夢の図書館14〜井上真偽〜アリアドネの声
地下5階にわたって広がる障害者の街WANOKUNI、そこでオープニング・セレモニーが開催されていたが、突如大地震が起こり、見えない、聞こえない、話せないの3つの障害を持つ中川博美が最下層に取り残された。
ドローン・パイロットのハルオは救出するため、仲間と共にドローンを使い避難を試みる。
しかし浸水の危険が高まりタイムリミットは6時間。
無音のなかを彷徨う女性と過去のトラウマに囚われた青年の運命は如何に⁉︎
2024年度このミステリがすごい!で第5位を獲得した傑作。
(談)
ずばり圧巻のラストです。
タイムリミットを携えたノンストップ・サスペンスはハラハラどきどき、1ページを繰るごとに事態は深刻化します。
主人公ハルオと同級生の女性、韮沢とのやり取りは過去のトラウマを呼び、ハルオは心の葛藤に悩まされます。
しかし救出者として困難に立ち向かう姿に勇気づけられます。
そしてラストのどんでん返しは本格ミステリーとしての意外性もあることながら、同時にそこに素晴らしい感動があります。
これは映像化しても良い作品が出来るのではないかと思いました。