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これからの観光案内

道案内とカロリー補給

地域おこし協力隊という制度が実施されてから13年。2021年現在、市原市にも3人の協力隊が活動している。地域おこし協力隊のライフスタイルは地域ごとに大きく異なっており、市原市でも3人の活動はそれぞれ面白い。今回は加茂地区の田淵町会の空き家を改装してサイクルスポットをつくっている白石さんにお話を伺った。

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白石さんの活動について

OIKAZE
https://www.instagram.com/oikaze_rnc/?hl=ja

Chiba Cycle Orbit
http://chibacycleorbit.com

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この場所を選んだワケ

OIKAZE改修

開宅舎 小深山(以下Kと示す):白石さんが地域おこし協力隊として市原市を選んだ理由ってなんだったんですか?

白石(以下Sと示す):友達が北海道で働いていて、地域おこし協力隊という制度を使ってこっちに来ないかって連絡くれたんっすよ。それで自分で調べたら、千葉県も募集していて。その中で市原市も見つけたんです。

K:地域おこし協力隊って単語はそこで出てきたんですね。市原市のことは知っていたんですか?

S:地図見たら自転車でよく通る場所じゃんって思ったんですよ。ただ自転車に乗っていて市原市って休むとこなくて。あんまり寄ってるイメージがなかったんですよね。ちょうどそのとき、自転車サークルの代表になっていたので、自転車で仕事にならないかなって思ってたんです。休憩する場所がないなら自分でつくっちゃおって応募しました。

K:養老渓谷まで行くのに、途中で寄るところがないってよく言われますよね。白石さんが今改装しているところは県道からも近い。自転車に乗っている人からしたらいい休憩場所になりそう。

S:協力隊応募するときに開宅舎のことは調べてあったので、いい空き家あるかなって。そしたらたまたま田淵の空き家が空いていたんです。協力隊も友達から教えてもらえたし、いい場所があったので運が良かった。

大切にしていること

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S:勢い!

K:勢いですか。

S:勢いとタイミングを逃さないこと。タイミングは誰にでも来てるから逃すなってよく言われるけど、ほんと勢いとタイミング!

K:気づくか気づかないかって確かによく言われますよね。白石さんが、今まで1番勢いやノリでやってみたことってなんですか?

S:ここ(サイクルスポット)ですね!今までDIYとか大工みたいなことしたことなかったので。しかもそれを今1年で形にしなきゃいけなかった。

K:協力隊になって1年、ずっとここの掃除や解体をやってますもんね。勢いやタイミングで始めて、すぐにやめちゃうこともあるんですか?

S:ないですね。ギターも買ってからなんやかんやたまに弾いてるし。

K:え、ギター弾かれるんですか?

S:そんな弾けないですけどね。日本人は英語しゃべれるのにそんなにしゃべれないみたいに言うじゃないですか。でも外国の人は「スシ!テンプラ!ニホンゴシャベレマス!」これくらいのノリの方がいいなって思います。ギターとかも特にうまくないけど、自分が失敗したと思わなければいいんですよね。

K:日本人は失敗=悪いことって思いがちですよね。

S:自転車も同じで、1位にはなれないけど、優勝しなくてもいいじゃんって思ってやってます。嫌いじゃないから続けられる。続けてればそれでいいなって。やめなければいいんですよ。


これからのこと

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K:今の白石さんの目標はなんですか?

S:サイクルポットをまわしていくことと、自転車のイベントをたくさんすることです。秋には自転車でガイドやツアーをやりたいですね。養老渓谷の駅前とかで集合してレンタサイクルをやるとか。

K:なるほど。白石さんはイベントを開催しているときは、ここのサイクルスポットは開けているんですか?

S:ここは常に開けているつもりです。イベントの売り上げでここに入ってくれる人を雇えたらなと。ここの場所は貸すのでカフェをやってみたい人がいればぜひ使って欲しいです。自転車に乗って休憩しに来た人も、毎週違う人が何か提供してくれたら面白いかなって。

K:確かに、来たくなりますね。今日は誰がお店にいるんだろうって。

S:っていう意味で、たくさんの人の色をのせられるように、ここの壁を白くしました。

K:おぉ〜。

S:実は今考えました(笑)勢い!



スマホにできないこと

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小湊鉄道養老渓谷駅には観光案内所がある。菜の花や秋の紅葉、市原アートミックスや小湊鉄道トロッコ列車など、養老渓谷は観光資源が豊富な地域である。そんな養老渓谷で「まことさん」という愛称で親しまれている養老渓谷駅前観光案内所の是永まことさんにお話を伺った。

この場所を選んだワケ

開宅舎 小深山(以下Kと示す):まことさん以前都内で勤めていたと聞きましたが、観光協会で働く前から養老渓谷のことは知っていたんですか?

まこと(以下Mと示す):母親の実家が養老渓谷なんだよね。学生のときは夏休みにキャンプ場のお手伝いとかしによく来てたんだよ。角屋のしょうちゃんが車で迎えに来てくれて。

K:そうだったんですね。こっちに来るきっかけはなんだったんですか?

M:アートミックスの売店手伝ってたんだよ。確かそのときは白鳥小だったかな。そしたら前にいた会社の上司が来てさ。あれ?って。市原市の観光協会に入るからってアートミックスを見に来たって。それから半年くらい経って連絡がきて市原市の観光協会入らない?って。しょうちゃんのお兄ちゃんが観光のこと一生懸命やっててさ、いずれこっちで何かできることないかなって思ってたけど、こんな早く関わるとは思ってなかったね。

大切にしていること

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K:大切にしてることって何ですか?

