中條のおばあちゃん
養老渓谷には渓谷花木という花木屋さんがある。今では地域のお茶飲み場として、地元のお母さんやお父さんたちが集まって賑やかな場所になっている。自家製の漬物と暖かいお茶をいただきながら、店主の中條さんにお話を伺った。
花木屋さんからお茶のみ場へ
開宅舎 小深山(以下Kと示す):こんにちは〜。
中條さん(以下Tと示す):あれ〜?どちら様ですか〜?ずいぶん久しぶりだねぇ。生きてたかぁ(笑)
K:お久しぶりです。今日は月刊開宅で渓谷花木のことを取材したくてきました。
T:大したこと言えないからうまく書いてくださいな。
K:ここのお店はいつからやっていたんですか?
T:昭和61年。もう35年だね。
K:当時からこんな風なお茶飲み場みたいな場所になってたんですか?
T:山野草を売ってた。ちょうどその頃は、山の中のものがブームっていうか。うちは家族が4人家族で、せがれは役所に郵政省でしょ。わたしはなんの仕事しようかなってなって。私は車が運転できない、1人じゃ飲食店はできないし、そんじゃあ花木屋さんやってみるかってなったの。
K:養老渓谷の山で採れた花木をここに集めてたんですか?
T:違うよ。他所から知ってる人が協力して持ってきてくれたんだよ。
K:そうだったんですね。それをこのあたりの人が買うんですか?
T:近くよりもさ、千葉とか東京とか市外や県外の人の方が来てたよ。都会にはないじゃない。ここら辺の人は山に入るから珍しくもないよ。いまだに東京とかからたまに来てくれるよ。元気だったかーい?って。おばあさんになりましたー。って返事してるよ(笑)
K:どういうものを扱ってたんですか?
T:エビネとかシュンランとかさ。キヨスミミツバツツジとか扱ってたな。
K:え、なんですか?
T:シュンランはこの辺ではジジババって言うんだよ。
K:何でジジババって言うんですか?
T:あれ、なんでだっけな。忘れっちたよ(笑)ここには趣味者来てたの。趣味で花木を集めてる人。今はこんな色があるけど違うのある?って来るの。それで山に入って採って来る人にお願いしとくんだよ。でも今はもうそういうの趣味にしてる人はいないよ。あたしが80歳になったんだもん。だからここはお茶飲み場になった(笑)
K:ここに来れば中條さんや渓谷の近所の人たちに会えるって安心します。
空き家について
K:今ぼくらは空き家について活動してますが、どう空き家に関してどう思いますか?
K:空き家はねぇ。ありそうでなかなかないでしょう。だ空いてるよ、貸してやるよじゃないでしょう。持ち主の人と権利のことだったりとかいろいろ話さないといけないでしょ?
T:そうですね。ぼくたちが空き家だと思ってたおうちも、持ち主や地域の人からすると、正月とお盆に帰って来るって空き家って感覚じゃないんですよね。
K:そうだよねぇ。特に町会の付き合いがあると、何か会ったときに来ないと行けないもんね。確かにそれは難しい。ほんとに難しいね。それにあんたたちみんな若い人がやってて、えらいなぁと思ってるよ。大変だよ。感心する。
T:ありがとうございます。あそこの事務所に若い人たちがたくさん集まるようになりました。
K:そうだって、あんたらの事務所の近くのお母さんも言ってたよ。わけぇ人がたくさんいてわけわかんねぇって( 笑)
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