秋大会団体戦振り返り
秋団体振り返り 海舟
はじめに
我々は創部2年目で初めて秋大会団体戦に出場しました。秋は14人登録7人制の団体戦です。長大からは10人もの部員に参加してもらい、オーダーで主力をずらすことでチームを勝たせられるのではないかと思っていました。春団体に出場したメンバーは実力が割れているので、今回初出場のメンバーをどこに配置するかに苦慮しました。こちらの勝ち筋はレギュラー4人(S藤、海舟、K原、K網)が勝つことが基本となり、どの位置でどの相手に勝つかを考えました。また、S藤は部内でイキリ散らかしているため、身の程を知ってもらうために全試合出場させる方針でした。
オーダー表
1.I藤 1級〜初段 春出場
2.S 級位者 春出場
3.S藤 三段(自称)
4.N嶋 級位者 春出場
5.海舟 主将 春出場
6.A井 級位者
7.M栄 級位者
8.K原 三段(願望)春出場
9.T平 級位者
10.小網 二〜三段?
1日目 熊福鹿九
最初の順位が5位だった長大は、1日目に上位4校と当たる厳しい日程になっていました。1日目でどこかに1勝すれば、上の順位を目指せます。
一回戦 熊本大学
熊本大学は層が厚い印象で、実力的には優勝レースに加わってもおかしくないと思っていました。初戦はオーダーが分からないので運ですが、層の厚さも考えると勝つのは無理そうだった(フルでも2〜3勝が限界かな)ので、レギュラーのK網を隠して他大の情報収集をお願いしました。一回戦対局開始数分前に一回戦出場メンバーが全員会場に集結し、無事対局開始を迎えることができました。
長ー熊
1.I藤ーT中 ×
2.S藤ーS木 ×
3.N嶋ーMケ島 ×
4.海舟ーO倉 ◯
5.A井ーH山 ×
6.M栄ーT松 ×
7.K原ーH川 ×
私が熊大のエースに当たったのは想定外でした。私は43銀32金型のバランス中飛車に構えO倉氏は銀冠に。右四間にされて仕掛けられるが角を46に転換してカウンター。その後も難しい将棋が続いたが玉頭戦を制して勝つことができました。向こうはフルオーダーではなさそうに見えたので、レギュラーのS藤とK原には勝ってほしかったですが…結果は1-6負けで暗雲立ち込めるスタートとなりました。私は終局後急いで他チームのオーダー表を確認し、2戦目以降のオーダーを考えました。
二回戦 福岡大学
福大はレギュラー3人(T内氏、ハシカン氏、H谷川氏)がかなり強いですが、それ以外のメンバーとの棋力差が激しいので、私が向こうのレギュラーを1人喰えればワンチャンあるかと考えていました。オーダーとしては大胆に上3枚を抜いて私が副将で出場し、初戦で温存したレギュラーのK網を投入し勝ちに行きました。
長ー福
1.S藤ーB家 ◯
2.海舟ーT内 ◯
3.A井ーハシカン ×
4.M栄ーH田 ×
5.K原ーZ黒木 ◯
6.T平ーS井 ◯
7.K網ーH谷川 ×
私の相手は同じチンパン将棋研究会に所属するT内氏でした。オーダーの上の方は予想通りでしたが、1勝換算のこちらのレギュラーのK網が向こうのレギュラーと当たってしまい苦戦を意識しました(オーダーの都合上かわせなかった)。対局が始まってまもなく、うちの中軸の級位者たちが容赦なく喰われる音が聞こえる。しかし、6将戦で必敗の将棋を相手の2歩で拾ったことで大きく流れが変わりました。レギュラーのS藤とK原が確実に勝ち、最後は3-3で副将戦が残る。T内氏のKKSから始まった将棋は角換わりの対右玉のような形となり、私が75歩同歩86銀と桂頭から開戦。うまく戦機を捉えていたようでその後もリードを拡大。最後は秒読みで17手の即詰みに討ち取り福大戦に4-3で勝ちました。終わった直後、九大が分大に2-5で負けたという報せも入り今回の秋大会において波乱が起こりつつあることを感じました。
三回戦 鹿児島大学
鹿大は、ずば抜けて強いエースは居ないものの、レギュラーの5人(I田氏、A田、たつひろ氏、T木氏、K木野氏)が安定して強いという印象です。こちらとしても正面対決でレギュラーに頑張ってもらうしかないと考えていました。また、向こうのオーダーの5.6.7番手はレギュラーでほぼ固定に見えたのでオーダーは考えやすかったです。上の方で鹿大精神的支柱I田氏と鹿大エースA田をかわせるように考えました。
長ー鹿
1.I藤ーM上 ×
2.SーI田 ×
3.S藤ーA田 ×
4.N嶋ーI上 ×
5.海舟ーたつひろ ◯
6.K原ーT木 ◯
7.K網ーK木野 ◯
私は同じチンパン将棋研究会に所属するたつひろ氏のスナイプに成功。純粋居飛車党だと思っていたので角交換振り飛車に意表を突かれたが、戦機を捉え予定通りしばく。しかし寄せがクソ雑魚ナメクジだったので反省。6、7将も予定通りの当たりでレギュラーが勝ってくれました。問題は上の方の当たり。I田氏を外すことには成功するが、3将戦でレギュラーのS藤と敵エースA田との当たりを作ってしまう。この2人はライバル関係だが少し分が悪そう。大将のI藤には領域展開「袖飛車」があるので少し格上にも勝つ可能性があり、1、3のどちらかで後1勝を拾いたいところでした。しかし結果はどちらもチャンスがあったものの落として3-4負け。特に3将戦でははっきり勝ちまでいってたのでとても悔しい結果になりました。最後に地力の差や層の厚さを感じました。
