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レインボー〜虹を翔ける覇者の記憶

1976年、最初に行ったロックコンサートがこのレインボーだった。
ディープ・パープルから脱退したリッチー・ブラックモアが新たに結成したハードロックバンドとして、人気上昇中であった。

友人と学校をサボり、チケットの売り出しが開始されるプレイガイドへ直行。(ちなみに言っておきますが私は真面目な生徒でありましたよ〜勉強は嫌いでしたが、学校は大好きでした。)
今のようなネット環境もない時代、チケット入手も体力勝負で大変だった。
朝からたくさんの人がプレイガイドの行列に立っていた中で手にしたのだ。

見ないと一生後悔する‥そんな気持ちで見たレインボーの初公演、その通りであった。

虹を掴め
レインボーを代表するパワーバラード。デビューアルバムの銀嶺の覇者に収録。
なんとなくジミ・ヘンドリックスのリトル,ウイングを思わせるメロディーに思えるのだが、


メンバーはギター、リッチー・ブラックモア、、ボーカル、ロニー・ジェイムズ・ディオ、ドラムス、コージー・パウエル、ベース,ジミー・ベイン、キーボード,トニー・カレイという編成。

ライブを見たい最大の目的はコージー・パウエル。
当時ジェフ・ベックのワイアードにはまっていて、友人から借りた第二期ジェフ・ベック・グループも聴いていた。
このバンドでドラムスをやってたのが、コージーパウエルだ。
そのコージーがレインボーのドラマーとして来日する。
これはなんとしても見に行かないとの一念。

それにしても半世紀に近い記憶なので曖昧ではあるが、記憶を掘り返してみる。
とにかくえらく待たされて始まったライブはオズの魔法使いのオーバー・ザ・レインボーのBGM。
新曲のキル・ザ・キングが演奏されるや、観客は一気にボルテージが上がった。
総立ちになった観客が前のめりに突っ込む。
翌々年の来日公演、札幌会場で女子大生が将棋倒しになり亡くなるという悲劇が起きたが、それを十分に予見出来る熱狂ぶり。
レインボー以前と以後、ロックコンサートの警備体制はずいぶん厳しくなった。

キル・ザ・キング
次のアルバム、バビロンの城門に収録されるナンバー。失速するテンポにメタルゴッド、ロニーのボーカルが拍車を駈ける。


初期のレインボーはハードロックであるが、リッチーが入れ込んでいた中世音楽のエレクトリック化とロニーの張りのあるボーカルはハードロックから様式美のヘビーメタルへの移行にある。
ロニーがその後ブラックサバス,ディオとメタルの境地に達するのは必然的な流れであっただろう。

スターゲイザー
ハードなリフと中世的なメロディーが印象深い初期レインボーの大作。リッチーのギターソロが秀逸だ。

そして圧巻はコージーパウエルのドラムソロをフィーチャーしたチャイコフスキーの大序曲1812年。

○コージーパウエル・ドラムソロ〜大序曲1812年
コージーの長い手足から繰り出されるドラミングはまるで8本の足があるオオダコに例えられ、オクトパスといわれた。

レインボーはこのあと前述したアルバム、バビロンの城門を作るが,ツアー後ロニーは脱退してしまう。

続いてのリード・ボーカルはグラハム・ボネット、そのあとはジョン・リー・ターナーが引き継ぐ。
悪くはないが、アメリカナイズされたポップなロックは今ひとつ自分には響かなくなってしまった。
ロニーとコージーは既に天国へ旅立ってしまったので、初期のサウンドはほぼ封印されてしまった。

しかしディープ・パープルから生み出されたレインボーは今もハードロック&メタルの原点として輝き続けてるのである。

バビロンの城門
初期レインボーの最後を飾るアルバムの同タイトル曲。中世音楽に変拍子を取り入れた独特なリズムのハードロック。

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