私のデータ!
たぶんこれを読んだら、わたしのこと嫌いになります。
わたしはつい先日までiPhoneSE2を使用していました。
最新のスマホにそれほど興味があるというわけではなく、問題なく使えるならこのままでいいと思っていました。
ただ、最近64GBのストレージがいっぱいになってきて、ストレージの警告が出るようになっていました。
その度にアプリを消したり、動画を消したりとやり過ごしていたのですが、それでもすぐにストレージの警告が出ます。
そんな状態なのでスマホのバージョンを上げる容量もなく、取得できないアプリが増えてきました。
なのでスマホを変えたいとは思ってはいました。
すぐに変えようと思えなかったのは、いまあるデータが消えるのが怖かったからです。
通常時よりも機種変更時にデータのトラブルが起きる確率が高いはずです。
データが消える可能性を考えて怖気づき、機種変更に踏み切れずにいました。
2023年6月1日(木)
家族ぐるみで仲良くしている友達が、最近新築の一軒家を購入したとのことで、家族で遊びに行きました。
もうすぐ1歳になる可愛い女の子も見られて、とても気分がいい帰り道。
友達の家の最寄り駅にある家電量販店にフラっと入りました。
入口から近いスマホコーナーを見ていると、店員さんに話しかけられ「機種変更をしようかと思っている」という話しをしました。
最新のスマホでなくてよかったので、iPhone13で見積もりを取ってもらうと、分割でいまと変わらない月額料金でした。
それならば機種変更をしようかと、iPhone13の入荷を待つことにしました。
正直、ここの店は家から近い店ではありません。
ですが、担当の米田さん(仮名)は普通にいい人だったし、わたしも営業経験があるので「話しを聞いてくれた店で変えよう」という情がありました。
2023年6月4日(日)
iPhone13が入荷しており、わたしの都合が合ったので機種変更に行きました。
「1時間後くらいにお店に伺います」と電話をして少し早く店に着くと、米田さんの姿はありませんでした。
ほかの従業員に米田さんを呼んでもらうと、奥から米田さんが出てきて、身支度を整えていました。
もしかしてお昼休憩だったかもしれない。早く来て悪いことしたな、と思いました。
再度米田さんからプランの説明を受けました。
同意をして、必要情報を入力し、機種変更に移ります。
米田さんのスマホのカメラで広角レンズ機能を見せてもらい、「わー!これやりたかったんですよー!!」と大興奮。
待ち時間のタイミングで「米田さんもしかして、さっきお昼に行ってましたか?タイミング悪かったですよね」と言うと、「いえいえ。今日は日曜日なのに珍しく暇なんですよ。だからちょうど良かったです」と優しく返答してくれました。
たしかに私の他に客はいませんでした。
「わたしデータが消えるのが怖いんですよねー。消えることってやっぱりありますか?」と聞くと
「いやいやそんなこと滅多にないですよ。僕が対応したので1件、お客さんが操作間違えて消えたことがありましたけど、他にはないですね。大丈夫ですよ」と答えてくれました。
「そうですよね〜(笑)」。と、心配していた気持ちが軽くなります。
米田さんとデータを確認すると、わたしの家にはWiFiがないので、最近のバックアップが取れていませんでした。
「お店でバックアップ取りましょう」となり、バックアップを取っていました。
それが思った以上に時間がかかります。
わたしとしては、私のデータなのでいくら時間がかかってもいいのですが、米田さんからなんとなく「早く帰したい」というオーラが出ているような気がしました。
これはわたしの妄想の範疇ですが。
しばらく待った後、米田さんはバックアップを中断しました。
そしてわたしのスマホを操作し、電源を落としました。
そこでわたしは違和感を覚えました。スマホに詳しくないので分かりませんが、適切な操作ではない気がしました。
米田さんは「これをすると容量が空くことがあるので」と言っていました。
腑には落ちませんでしたが、プロがしたことなので「そうなんですね」と言う他ありませんでした。
そして電源ボタンを押し、Apple製品のリンゴマークが出てきました。
そのまま米田さんと2人でスマホを見ていたのですが、リンゴマークが出てから一向に動きません。
痺れを切らし「あれ、全然立ち上がらないですね(笑)」。と言ってみると、「そうですねー。バックアップしてたので重くなってるのかもしれないです」と米田さんが何度か電源ボタンを操作しました。
