結婚式でモヤモヤ なぜ引き出物は男性に渡されるの?
少し前に高校の同級生の結婚式があった。
都内の式場で神前式からはじまり、披露宴会場へ移動。
その後新郎新婦の紹介ムービーや友人のスピーチ、コース料理、お色直し、写真撮影、そして最後に両親への手紙、という流れ。
新婦と私と私のパートナーは3人とも同じ高校の軽音部に所属していたので、私たちは二人で式に出席していた。
式も二次会もあっという間に時間が経って、その日は色んな人と話して疲れたね、なんて言いながら、二人とも帰宅後すぐ寝てしまったのだが、
翌日、パートナーの様子がおかしい。
なにかとても傷ついていて、悲しそうなのだ。
どうしたの?と聞くと、
少しずつ、訳を話してくれた。
上述したように、私とパートナーと新婦はそれぞれ友達同士で、高校を卒業してからもその部活の仲間で頻繁に会うような間柄だった。
だから今回も二人とも呼んでもらって、もちろん彼女と私は立場的には対等に友達ということで呼んでもらっていたんだけど、
式では彼女と私は「夫婦」として招かれていて、私が代表という扱いになっていた。
例えば座席と引き出物。
披露宴では彼女と私は同じテーブルで、隣同士の席だった。
6人がけのテーブルで、他の人たちにはそれぞれ引き出物とネームプレートが置いてあったけれど、
彼女の席にだけ引き出物がなくて、
私の方におそらくまとめて二人分なんだろうという引き出物が、
私の苗字のネームプレートと共に置いてあった。
式の出席票には、彼女と私それぞれの旧姓で別々に登録したけれど、
結婚している二人はあくまでも当たり前に男性が「主人」で、女性が「つま」ということになってしまう。
そういう慣習だから仕方ない、と言ってしまえばそれまでだけど、実際に彼女は傷ついていて、それを仕方ないとは片付けられないだろう。
通例の結婚式では両親からのスピーチは、新郎の父親が挨拶することになっていたり、
基本的に既婚女性の立場は、どの場面においても相対的に貶められる。
自分たちの式ならまだしも、友人の式の出席者という立場であってもそうなのだ。
彼女はフェミニストだし、もともと結婚制度の中にある家父長制の問題には意識的だけれど、
今回は対等に出席しまつもりでいたから不意打ちされた感じだったんだろうと思う。
結婚式でのモヤモヤこんなことを感じている人も意外と少なくないんじゃないかと思う。
一応付け加えておくけれど、
友達の式は彼女が楽しそうにしていて嬉しかったし、今回の件で彼女を責めるつもりは全くない。
あくまでこれは、慣習と制度の問題である。