幸せな1,500円の使い方

1,500円あれば、UberEatsでとりあえずお腹を満たせる。

めんどくさいから、アプリを立ち上げてポチ、で料理が届く。そして食べる。で、お腹は満たされる。けど、心は満足しない。ムダにお金を使ってしまった罪悪感だけが残る。

毎回小さな後悔を感じるくせに、「外に食べに行くのめんどくさいな~」と感じたら、UberEatsをポチってしまう。そして、1,500円を失う。


そんなことを繰り返していたある休日のお昼。UberEatsを頼もうとした手が決済ボタンの前で止まる。

「この1,500円を、もっと楽しいことに使えないか」

1,500円をつかって、幸せを最大化する方法を考えはじめた。どこか遠くに出かけようか。いやいや、さすがにそれは面倒くさい。じゃあ、近くの美味しいカレー屋さんに行こうか。いや、確かに美味しいけど食べたことあるから味はわかっている。お腹が空いているのは確かだから、美味しいものを食べたい。


あ、そうだ。

近くのスーパーで、ずっと気になっていた、あのお惣菜を買ってみよう。


と思い立ち、歩いて3分の距離にある「まいばすけっと」に足を運ぶ。1,500円以内で、何をどう組み合わせれば、大満足のお昼ごはんが食べられるか、考えることにした。

すると、不思議なことがおきた。いつもと変わらない店内のはずなのに、店中が楽しいもので溢れているように見えた。え、松前漬けってなに?美味しそう。あ!いかめしって美味しそうだなぁ。卵の醤油づけも美味しそう。サバ缶とビールっていう組み合わせもいいなぁ。

なにせ1,500円という制限があるから、何をどうすればいいのか頭を振り絞って考える。あれもいいな、これもいいな、と浮気したくなる。


結局わたしが買ったのは「サーモンの刺し身」「アボカド」「松前漬け」「冷凍餃子」「ビール」だった。家にかえって、サーモンとアボカドを切って、ご飯にのせる。お醤油にわさびをとかして、いただく。松前漬けは初めて食べたけど、ご飯に合う絶妙な美味しさだった。餃子とビールも、ご飯にあって最高だった。


実に満足度のたかい1,500円の使い方だった。

・・・

思い返せば、小学生のころ。おばあちゃんから貰った100円で、駄菓子を買うのが最高の楽しみだった。100円という制限のなかで、何を買おうか…と決めることにワクワクしていた。

今はどうか。小学生のころより、ずっとたくさんお金を稼げるようになった。100倍以上のお金を、自由裁量であつかえる。

でも、100倍幸せかというと、そうではない。むしろ100円から幸せを感じる技術は、小学生のころのほうが高かったと思う。


要は使い方の問題なのだ。どんなにお金を持ってたとしても、使い方が雑だと、これっぽっちの幸せも見つからない。

逆に、「このお金をつかって、一番幸せになれる方法はなんだろう」と考え、知恵と工夫をくわえれば、少ないお金でも幸せになれる。


小学生のころの自分は、お金の使い方がいちばん上手だった。お金をもっているだけでは幸せにはなれない。大事なのは使い方。それを意識しながら日々過ごしていきたいなと思う。

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