愛してるから怒るのよってよくいわれたな

いつか出すといっていた昔かいた日記の蔵出し。
当時のタイトルは母親のはなしと恋愛のはなしだった。
いまの感情とは若干ちがうところもあるけど概ねこれで生きてきた、でも読み返すと異常さが際立ってるな〜!の感想。
この頃は毎日生きているのがしんどかったね。そんな昔のことさえもまるっと愛してあげたい、自分のことだから。



母親のはなしと恋愛のはなし

7歳のときに妹が生まれるまで実質母親とふたりで暮らしてた。
「世界でいちばんかわいいね」「だいすきだよ」「なにがあってもわたしだけはあなたの味方だからね」といわれて、ほしいものはなんでも手に入ってなに不自由なく育った。
わたしは小さい頃から変わった性格だったけど、全部肯定されて、うちはうち、よそはよそといわれていた。
だから自己肯定感めちゃめちゃ高いし、自分のことが世界でいちばんかわいいし、わたしの世界ではわたしが王様だと思ってる。
プライドも高いし気も強いから、強く否定されるとすぐ泣いちゃう。
コンプレックスはたくさんあるけど「わたし」という強い概念をもってるから真剣に悩まない。
人間はみんな自己中で、いざというときは自分のことがいちばんかわいいものだと思ってる。

母親とは共依存の関係だった。
母親のいうことならなんでも聞いたし、母親が喜んでくれることはがんばった。
洗濯ばさみがついてるハンガーが平行になってないとだめだったし、ごはんのときはジュースとテレビはだめだったから、今でもその習慣は抜けない。
若くてきれいな母親だったから、小学生の頃は「こんなお母さんうらやましいな」ってよく言われて、気分良くなかったから「そんなことないよ」って返してたけど、今思うと嫉妬だったのかもしれない。
自分のテリトリーに無遠慮で入ってこられた気がして嫌だった。わたしの母親でおまえの母親じゃねえだろって思ってた。
母親のことだいすきだったけど喧嘩もよくしたし、反抗期が長かったからうざいと思ってた時期もあった。
でも母親に直接「ババア」とか「嫌い」とか言えなかった。

転機が訪れたのは15歳のとき。
親が離婚した。
当時高校受験を控えてたから塾に通えなくなるのが嫌で、悩んで父方につくことにした。
離婚して1年、高校1年生の頃、母親と一緒に暮らさなくなってはじめて母親のことが心底嫌いだと思った。

顔も見たくないほど嫌いだった。
今までの反抗がぜんぶ出たんだと思った。
今はやっぱり母親のことすきだし、自分がすごいマザコンなのも自覚してる。
母親がいれば他になにもいらなかったから、あんまり恋愛せずに育って、親密な関係は共依存しか知らなかった。

理想のタイプは「かわいいね」「だいすきだよ」って毎日言ってくれるひとで、わたしの過ちを「それはよくないよ」って咎めてくれるひと。
やさしい顔立ちのひとがすきだし、そういう風に愛されてない恋愛なんてわたしにとっては価値がないと思ってる節がある。
友達のなかでも特にすごいすきだなって思う子は理想のタイプに近しいとこが少なからずあると思う。
腐女子で推しキャラは攻めに置くことが多いんだけど、わたしのすきな攻め、みんな「すきだよ」って毎日いいそうなキャラクターだった。
そんなとこに自分の価値観投影されてると思わなかったな。
でもよく考えたら、それって母親まんまだし、母親に無条件で愛されてるから、母親みたいなひととじゃないと恋愛する気にならないし、すきになれないのかなって。

大学生の頃、あまりに恋愛に興味が持てないからAセクを疑ったことがあった。
でも初恋のひともいるし、小さい頃はふたりくらいすきなひといたし、貞操観念もわりとゆるいと思うし、性的虐待もデートDVも受けたこともないし、Aセクっていうには微妙、でもひとをすきになれないんだよなって不思議だった。
それってもしかして理想のひとがいないだけなのかもしれないね。
「いつか王子様が迎えにきてくれる」とまではいわないけど、そういうお姫様思考のタイプなんだと思う。
まわりにはくすぶれた恋愛か不毛な恋愛ばっかりしてるひとか、彼氏ぜんぜんいませんみたいなひとしかいなかったから、そういう影響もあるかもしれない。

この歳になって、無意識に母親に依存してたことがちょっとずつ明るみに出てきてほんとうにやべえなと思った。
離れて暮らしたのは正解だと思ってるけど、ある意味ずっと共依存のままの方がしあわせだったのかもしれない。
最近、母親から「あれは一種の虐待だったよね、ごめんね」って謝られたんだけど、別にわたしはそう思ってない。
こうして整理してみるとマインドコントロールだったんだろうなと思うけど、お互いしあわせだったからよくない?
これもマインドコントロールされたひとの思考なのかな。
やっぱり母親と話すと自分のことがよくわかるな。
わたし以上にわたしのことわかってくれてると思う。
わたしはわたしのことがわからない。ほんとうにすごい。
母親のことがだいすきで尊敬してるけど、母親みたいには絶対になれないし、もし母親が同級生でも友達にはならないんだろうなと思ってる。
そんなはなし。

母親のふたりだけのちいさな箱庭から広い世界を少しずつ知っていったらそりゃあどんどん生きづらくなるよね。
お金も愛も自分も他人もなにもかも信じられないよね。

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