エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスについて
#エブエブ の話(ネタバレあり)
※未見の方は読まないでください。
この映画にはきっと無数の解釈(移民、親子、夫婦、ADHD、同性愛etc)がありますが、最も普遍的に込められているのは「この世界が全くの無意味でも親切であれ」というシンプルなメッセージです。
ベーグルと向き合い、全ての多元宇宙を観てあの岩の惑星に迄辿り着いたからこそ、眼の前に居るモブ敵の多元宇宙にさえ思いを馳せ、彼らの問題を理解し解決できます。 戦いを愛に変え、結婚させる、思い出の香水を振りかける、骨の歪みを直す、尻に鞭打つ。
無限の多元宇宙を極限のスケールで映画化した人類映画史上最大にして唯一無二の作品であり、確定申告の話。
この映画は「マトリックス」に始まり「マグノリア」に終わる極上のワイドスクリーンバロックであり、現代の邯鄲の枕なのだ、と気付けなければ、大人の玩具やモザイク描写でウケを狙った露悪趣味の作品だとか、ポリコレ云々と低解像度の理解で終わってしまうに違いない。
何故この映画がアカデミー賞作品賞他7冠を取るに至ったのか、分からない人にはきっと分からないのだろうという悲しみがあります。 そのため私はできるだけ予備知識を入れずに最高の環境で観ることだけを推奨することにしました。 このような素晴らしい作品の劇場体験を皆と共有できることを幸せに思っています。
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