天理教本殿に行ってみたら
現在わたしはどの宗教にも入っていない。
親が宗教に否定的なので、わたしも同じような考えで育ってきた。
最近になり「宗教」というものが、実際どんなものなのか少し興味が出ていた。
近くにあるキリスト教の教会に行ってみようかなと何度か思ったりしたが、結局行かず時間が経っていた。
3月24日のこと。
わたしが好きなルポライターの國友公司さんが、メルマガで天理教の本殿に行った話について書いていた。
3月23日配信のメルマガだったが、それを24日昼の12時ごろ、起きぬけの状態で読んだ。
すぐにわたしも行ってみたい!と思い、準備をして天理教本殿がある奈良の天理に向かった。
家を引っ越す度に天理教の教会が近くにあったので、天理教はずっと気になっていた。
15時前に天理駅に到着し、グーグルマップでクチコミの良いラーメンを食べたが好みではなかった。
商店街があったので、ゆっくり見てから本殿に行こうと商店街を歩く。
商店街を天理教の黒いハッピを着た人が何度も自転車で通過していて、さすが天理だなと思った。
途中、立派な古い旅館のような建物を見つけた。
調べてみると、天理教本殿に参拝する信者の方が宿泊したりする「詰所」という場所だった。
Yahoo知恵袋の情報によると、1泊1000円ほどで泊まれるらしい。
商店街に遊びに来たので、どれくらい本殿から遠ざかったのだろうとマップを確認すると、本殿がすぐそばだったので驚いた。
商店街を通り抜ければ本殿に着くようになっている。
本殿には16時55分頃到着した。
國友さんのメルマガ情報と、天理教のホームページで、天理教本殿に「インフォメーションセンター」があることを確認していた。
インフォメーションセンターに行けば、時間指定なく天理教本殿を案内してもらえるとのこと。
しかも勧誘などもないという。
インフォメーションセンターがすぐ見つかったのでさっそく向かう。
するとまさかの
営業時間が終了していた。
16時15分終了か〜〜〜。
どうしよう。
広い本殿を見てもなにがなにか分からない。
インフォメーションセンターに行けなかったら来た意味がほとんどない。
天理教の人の温度感を知りたかったのに。本殿の建物よりそれがメインで来たのに。
少し本殿を歩いたあと、やはりただでは帰りたくないと思った。
天理教の黒いハッピを着ている人に声をかけることにした。
若い人はあまり相手にしてくれなさそうなので、頃合いの年齢の人を探していたところ、めぼしい人を見つけた。
めぼしい人がちょうどこちらに向かってきたので「キターー」と思い声をかけた。
「すみません。初めてきたんですけど位置関係が良くわからなくて。ほんとはインフォメーションセンターで聞けたらよかったんですけど時間が過ぎてて」
と言うと
「ああ、じゃあいまから案内しましょうか」
と言ってくれた。ラッキーだった。
一応入口に案内図はある。
正面の南礼拝場から中に入った。
中で話を聞くと、なんと26日の月次祭のために前乗りで本殿に来ていた、分教会の教会長さんだという。名前を吉岡さん(仮名)と言った。
吉岡さんは丁寧に天理教の成り立ちや、天理教の考え方について話してくれた。
途中挟んだわたしの質問にも丁寧に答えてくれる。
天理教はとにかく夫婦仲を大切にしているそうだ。
一通りの話しがおわったあと、天理教の礼拝の仕方を教えてもらって参拝した。
次の参拝場所に移動する。
建物はすべて廊下で繋がっていた。移動中も参拝場所でも、吉岡さんはずっと話をしてくれた。
参拝箇所をまわり終えたので建物から出る。
吉岡さんから名刺をもらい、LINEも交換することになった。
日の出と日の入りの時間、2回参拝の時間があるそうで、帰るころが日の入りの時間だった。
これは吉岡さんが教会長権限で貸してもらっている自転車だそう。
教会長に休みはないらしい。
悩みを聞いたり、教会の仕事をしたり、おつとめをしたり、この間は2ヶ月コンゴに行っていたそう。
吉岡さんの家族の話を聞いたりしながら駅まで歩いていると、吉岡さんが来た道を振り返って「僕が泊まっている『詰所』は右の角曲がってずっと行ったところですよ!」と教えてくれた。
本殿での会話で詰所の話しが出たので教えてくれたのだろう。
「見てみたかったです〜」と言うと「グイグイ来ますね!全然いいですよ!」と詰所に連れて行ってくれることになった。
わたしが行きしなに見た詰所とは違い、ビジネスホテルみたいな見た目をしているらしい。
少し歩いて到着した。
たしかにビジネスホテルみたいな、普通のマンションみたいな見た目をしている。
詰所内
そこで吉岡さんから奈良の集談所を紹介された。
その集談所に吉岡さんが親よりお世話になった方の親族がいるので、話を聞きに行ってみてほしいとのこと。
そこからわざわざ駅まで送ってくれて解散した。
そして、紹介された集談所に、せっかくなら行ってみるかと行ったのが今日。
吉岡さんがお世話になった方の親族、横田さん(仮名)とは吉岡さんを通じてLINEを交換しやり取りしていた。
「駅まで車で迎えに行きます」と連絡いただいたあと「やっぱり車がなかったので自転車で行きます」と駅まで迎えにきてくれた。
