![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73717193/rectangle_large_type_2_89dafe27d83e5c09a46b45c2b48c27f6.png?width=1200)
映画ナイル殺人事件〜アガサクリスティ論再び
アガサクリスティ原作のこのナイル殺人事件は1978年イギリスで製作されてるためリメイクとなるが、2017年公開のオリエント急殺人事件でエルキュール・ポアロを演じたケネス・プラナーが続投。
事件は新婚旅行とその招待客を乗せナイル川を走行する豪華客船の中で起こる。
新婦が何者かに殺害され、その謎を追うポアロを嘲笑うがの如く連続殺人が発生する。
ポアロは招待客らの怪しい過去をさぐり出し、事件の真相に迫る。
映画のキャッチフレーズ、「愛の数だけ秘密はある」は事件の謎を解くヒントにもなってる。
さて感想だが、今作は本格推理の醍醐味もあるがそれよりも全体を覆うサスペンスフルなカラーで仕上げているところだ。
原作が書かれたのは1937年だからそれを現在の視点で書けばおそらくこのようなサスペンスに重きを置いたものになっていたかもしれない。
アガサクリスティの作品は古典ではあるが、今世紀に入っても魅了し続けている。
私的には例えが悪いかもしれないが、ミステリーのジミ・ヘンドリックスだと思っている。
ジミヘンはロックギターの基本的なテクニックをほとんど網羅し、しかも変則的なテクニックを数々と編み出した。
クリスティに関していえば、彼女は先日亡くなった西村京太郎氏が得意としたトラベルミステリーの元祖であった。
列車や船や飛行機の中で事件が起こるミステリーの先駆けである。
また今もミステリーファンが注目する孤島もの、山荘ものといわれる限定された区間での密室もの、法定ものにスパイものと多種多様。
変則ものとしてはアクロイド殺しやカーテンはまさにそれだろう。正統派でありながら反則技だ。
私は今世紀にクリスティがもし現れていたとしたらどんな作品を書いていただろうかと想像する。
インターネットが普及し、パソコンやスマホが普及した時代、時刻表のアリバイ崩しは無用に思えるし、オートロック完全施錠のタワーマンションでの密室犯罪、DNA捜査など‥考えれば色々ありそうだ。
最後に私がぜひ作ってもらいたい作品はカーテンだ。
映像化するのは至難の業だと感じるが、切実に思うのである。
では最後に映画ナイル殺人事件の予告を貼り付けておきます!