鈴木宗男議員訪露の見方
日本維新の会の鈴木宗男参院議員がロシアに訪露し、ルデンコ外務次官と会談した。
昨年2月にウクライナ侵略を開始して以降、日本の国会議員の訪露が明らかとなるのは初めてとなる。
会談でルデンコ氏は鈴木氏が日露関係の発展に貢献したと指摘し、日本の対露制裁に対して遺憾の意を表明した。
鈴木宗男氏はウクライナ戦争についてロシア側への擁護や戦争の即時停戦を求める発言を繰り返し、ニュース番組でも多くのコメンテーターと激論を繰り広げてきた。
今回の訪露によって処罰を求める声が上がっており、維新の対応が注目される。
ロシア訪問には良い面もある
鈴木宗男氏に対して批判が集中する中で私は今回の訪露は評価すべき点もあるのではないかと考える。
これは此度のウクライナ戦争は「ロシア側にも正義がある」「擁護すべき」といった親露派のような馬鹿げた主張をするつもりは一切ない。
あくまで国際法を破ったのはロシア側である。
私が主張したいのは鈴木宗男氏の訪露によって「ロシア政府側の主張や動きを読む」ということである。
今後の対ロシア外交を考える上でもロシア側の主張等を見ていくことは非常に重要なことだ。
もちろん、完全にロシア政府側の主張によって全てが明らかになることはないが、ロシア外務次官が表舞台に出てきたことは貴重である。
鈴木宗男氏の訪問は私としては批判すべき点もあるが、情報を分析する上でよい駒として評価できるのだ。
現在の情報でわかったこと
ロシア国営通信関係の情報を覗くとルデンコ外務次官は日露関係について
「今日、米国の希望に沿った日本政府の制裁政策と、米国によって押しつけられた『集団的西側』の反ロシア路線によって、何十年にもわたって積み上げられてきた国家間協力が意図的に破壊されることについて遺憾の意が表明された。そのような路線は日本の国益や日本国民の望みに合致しない」
これがロシア外務省サイドの見解である。
これは裏を返せば「ロシアは日本と西側諸国との連携を嫌がっているという」解釈にもある。
これは対露制裁によって国内経済に対するダメージや、NATO首脳会議への岸田首相の出席及び極東ロシア軍の情報をもつ自衛隊がNATOと連携することも強く関係していと考えられる。
つまり、今回の会談によって日本の対ロシア政策をロシア側は嫌っており、効果があるということが改めてわかったということだ。
これは私個人の分析であるため、「的外れだ」という指摘は甘んじて受けるつもりだ。
しかし、ロシア外務次官の見解が判明したことは事実であり、コンタクトをとってきた事により様々な分析が可能になった。
こうした広い視野・視座で物事を観察・分析することは実に有意義であり楽しい側面もある、是非とも読者にはお勧めしたい。