2023. AK-3D Printing-

学生時代培った全てをぶつけると決めた社会人一年目、何一つ届かなかった”仕事をする”という意識

価値観は全て博士課程で培った

研究に打ち込みながら、自分自身の価値観と常に壁打ちしてきた博士課程だった。自分自身の生き方を調整するには博士課程という時間は、荒木研究室という場所はあまりにも快適で、幸せな環境だったと振り返る。

自分自身で何かを決めた実感を持てずにいた学部時代までの時間と一変して、自分で研究テーマを決め、自分のやり方で進めることを覚えた時間だった。周りの人にも支えられて博士号を取得したからこそ、少しでも社会に還元できるような仕事をしたいと思った、今もその気持ちは忘れてない。

僕の全てを肯定してくれた最高の先輩との出会い、学生時代培ったことは間違ってなかったと確信した入社直後

入社直後は何もかもが思い通りだった。入社後に実現したいと思ってたことは全て実行に移した自覚がある。新入社員最速の海外出張を勝ち取ったり、業務内容に自身の方針を盛り込めたこと、社内の仕事の様子をメディアで伝えたことがそれを物語っていると思う。博士課程で学んだマインドを全てぶつける気持ちで考えついたこと全てを行動に移したと言える。

だけど、それを支えてくれていたのは僕の直属の上司だったと振り返る。Aさんは僕の仕事の進め方、プライベートでの時間の使い方、お酒の飲み方、お酒からの回復の仕方、全てを叩き込んでくれた方で、この後も尊敬し慕い続ける方になると確信している。僕が”これやりたい”と思って発言したことを一つも否定せず、ときには会社に前例がないことを言ったときにも”どうしたら実現できるか?前例のなさを会社の慣習を守りつつどう実現するか?”を常に考え、最前のアドバイスをくれていたと振り返る。おかげでこの一年の仕事はとてつもなく楽しくて、それでいて少しではあるが開発で結果も残しつつある。

この後も最高のパートナーになってくれると確信していた、それくらい素敵な出会いに恵まれ、おかげでこの一年の社会人生活は実りある時間に、最高に楽しい時間だった。

お客さんにものを提供するという精神、”やればいい”では何一つ足りなかった


自分はこれまで、何かに取り掛かりはじめること、アクションし始めることには誰よりも素早く、フットワーク軽く取り掛かることを意識してきた。

だけどやり始めてからその物事の先を突き詰めるにはとてつもない幅・深さ・距離があるということに博士課程で少し気付き、この1年目で意識の低さに直面した。

仕事が回らない。自分の"やり切った"が何も通用しない、先輩に届かない。仕事をするとは、お客様にものを届けるとはどういうことか、今まで意識が向かなかったことに向き合えた貴重な時間だったと振り返る。

自分の個性である”"-"を"+"に変える瞬間に力を発揮する”を生業にしていく実感を得た

締切前にブーストする個性

話は少し変わり、高校の同級生である剛貴が以前、こんな記事を書いてくれた。この記事は未だに僕の背中を押してくれるし、折に触れてここに書いてある内容を思い出す。

Kaitoって逆境に強いよね。逆境ってか、「+10から+50」にするよりも「-50から-10」にするときに猛烈にパフォーマンスするイメージある笑

https://note.com/wasshoi_goki/n/ncb82cd48fac4?sub_rt=share_pw

これは周囲の環境に対してもそうだし、自分自身のモチベーションを保つ意味でも全くそうだった。締切に近づくにつれて何もやってない状況に焦りを覚えて、焦ればそれだけやる気はでるし、そのときの瞬発力には自信がある。

何より、他の人が困っていたり助けを求めているシーンに直面すると、”何か手伝いできることないかな”と感じて動かずにはいられない。それが重政海都という人間なんだと思う。

だから仕事においても、”納期”と”年度末”という言葉は僕に対して猛烈に力をくれた。実際自分自身の教育計画では12月末に完了事項であった技術内容の習得に対しても、先輩の力を借りながら8月に完了させた。それを実績に発表会に参加させてもらったりと、自分の力だけでは手が届かなかった世界を沢山味わうことができたと感じる。

周りにも助けられながら、自分自身もやれることに全力を注いできた。振り返るといいチームで仕事ができたと思う。

直前の頑張りに感じた自分の限界

でもやっぱりやれなかったこともあって、直前にしかやらないということは、より高めたい要素が浮上してきても、それは時間切れ、高める余力はないというケースが多発した。

実際年度末に目標にしていた駅伝タイム、高分子試験、これらはやり込みの足りなさ故目標には届かない結果となった。直前で見えてくる〆切だけでは最高のものはできない、質の高さを追い求めて事前に取り掛かるということを覚えていきたいと感じた瞬間だった。

会社という組織、伝わってなかった・伝えられなかった現場の声


今年一年共に取り組んだ先輩は今年いっぱいでチームを離れることになった。現場では来年度の構想や、ビジネスモデルの壁打ちなどを常日頃やっていた。そんな熱量とは裏腹に、チーム解散の話は部長の中で進んでいたとのことだった。

もっと早く言ってくれれば、今まで注いだ熱量は何だったのか、そんな疑問でいっぱいになった。辞令が出るまで他者への共有をしてはいけないという組織力学による同調圧力には未だに解せない点が多い。この圧力で幸せになってる人は世の中にいるのだろうか。

自分のやりたいこと、やれること、どこまでバランスを取るのか

この一年は会社から与えられることはこなしつつ、自分がやりたいことを別途進める、そんな一年だった。

ただ、"会社から与えられること"の位置付けの仕事が身が入るはずがなく、やはり自分は自分がやりたいことに1番熱量が入るタイプでありパフォーマンスも最も向上するのである。

この一年は、会社での仕事と自分のやりたいことをどれだけ近づけられるかが課題になると思う。これまでやりたくてもやりきれなかった熱量を共有できない人間をいかに巻き込むか、論理的に説得するかが求められる一年になる気がしている。

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