電源ボタンを何度も押して、そこから待ってみても、リンゴマークから動きません。
「バックアップの途中で電源落としたから重くてこうなってるんだと思います。壊れてるわけじゃないので時間置いたらつくと思いますよ。どうしましょう今日はーー」とワタワタし始めました。
わたしはこれを「もうやることはないから帰れ」という意味だと解釈しました。
「分かりました。では様子を見てみます」と、少しモヤモヤしたまま店を出ました。
店を出たのが16時半過ぎでした。
少し買い物をしてご飯を食べて、まだリンゴマークから動かなくて、帰宅して、まだリンゴマークから動かなくて、寝不足だったので3時間ほど睡眠を取って、さすがに動いただろうと思いきやまだリンゴマークから動いていませんでした。
さすがにおかしいので、明日連絡を取らなければならない職場の人と社長に、事情の説明と、連絡が取りづらくなるかもしれないことを伝えました。
2023年6月5日(月)
起床して、まだリンゴマークから動いていませんでした。
お昼を過ぎてもリンゴマークから動いていません。
さすがに連絡してもいいだろうと、ほとんどデータがないiPhone13で店に電話をかけ、米田さんを呼び出してもらいました。
「あれから待ってたんですけどリンゴマークから動かなくて~」と伝えると、対応について折り返しますという返答でした。
しばらく待って電話がかかってきて「Appleのサポートセンターに相談してください」と、サポートセンターの電話番号が伝えられました。
Appleのサポートセンターに電話をすると、わたしも試した強制再起動のやり方が伝えられ、あとはパソコンに繋いで回復する方法の説明を受けました。
パソコンに繋ぐ方法も試していたのですが、やり方が悪かったかもしれないので再度試そうと思い、電話を切りました。
そのタイミングくらいで、来る予定ではなかった社長が来ました。
「別に俺としてはどうでもいいんやけど、仕事が身に入らんかったりしたらそっちの方がマイナスやから」と、社長が父親のフリをして、店に電話をかけてくれました。
電話をかけると、米田は休憩に行っているようでした。
「おい、はよせえや!はよ米田に連絡取れや!娘自殺してもうたらどないすんねん!」
「お前のとこの店員のせいでデータ取りだせんくなって、娘えらい泣いて鬱みたいになってんねんぞ!」
かなり本格的にヤカってくれたのでピリッと身が引き締まりました。
※やかる=文句を言う。クレームをつける。
しばらくして、米田が休憩から戻ってきました。
社長は米田に対してもヤカり、米田が働いている派遣会社の名前を聞き出していました。
「いまからそっち行ったら対応してくれんのか。行くんやったら交通費出せよ。それかお前のとこが来て対応すんのかどないやねん!」
「娘にいまから電話しろ!」と、社長からバトンタッチされ、米田から電話が来ました。
「父からの電話であったと思うんですけどーー」と親子の設定を守り、米田が行った操作について文句を言いました。
結局こちらが店に向かうことになり、職場からも、自宅からも離れた店まで、いくつか電車の乗り換えをします。
このときわたしは現状を酷く重くは考えておらず、どこかで「スマホはまた再起動する」と信じていました。
でも、もしこのままデータが取り出せなくなった場合どうしよう。
その場合は賠償金を請求しようか。いくら請求しよう。こういうのは多く言うものだから、30万?いや50万?100万とか言ったらバカっぽいから80万って言っとく?などと妄想をしていました。
店に着くと、米田が緊張した面持ちで前に腕を組んだ状態で1人で立っていて、その様が少し面白く、マスクの下でニヤっとしました。
わたしに気づくと低い体制になり、いそいそイスを引いて謝罪をしました。
米田はイスに座りませんでした。
「昨日からこの状態です」と、リンゴマークが出っ放しになったiPhoneSE2を机に置きました。
米田も強制再起動を試しましたが、やはりリンゴマークが出っ放しになっているままです。
「わたしデータ消したくないって言いましたよね。なんでこんな操作したんですか」
「申し訳ございません」
「バックアップ中断することになるんだったら最初から店でバックアップ取りましょうって言わないでほしかったです。それならわたしは別の方法で取ってました。米田さん、わたしのバックアップに時間がかかって面倒だと思ったんじゃないですか?」
「いや、そんなことはないです」
「それになんでスマホの電源を落としたんですか?」
