「株の取引って何ですか」という人へ
株とは会社から渡された証明書みたいなものです。
説明します。
少し離れたところに、宝島があるとの情報が流れました。
ある若者が
「船を買って、宝島に行って財宝を持ち帰ってきます。」
と宣言します。
また続けてこう言いました。
「しかし、僕には船を買うお金がありません。誰かお金を出していただけないでしょうか。お金を出していただいた方にはこの証明書をお渡しします。」
その証明書には
「失敗してもお金は返しません。成功したら、利益を分配します。」
と書かれてあります。
つまりその証明書を買うことは、出した分だけお金がなくなるリスクを背負うことを意味しているのです。
これが株の正体です。
途中で船が壊れたり、若者が死んでしまったり、宝島の情報がデマだったり、財宝が少ししかなかったりと成功する保証はどこにもありません。
しかし、成功すればリスクを背負った見返りとして報酬を得ることができます。
これを配当金と呼びます。
さて、ここで一番面白いところは「証明書が売買できる」点にあります。
つまり自分が背負ったリスクを他人に押し付けることができるのです。
もしも船旅の途中で、その宝島がデマである可能性が非常に高いと自分だけが知ったとします。
その証明書を持っていては損をすると思い、何も知らない人に証明書を売ることができるということです。
このように証明書に需要と供給が発生し、その売買値段が変動します。
会社の業績が良さそうで、これからの利益がどんどん増えそうだと全員が考えればその株を欲しがる人が多いため、株価は上昇します。
逆に、スシローペロペロ事件のように不利益が生じそうな情報が流れれば全員がその株を手放そうとして株価が下がるわけです。
「安く買って、高く売る」というよくある株取引のイメージは、この仕組みを利用したもので、せどりに似ています。
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