24. 〜人工膝関節全置換術後の急性期リハビリについて〜
こんにちは。
荒木魁人(あらきかいと)です。
今回は前回の変形性膝関節症の患者に対して行う人工膝関節全置換術(以後TKA)後の急性期リハビリについて書きます!
※病院勤務時代に行なっていたリハビリについて書きますが、一般的な進め方についてです。必ずしも全員に当てはまるわけではないので、参考程度に見て頂けたらと思います
TKAとは
TKAとは摩耗して傷んだ関節表面を削って人工物に置き換える手術です。
傷んだ部分が新しく置き換わるので除痛効果が優れています。
耐久年数は15年程度と言われています。
よって若い方には行うことは少ないです。
また、術後は軽いスポーツ活動(ゴルフ、卓球、水泳、ハイキングなど)は可能ですが、運動負荷の高いスポーツ(マラソンやジャンプなどを伴う競技など)を行うことは推奨されません!
TKA後のリハビリの流れ
概ね術後2〜3週間で退院します。
退院のメドとして屋内での杖歩行・日常生活活動が自立レベルになることです。
リハビリは術後翌日から始まります。
患者さんには術後に疼痛があることと、術後翌日から可能なことからリハビリを始めていくということを術前から説明して理解を得ておくことが大事です!
また、急性期病院のリハビリはだいたい40分or60分/日と短いです。
患者教育が大事で自主トレを行なってもらうことが大事になります。
術後翌日は、評価がメインになります。
先ずベッド上で疼痛の評価と関節の可動域を測ります。
疼痛の強さと性質を本人に質問して聞き出します。
関節可動域は左右左の有無とendfeelを感じて可動域制限の原因を考えます。
次に平行棒内で両手すりを掴まった状態で立ち上がりを行います。
多くの人が疼痛が強く立つことが困難なため介助下で立ち上がりを行います。
術後早期に大事なのでがRICE処置です。(RICE処置は5記事目を読んでいただければと思います)RICE処置を怠ると、腫れが引かずに痛みも長引くのでRICE処置は徹底しましょう!
術後1週間は疼痛が強く歩行訓練が困難なことが予測されます。
1週間は関節可動域訓練とパテラセッティング(仰向けで寝た状態で膝の真下にタオルを置いて、タオルを潰す運動)を中心に行います。
人はあっという間に筋力・体力低下が起きるので早期からの離床が推奨されています。
痛みが徐々に軽減されてきたら、歩行訓練を行います。
最初は平行棒内から始めて、次に歩行器歩行を始めます。
歩行器のメリットは手に体重を乗せることができるため、患側の足の荷重量を分散させることができます。また、多少はびっこ引いて歩いていても大目に見てまずは歩くことを優先させます
患側に荷重ができるようになれば杖歩行訓練を開始します。
杖は患側と反対の手に持ちます。
杖歩行開始と同時に行うのが、健側に手すりを持って患側の荷重訓練を行い歩様修正をします。
踵から着いて、つま先で蹴りだすまでの一連の歩行動作を反復練習していきます。
また、階段昇降訓練も行います。
階段を昇る時は健側の足から上がって、次に患側の足を上げて揃えるを繰り返します。
階段を降りる時は患側の足から下ろして、次に健側の足を下ろして揃えるを繰り返します。
杖歩行安定してくれば退院し、外来リハビリへ移行していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございますʅ(◞‿◟)ʃ
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