「そっちの方が早くバックアップを取れるという認識で」
「米田さん昨日は『電源を落としたら容量が空くから』って言ってましたよね?わたしの容量全然ないの分かってましたよね?そこから空く容量なんて微々たるものじゃないんですか?」
「すみません機種によっては5GBくらい容量が空くこともあるので」
「わたし機種変更前に何度か電源落としたことあって、たしかに少し容量空くことはありましたけど微々たるもんですよ。しかも米田さんこの操作勝手に行いましたよね?」
「申し訳ございません」
そこでわたしは、接客用の机に貼ってある用紙に指を近づける。
「ここに『お客様の同意なくスマホを操作することはありません』って書いてますよね?米田さんが勝手に操作してこうなってますよね?」
「はい……。申し訳ございません」
「別にわたしここが近い店舗ってわけじゃないんですよ。でもせっかくお話し聞いてもらったから来たんです。なのにこんなことになって、米田さんを信頼したこと後悔してます」
それまでうつむき加減で話していたが、なぜか「後悔してます」と言うときだけ米田の目をキッと睨んだ。
米田はたじろいでいた。
現在はいろんな修理業者に電話をかけているという。しかし解決方法は「強制再起動」の返答のみらしい。あと1つ、解決方法について返事待ちがあるとのことで、それを待つことになった。
返答を待ったあと「今日は返答が出来ない」となり、お店でバックアップを取る前にあったデータだけiPhone13に移して、今日は帰ることになった。
米田の指示でiPhone13のスマホを初期化する。
その操作中「初期化のやり方これじゃなくない?」と思ったが、米田が指示するのでその通りに動いた。
案の定、米田は操作を間違っており、他の店員に操作を聞きに行って戻ってきた。
「わたしだって分かりましたよ」
「はい?」
「初期化のやり方、わたしだって分かりましたよ。機種変更する機会が少ないわたしでも分かりました。米田さん、ちゃんとスマホのこと分かって接客してますか?大事なデータって分かって扱ってくれてますか?」
「それはもちろんでございます」
机に人差し指をトントン押し付けながら続ける。
「でも分かってなかったですよね?こっちはプロの人が言うならそんなんやと思って動いてるんです。プロとして、お金もらって働いてるんですよね?いい加減なことしないでください!」
わたしは仕事に対しての意識は高くないが、文句を言うときわたしってこういうことを言うんだなと驚く。
「これでデータ戻ってこなかったらどうするんですか?どう責任取ってくれるんですか?」
「……逆にどうしたらいいですか?」
「賠償。お金じゃないですか。データ戻ってくるのがいいですけど、そうじゃなかったらそれで解決するしかないんじゃないですか」
「あの、規定でお金でというのが出来なくて。ポイント還元でスマホの料金引くとかだったら出来ると思いますけど」
「いやそんなん無理ですよ。それで納得すると思いますか?」
「別の方法があるか上とは相談するんですけど、いつの返答になるかは分からなくて」
「目処も分からないんですか?」
「はい、そうなります」
「じゃあ毎日連絡してください」
「……それは、進捗がなくてもですか?」
「はい。そうです」
「あの、規定で休みの日はお客様と連絡が取れなくて……」
「じゃあ休みいつなんですか?」
米田はいそいそと裏に行き、自分の休みを書いた紙を持ってきた。
「じゃあこの日以外は毎日連絡してください」
「はい」
そしてスマホの初期化を行い、以前取れていた分までのバックアップデータを入れることになった。しかし、以前あったバックアップデータが見当たらない。
米田はいそいそと裏に行き、ほかの従業員と話しをして、どこかに電話をかけていた。
そして急に戻ってきてスマホを差し出し、「Appleストアの人と電話が繋がってるんでこのまま出てください」と言う。
スマホを受け取り、今回の経緯について説明をする。
「あー、バックアップの途中で電源落としちゃったんですね~」
「やっぱりそれって良くないことなんですか?」
「そうですねー。バックアップは重い荷物持った状態なんで、それを中断してしまうと負担かかりますし。そこから電源落とすのはフリーズの原因になりますね」
「そうなんですね」と目の前の米田を一瞥する。
いままで米田を責めてはいたが、完全に米田の操作が悪いわけではなく、運の悪さでこうなったのかもしれないとも思っていた。
だが、Appleストアの人からこの話を聞いて、しっかりと米田に敵意が向いた。
