだ勉強を始めて数か月と言ったところだ。
年齢は24歳。体型はやせていて、どちらかというと大人しい感じの学生だ。クラスでもいつも1番後ろに座っている。お姉さんが4人いて、10歳ずつぐらい年が離れているそうだ。今はその4人のお姉さんと暮らしているとこないだ言っていた。
クラスの前と後によく私に話しかけてくる。
「(壁にかけてある浮世絵を見て)先生、この絵は何ですか?」
「先生、クレヨンしんちゃんのほうがドラえもんよりおもろしろいですか?」
「先生、名前は漢字でどうやって書きますか?」
非常に純粋にいろいろ知りたいんだなと思った。
時々忙しくて、今話しかけられると困るという時にも話しかけてくるが、できるだけされた質問には答えるようにしている。
しかし、僕自身が困っていることではないのだが、周りの同僚たちからは困っているという話を聞くようになった。
彼は他人の時間を悪気もなく、奪う癖がある。
いつもだいたいクラスが始まる1時間くらい前に学校に来るのだが、秘書をしてくれてる元学生のところへ行って、延々と話しかけている。彼女は優しい性格の持ち主なので、あまりキツいことも言えない。だから、迷惑だと言えないでいる。
クラスが終わっても、彼はすぐには帰らない。先生が後片付けをして、学校出るまでずっと待っている。
先週の土曜日も以前話したベジタリアンの同僚と僕が一緒に帰ろうとしたとき、彼はついてきた。ひたすら僕にいろんな質問をし、それに答えている横で、同僚はずっと黙っていた。その日は、僕も疲れていたので、あんまり相手もしてられないなと思いながらも、彼のいろんな状況が少し見えていたので、気が済むまで話に付き合うことにした。
結局、自分の家とは全然反対方向の電車の駅まで彼はついてきて、
「僕たち今からここで電車に乗るけど、君はどうするの?」
と聞いたら、
「じゃあ、僕の家はこっちだから、ここで」
と言って、ようやく家へ帰って行った。
そんなことがあった先週の土曜日よりずっと前だから気づいていた。
彼は孤独なのだ。心のどこかにさびしさを抱えている。
もちろん誰しも孤独やさびしさを抱えるものだと思うが、それが人一倍強いように感じた。
そんな彼と僕が何度か学校で話しているのを見て、周りをこんなことを言ってくる。
「あ、またかいとの友達が来た!」
「あれ、かいとの親友は今日はいないの?」
「やっぱり2人は仲が良いね!」
揶揄しているわけだ。
こういう何気ない発言にいじめのはじまりがあるように思う。
おそらく彼のことを「空気が読めない」。
つまり、KYと一言で括り、自分たちは関わらないで蚊帳の外にいることで、面白おかしく見えるのだろう。
正直、ちっともおかしくなんかないのだが…..
自分の発言や行動に対して、それに悪意があると自覚してする人は、ほとんどいないと思う。たいていの場合、悪意はないと思っている。そう思っているから、口に出せたり、行動出来たりするわけだ。
そして、事が起こってから、
「すいません。でも、悪気はなかったんです。」
と言う。
中学生のころも同じようなことがあった。
通っていた中学校である子と仲良くしていたら、今回と全く同じようなことを言われた。
その時の自分は周りから浮いて、自分が居づらくなるのが嫌だったので、だんだんとその子を避けるようになった。
以来、彼は不登校になってしまった。
34歳になった今の僕は何ができるだろうか。
24歳のその学生のことを
「僕が話相手になってあげるんだ。誰もあいつのことを分かってあげなくても、僕だけは分かってあげないと。」
と上から目線で接するつもりはない。
また、
「君の存在は他の人の迷惑になっているから、自分の振る舞いに気を付けるように」
などと人格を否定するようなことを言うつもりもない。
僕ができるのは、
①そうやって揶揄する周りは、無視すること
②自分の時間を奪われそうになった時は、しっかりと断ること
③できる時は、彼の話を聞いてあげること
それくらいしかないかなと思っている。
みなさんなら、こういう時、どうしますか?もし良かったら、コメントに書いていただけると嬉しいです。
今日も読んでいただきありがとうございました(*^-^*)
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