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ロビン・トロワー〜ジミヘン魂100%のギタリスト

以前マホガニーラッシュのギタリスト、 フランク・マリノについて書いた。
彼はジミヘンからは自然的に影響を受けたと書いたが、トロワーの場合は自らジミヘンにどっぷりはまってしまった本当のフォロワーであった。

バーン
アメリカの新進ブルースロックシンガー、サリ・ショアを迎えてのアダルトなブルースナンバー。2023年,ブルース色を高めたトロワーのサリとのジョイントアルバムから。
得意のエコーなバッキングの響きがたまらない。

1970年プロコルハルムで本格的にデビューした彼はジミヘンとステージを共にしてショックを受け,それからそのスタイルを変える。
ギターをストラトキャスターに換え、あの歪みまくるディストーションとエコーの効いた独特なジミヘン再来といえるサウンドを生み出す。
デビューアルバムは大して反響はなかったが、1974年の2ndアルバム、魂の大地はアメリカで大ヒットして、ロビン・トロワーのギタリストとしての座が確立した。
ここに収録されているブリッジ・オブ・サイス、トウ・ローリング・ストーンド、デイ,オブ・ザ・イーグルはライブでの定番曲で今も必須である。

ブリッジ・オブ・サイス
引きずるような歪みのフィードバック、エレクトリック・レディーランド時代のジミヘンを彷彿させる。

ジミに習い、ロビン・トロワーはパワートリオでのバンド編成を好んだ。
最も強力な体制がベースにジェームス・デュワー、そしてドラムにビル・ローダンという取り合わせ。

そして筆者が最もお気に入りなのが、白昼の幻想。
一般的に評価が高いアルバムではないが、ジミヘンのハードな面とソフトな面を消化し、さらにブルースロックとソフルフルな魅力に溢れる名盤だ。

スウィート・ワイン・オブ・ラブ
ソウルフルなムードのソフトな曲。
トロワーとデュワーのギター&ボーカルのコール&レスポンスが心地よい。

ここでベースにラスティ・アレンを加えて、スライ&ファミリーストーンの二人をリズムセクションに置くことになる。
元のベースのジェームス・デュワーはリードボーカルに専念する。
4人体制のこの路線で行くのかと思っていたが、ジミヘン・フォロワーの看板が重荷となったのか路線変更の舵をとる。
それがジャック・ブルースとのユニット、BLT
である。
ジャック・ブルースもパワートリオ、クリームの立役者であり、クリームのサウンドも取り入れたハードロックを模索していたのかもしれない。

リブズ・オブ・クレイ
2008年、再度結成したジャック・ブルースとのユニット、しかしなんともジャック・ブルース色が濃い。

このユニットは限定的なもので、この後低迷する。
ところがブライアン・フェリーのバンドのリードギターと共同プロデュースを務めたことで、再び精力的なライブ活動へと復帰する。

○アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー〜ウィル・ユー・ラブ・ミー・トウモロー

CCRで有名なスタンダードナンバー、キャロルキングの曲をカバーするブライアンフェリー。
トロワーの鋭利なギターが突き刺さる。


70年代のロックギターのレジェンドの一人であるトロワーだが、今年に入り、大手術をすることが決まり、その先の活動が懸念されている。
ぜひ復活して、その勇姿を見せてほしいと切実に思う。

バル・オプ・ラブ
ブルース・ロックの原点に立ち戻ったトロワーの2022年のオフィシャル映像から。

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