「でもパソコンお持ちなんでしたら希望見えてますよ!かなり良いですね!」と、明るく話しを進めてくれた。
米田からパソコンとスマホをつなぐケーブルを借りて、持ってきたパソコンを操作する。
だが操作の途中で進まなくなってしまった。
Appleストアの人に促されてバックアップデータの日付を確認すると、そこに日付の表示はなかった。
「あー、バックアップ中断したからもうデータが飛んでますね。普通はそこに日付があるものなんですよ」
「じゃあもうデータ取り出せないってことですか?」
目の前が真っ暗になる。
「うんー。もしかしたら時間経ってスマホの電源がつくこともあるので、それを待つのか。諦めて新しいデータを増やしていくのか。お客様がどう折り合いをつけるかによりますかね」
「分かりました」と言ったあとお礼を言ってAppleストアの人との電話を切る。
真っ先に米田に畳みかける。
「Appleストアの人がバックアップ中断して電源落とすのは良くないって言ってましたよ!しかも米田さんがバックアップ中断したから元々あったデータも無くなったじゃないですか!」
「申し訳ございません」
先ほどより強い力で、人差し指を何度か机に押し付ける。
「どうしてくれるんですか!米田さんが適当なことするから!」
「申し訳ございません!」
「これポイント還元じゃ収まらないですよ!」
「おっしゃる通りでございます」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………120万って言うといてください」
「はい?」
「120万って言うといてください。仕事のデータもありますし、いままでの思い出も全部あるんです。米田さんの操作のせいで全部消えてますよね?勝手に操作してこうなってますよね?」
腹が立ちすぎて、賠償の妄想をしたときには思いもしなかった「120万」と口にしていた。
だがわたしにとって大事なデータなので、120万はわたしの気持ちとちょうど収まりが付くくらいの額だと思った。それほど絶望していた。
「上には伝えてみますけど、お客様の要望通りにはなるかは分からないです」
たぶん米田はわたしが「120万」と言い出し、引いていたと思う。
「1日3回連絡してもらっていいですか?」
米田がこちらの目を見る。
「朝出勤したときと、昼と、退勤するときか、何でもいいですけど、1日3回連絡してください。米田さんはデータが消えた当事者じゃないから分からないと思いますけど、わたしはずっと不安なんです。進捗気になるし、しんどいんです」
これは急に思いついたことだった。とにかく面倒くさい客になろうと思った。
「はい。分かりました」
しばらく無言が続き、パソコンとスマホからケーブルを抜き、米田に「ありがとうございます」とケーブルを返して帰り支度を整えた。
「じゃあ1日3回連絡してくださいね」と立ち上がりイスを戻すときに力が入ってしまい、机にぶつかったイスが少し弾んだ。
後ろから米田の「申し訳ございません」という声が何度か聞こえた。
店を出たあと気づいたが、そういえば初期化をした状態からスマホにデータが入っていない。
WiFiのあるカフェでとりあえずのスマホの設定をした。
設定に夢中になり頼んでから手をつけていなかったカプチーノは、泡がシワシワになっている。
普段それほど腹が立つことはない。
むしろ、怒っている人に対して「そんなに怒らなくてもいいのにな~」と思うこともあるくらいだ。
だが、許容範囲を超えると急に強気になり、意思強く対応するという節がある。
今回はその最たる例だ。
自分に起きるこの現象を『火事場の馬鹿輩』と呼ぼうと思う。
フォロー0フォロワー0の鍵アカウントに「米田殺す」とツイートした。
お母さんに事情を伝えると電話をすることになった。
お母さんは「プロ輩」で数々のヤカり経験があるため、いくつかアドバイスをしてくれた。たぶんわたしがたまに強気になるのはこの遺伝子だ。
一通り話しをしてから、「というか最近お母さんがトイレでスマホ水没する夢見たって言うてなかった?お互い気をつけようねって言うてたやんー!え!予知夢?予知夢見れてるやん!ももちゃんすごい!」と変に盛り上がりだした。
そこで「ほんまや〜!」と返事はしたが、ちょっと泣いた。
そのあと社長から電話がかかってきた。
「いまは認めてるけど、急に『そんなことしてないです』って手のひら返しされたら困るから証拠は録音しときや。俺も力になるから」と言ってくれた。
2023年6月6日(火)