横田さんは持ってきた自転車には乗らず、一緒に歩きながら集談所へ向かった。
横田さんの祖父母は以前教会長をしていて、その祖父母が手をかけて教会長まで育てたのが吉岡さんだそう。
吉岡さんが言った「親よりお世話になった」という意味を理解した。
教会などに人を連れてくることを「運んでくる」というらしい。
家計から続く信仰ではない新規の人は珍しいらしく、さらに本殿で急に声をかけてくるのは珍しいとのことで「ゆっくり話聞きたいわ〜」と言われた。
集談所は15年ほど前に作られたそうで、まだまだ新しかった。
一見、教会とは気づかない。
大きく見えている茶色の建物と、その後ろに建っている白い建物がどちらも教会だそう。
2階に上がると神殿がある。
横田さんと一緒に参拝をした。
脇の方に机があり、麦茶を入れてくれて話はじめた。
その時点で15時半ごろだった。
天理教では夫婦仲を大切にしているが、横田さんは離婚をしているらしい。
旦那さんに結婚前から女の人が居たらしく、その関係がずっと続いていたため子どもが20歳になるころ離婚したのだとか。
横田さんの話しを、体感1時間くらい聞いていた。声の周波数がとても心地よかった。
そしてわたしに質問がまわってきた。
「なんで天理教本殿に行こうと思ったの?きっかけになる気持ちの理由があった?」と聞かれる。
なので家族の悩みを話してみたところ、畳み掛けるように「ふぅ〜ん」「へぇ〜」「そうなのぉ〜」と言ってくるので、話しづらかった。
天理教は夫婦仲を大切にしているので、わたしの親の夫婦仲についても聞かれた。
お母さんは最初のお父さんと離婚しているので、離婚理由について聞かれる。
「元から上手くいってなかったみたいなんですけど、わたしのお父さんから頭を蹴られたのが引き金になって離婚したみたいです」と言った。
すると「でも暴力って日常的にじゃなくて、その1回なんでしょ?お母さん他にいい男の人いたのかな」と言われたので普通にムカついた。
頭蹴ってくるやつなんかと一緒におりたくないやろ。なんで「他にいい男の人いたのかな」に繋がんねん。
もちろんキレた態度を出してはないけど。
そのあと「心の拠り所があるのはいいよ」
「神様の道に正してくれる。少し見方を変えると人生が変わるから」
「ここは心のゴミ箱やと思って嫌なこと吐き出す場所」
「天理教ではね『生きながらにして生まれ変わる』という言葉があるの。自分とは違う考え方吸収していったら人生変わるよ」
という話をしてくれた。
そのあと「宗教について偏見とかない?イメージ良くなかったりしない?でも天理教は変な宗教じゃないからね。災害のときの支援も真っ先にしててね」と天理教についていろいろ話してくれた。
17時半ごろになり、そろそろ終わろうかとなった。
2時間はあっという間だった。
そして横田さんは、机の下から麦茶と一緒に持ってきていた用紙を取りだした。
「神様への参拝のあいさつのためのもので、絶対何も送ったりはしないから住所書いてくれない?」と言われて用紙を渡された。詳細には書かなかった。
だが勧誘らしい勧誘はしてこなかった。
「来たいときにいつでも来てね」と言ってくれた。
麦茶をお互い一口も飲んでおらず、横田さんはゴフゴフ喉を鳴らしながら麦茶を一気に飲んだ。
「大丈夫かいな」と思っていたところ、めちゃくちゃ咳き込んでいた。
最後に参拝をして部屋を出る。
駅まで送ってくれた。
この集談所には5人住み込みをしていて、横田さんはその1人のようだった。20代前半の若い人もいるらしい。
基本的にはいい歳になって結婚できない女の人が、花嫁修業も兼ねて料理の勉強などをしたりしながら住み込んでいるらしい。
住み込みには教会長の審査があるそう。
駅に到着した。
「不思議なご縁よね。もしインフォメーションセンターの時間が間に合ってなかったらここに来られなかったものね。ほんといつでも寄ってね。ありがとうね」と分かれた。
駅の上の窓ガラスから、横田さんが自転車で帰るところを写真に撮った。
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このあと横田さんがこの距離で気づいて手を振ってきたのでビビった。
天理教本殿に行ったあとはとても魅力的に感じて、天理教に入る日が来てもおかしくはないなと思っていたけど、今日集談所に行ってみて、やっぱり入ることはないかなと思った。
たしかに心の拠り所があったり、自分の考えとは違う考えを聞けるのはありがたいことだと思う。
でもここじゃなくていいかな。
親切ですごくいいところだけど、なんとなくわたしとは違うような気がする。
でも今回天理教の本殿と集談所に行けて本当によかった。
精神を健康に保つには依存先を増やすのがいいと聞いたことがある。
人によって依存先は異なるから、これからもいろんなものに触れて、わたしの依存先を見つけていけたらいいなと思う。
気になる方は一度、天理教の本殿に行ってみてほしいです。
サポートしてもらえたらうれしすぎてヒョーー!!ダンスダンス!!!🕺🕺🏻🕺🏼 そのあとはサポートしてもらった画面をスクショして何回もニヤニヤします。