M:大切にしてること〜?ん〜。なんも考えてないなぁ〜。めんどくさいの嫌いだし。

K:プライベートなことでも仕事のことでも!あるひとは勢いとノリって言ってました!

M:勢いもノリもないからなぁ〜。仕事上で大切にしてることならあるな。観光案内ってさ、こっちの言うことってずっと同じなんだよね。もう5,000回くらいおんなじこと言ってる。でも、お客さんって初めて来るから、飽きないで説明してあげられることって大事なんだよね。どうしても疲れてたりなんかいろいろあると、同じことの説明だからちょっとこう…なっちゃうんだよね。

K:確かに、ちょっと投げやりというか自分が飽きちゃうのが想像できます。お客さんから一番聞かれることってどんなことなんですか?

M:養老渓谷どこですか?って一番聞かれるね。養老渓谷って場所はないじゃん?でもお客さんは養老渓谷って場所があると思ってるから。養老渓谷って大きく分けて3つありますよ。山のエリアは本格的なハイキングのエリアですよ。温泉街は遊歩道がありますよ。メインなら粟又の滝がありますよ。ってよく伝えてるね。お客さんにとっては初めて来るところだからさ、細かいところなんだけど意識してるよ。

これからのこと

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K:養老渓谷でまことさんが個人的にやりたいこととかないんですか?

M:ラーメン屋やりたいんだよね。

K:おぉ!

M:自然薯ラーメン。地元のものを使った名物が欲しいんだよね。

K:いいですね!どこがいいですかね。

M:やるなら温泉街だね。俺、温泉街に赤提灯つけたいんだよ。今は旅館に泊まっても夜行くところがないんだよね。養老渓谷温泉街とか養老渓谷温泉郷って言われたりするんだけど、千葉県で他に温泉街って知ってる?

K:千葉県の温泉街…街…パッと出てこないです。

M:ないんだよ。世の中の温泉街のイメージって湯布院とか伊香保とかじゃん?射的があって、ラーメン屋があって、飲み屋があって。そういう雰囲気のところにしたいと思ってるんだよね。せっかく温泉街と名乗れるんだから、温泉街らしくありたい。俺はやるとしたら射的とラーメン。

K:やってくださいよ。

M:やだよ〜、めんどくさい(笑)

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養老渓谷駅前観光案内所についてはこちらから

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日常案内

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月崎駅に向かう途中の県道に昔から続いてる高山商店がある。スーパーまで車で20分かかるこの地区にとって、日用品や食料品が手に入る高山商店の存在はとてもありがたい。今回は高山商店の高山さんにお話を伺った。

この場所を選んだワケ

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開宅舎 小深山(以下Kと示す):おかあさんはいつからこのお店を始めているんですか?

高山(以下Tと示す):お店を新しくしたのが昭和の最後の年ね。県道ができる前、お店は今と反対の方向を向いていたの。前はいかにも潰れそうな田舎店(いなかみせ)をやってたのよ。

K:最初は反対側を向いていたんですね。昭和の最後ということは、30年以上。前のお店は何年くらい開けていたんですか?

T:わたしはお嫁に来てからだから…昭和40…忘れちゃった(笑)わかんない!

K:前からお店を開きたいと思っていたんですか?

T:おしゅうとさんにやったらどうかって言ってくれたのよ。昔の人は働きもんだったからね。素人だったからやればすぐにお金になると思っていたから、お金のことは大変だったわ。今になるとね、みんなが助けてくれて、ありがたかったなって思うねぇ。

大切にしていること

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T:来てくれるお客さんは大切だよねぇ。このお店は通りの人よりも地元の人たちの方が多いから、周りの人たち、地域の人たちに支えられたわ。そういう意味で地元のお客さんがとっても大事。

K:ここのお店はヤマザキYショップってお店に出ていますが、ずっとヤマザキYショップだったんですか?

T:30年前にお店を直すっていったときにヤマザキの人が来てヤマザキショップどうですかって言ってくれたの。すごくよくしてくれたの。この辺のヤマザキショップはわたしん家が一番最初だったのよ。

K:ここが1番最初だったんですか。

T:なんでってね、わたしん家が始めたとき、すっごくね、田舎の店にしてはあの当時は斬新だったの。今はこんなんだけど。お客さんがね遠くからでも来てくれたわけよ、いろんなもんが売ってるって。ヤマザキの人が来てわかりやすく配置してくれて。そのころにしては珍しかったの。これはいいやってみんな思ったんでしょうね。渓谷の金子さんもYショップにしたの。次に古敷谷。やっぱりYショップ。次にチバニアンのお店んとこもYショップにして、その次そこのガソリンスタンドのとこもYショップにしたんだよ。この辺の店はみんなYショップにしたんだよ。

K:そうだったんですね。月崎のYショップって言う人は聞かないです。みんな高山商店。

T:みんなYショップよりかね、昔から高山商店だから。昔ながらの高山商店でいいの。

これからのこと

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K:協力隊の白石さんがすぐ近くでサイクルスポットを始めるそうです。

T:このお店でないような食べ物とかコーヒーとか飲めたらいいわね。この道は自転車の人多いのよ。自転車の人、かわいそうなの。うちなんて自転車を置くスタンド?みたいなのないからその辺に立てかけたり、よっかかったりするしかないでしょ?どこだっていいんだけどさ。でもそうすっと自転車が盗まれないようにとっとと行っちゃってさ、ゆっくりしていけないんだよね。そういうところがあれば自転車の人たちも休めていいわね。

K:白石さんに頼んでみたらどうですか?ここのお店にもスタンド作ってくださいって。

T:あんた、だめだよ。作るとここに停まっちゃうから、白石さんのところに行く人がみんなうちに来ちゃうわ(笑)





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