10時50分ごろ、米田から電話がかかってきた。
わたしは米田との会話をパソコンで録音した。
恐らく「進捗はありません」と電話を切ろうとした米田を捕まえて話しをする。
「昨日のこと上司の人になんて説明してくれたんですか?」と米田から話しを聞き、「これは説明してくれてますか?」「これは説明してくれてますか?」と一つ一つ言質を取る。
バックアップ操作から、米田が初期化のやり方を間違えたことまで、米田とのやり取りや米田の行動を確認していった。
「iPhoneSE2も本来使える状態にありましたよね?使えなくなってますけど、その辺も伝えてもらってますか?」
「はい。もちろんでございます」
電話には泣き真似も取り入れた。
「わたしあれからずっと寝られなくて。仕事にも支障出てるし、みんなにも迷惑かけてるし、思い出も全部消えて本当に辛いんですよ」
泣き真似だけのターンを1分弱くらい作り、最後に「じゃあ毎日1日3回連絡してくださいね」と締めくくった。
データが消えたことがショックで、わたしは本気だった。
契約している回線の会社と米田の派遣会社にも連絡をしようと思った。
そのあと13時を過ぎて米田から「まだ進捗はありません」と電話がきた。
17時ごろ、米田から電話があった。
「上司と話して、お願いがあるんですけど、街にあるスマホの修理屋にスマホを出してもらえませんか?こちらでは斡旋出来ないんですけど、お客様が信頼出来るところに。修理代金は負担しますので」
正規店はそういうことを言わないと思ったので驚いた。
実は今日、もう既にスマホを修理に出していた。
「分かりました」と電話を切る。
そのあとスマホの修理屋から「データは完全にあるかわかりませんが、電源はつきました」と連絡が入った。
2023年6月7日(水)
昨日仕事で取りに行けなかったが、スマホの修理屋にスマホを取りに行く。
お店の人からスマホを受け取ってまず、メモ帳アプリを確認する。
この状態になって再認識したのだが、わたしはアプリの中でメモ帳が1番大事だった。
中身を確認すると、メモのデータは残っていた!
お店の人から「またすぐに電源がつかなくなることもあるので、早めにバックアップ取ってくださいね」と言われる。
会計の前に手早くApple正規メモアプリと、Googleフォルダに1番大事なメモを保存する。
店を出て米田に電話をかける、が、途中で今日米田が休みなことに気づく。
一応、別の店員に「スマホの電源はついたがこれからのやり取りはどうなるか分かりますか?」と聞くと「米田しか分かりません」と電話を切られる。
喫茶店に4時間こもり、ウキウキでバックアップとデータ移行をした。
不幸があったおかげで、いまの幸福がとても心地いい。
LINEのトーク履歴はないけど、ほかのデータはあって本当によかった。
ネタに出来るくらいの不幸なら、幸福との繰り返しで交互浴のように楽しみたい。
2023年6月8日(木)
米田から電話が来ないが、わたしからの修理の連絡待ちなのかもしれないと店に電話をかける。
オペレーターから「米田は出勤してないみたいですね。別のスタッフに繋ぎますか?」と言われる。
「あれ米田休みだったか」と予定を見ると、出勤予定の日だったので別のスタッフに繋いでもらう。
「○○店の野崎です。米田なんですけどー、今日体調不良で休みなんですよね」
なんと米田は体調不良で欠勤していた。一日休んだことで余計にこの状況がしんどくなったのかもしれない。
「今日は米田は通院で、明日出勤予定です」
「明日は米田さん休みの予定だったと思うんですけど、明日出勤になるんですか?」
「すみません。明日休みです。明後日出勤予定ですね」
「わたしいま米田さんとデータ紛失の件でやり取りしてて、分かる方っていらっしゃいますか?」
「あーー、分かりますよ。でも今日僕1人しか居なくて、上司もいないんですよね」
「スマホの修理代金立て替えてるんですけど、いつ返金になるとか分かりますか?」と聞くと、ただの同僚なので分からない。米田は別会社だし、大元に話しがいくからそこは把握できないとのことだった。
「米田には明後日出勤したら電話するよう伝えておきます」と言われ、電話を切る。
マイナスな状況が続くのはしんどいので早く終わらせたい。指摘したり怒ったり急かしたりして戦うのもしんどい。
あと普通にわたしはずっと金欠なので、早くお金を払ってほしい。
サポートしてもらえたらうれしすぎてヒョーー!!ダンスダンス!!!🕺🕺🏻🕺🏼 そのあとはサポートしてもらった画面をスクショして何回もニヤニヤします。