四回戦 九州大学
九大は九州地区の王者で絶対的エースのオオヌシ氏やその右腕のN山氏をはじめ、準レギュラーまでもがある程度の棋力を有します(九州地区内においては)。我々が全力で戦っても勝てる相手ではなく教育オーダーを選びました。我々は今回初出場で多くの部員が頑張って参加してくれました。勝つために捨て駒当て馬レギュラー固定は当然ですが新規参入の長大チームはまだその段階に入ってないと思い、わざわざ参加してくれた部員へ対して棋力を問わずに出場機会を与えようと思いました。もちろん、鹿大戦に勝っていたら全力のオーダーで戦っていたと思います。ここで私は全勝賞を諦める決意をしました(オオヌシ氏から逃げたわけではない)。
長ー九
1.Sーちげごりら ×
2.S藤ーやまりょう ×
3.N嶋ーK保幸 ×
4.A井ーガッツポーズニキ ×
5.M栄ーオオヌシ ×
6.T平ーN友 ×
7.K網ーK保翔 ×
九大のオーダーを見て驚いたのはガチメンだったことです(N山氏はこの日不在)。秋初出場の地方校相手にこの面子できたことは意外だったし、それだけの相手だと認められて嬉しかったです(もちろん勝ち数を稼ぎにきたのもあると思う)。私はチームメンバーの健闘を祈りながら、この日初めての食事を摂り、2日目の対戦相手の分大と佐大の偵察に行ってきました。九大戦を見に戻ると屍の山が積み上げられていました。レギュラーのS藤とK網がどこまで通用するか興味があったのですが、S藤は睡眠不足+多忙で衰弱してる九連理事長相手に終盤で競り合い負け。K網は穴熊ヤクザの異名を持つK保翔氏の猛攻により粉砕。大きな実力差を思い知らされる対戦でした。この結果今大会唯一の0-7負けとなり、最終結果では勝ち数の差も順位に影響したので、このとき全力でぶつからなかったことを少し悔やみました。これにて1日目終了。
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2日目 分佐非
1日目終了時点での長大は1勝3敗、前回順位を越えるためには大分と佐賀に勝ちたいところでした。また全体の結果としては、鹿児島か無敗、福岡・九州・大分が1敗で続いており直対も残っているのでどこが優勝するかわからない状況でした。
五回戦 大分大学
大分大学は数年ぶりに秋大会に出場でしたが1日目の結果を見てみると想像以上に強すぎ。おそらく7人全員三段クラス以上はありそう。1日目の夜にこれまでデータ収集した分を分析したところ分大戦は無理というのが私の結論でした。勝ち目がない、それでは後は全員の出場機会をどう揃えるか。この後は佐賀と非公式との対戦が残っており、全体を通した各人の出場回数を考え今回のオーダーを考えました。
長ー分
1.SーT堂 ×
2.S藤ーH田 ×
3.N嶋ーS崎 ×
4.海舟ーG藤 ◯
5.A井ーK田 ×
6.K原ーU田 ◯
7.K網ーH中 ◯
私の相手はベテランのG藤氏でした。私は名前を知らなかったですが、まだ分大にいるなんて聞いてないという有識者の意見もあったので強敵だと認識していました。相手のオーダーを大して考えずに組んでしまったとはいえ、副将と6将できつい当たりを作ってしまったなあと。まあ試練だと思って頑張ってくれ。この時は私も味方を応援する余裕もなく、体調不良と寝不足によりゴミみたいな読み抜けを連発し負けの局面までやられていました。なんとか得意の粘り腰と終盤の食いつきを発揮し、玉頭チンパンで逆転勝ち。他のメンバーの結果を見ると6将戦K原が勝ってる。今大会なぜか覚醒したK原が頼もしい。副将戦S藤は完敗、結果は3-4負けでした。正直2勝も取れるか怪しいと思っていたのでこのスコアは意外で、レギュラーの強さに自分が一番気づいていなかったことを実感しました(後期からちゃんと部活行きます)。収穫の多い五回戦でした。
六回戦 佐賀大学
佐大もかなり久々に秋団体に出場してきたようで1、2年しかいない若いチームでした。しかしメンバーが7人ちょうどだったのでオーダーとしてはやりやすい。1日目の結果からH多屋氏が佐大の中で一番強そうに見えたので、そこを外して確実に勝てるオーダーで挑みました。
長ー佐
1.I藤ーT中 ◯
2.S藤ーI上 ◯
3.海舟ーM上 ◯
4.M栄ーY下 ◯
5.K原ーN牟田 ◯
6.T平ーH多屋 ×
7.K網ーK藤 ◯
私は角換わりの後手番で右玉を用い、激しく攻め立ててそのまま押し切り。レギュラーで安定して4勝取りに行く予定でしたが大将戦と4将戦で準レギュラーも勝ってくれました(今大会初勝利おめでとう!)。結果は6-1勝ちで団体戦2勝目を挙げることができました。
非公式戦は割愛
最終結果
団体2勝4敗(6位)、個人5-0
(非公式を除く)
総括
初の秋団体はとても楽しいものでした。春は5人しかいなかったのでオーダーの余地もなく、狙い撃ちにされて粉砕されました。しかし今回は自分達の力が上位校相手にも通用することを示し、とても大きな自信になりました。レギュラーの面々を振り返ると、S藤は当たりがきつかったが2-4で自分の実力の無さに気づいたと思うので奮起してくれ。K原は4-1と望外の出来、よくやった。次期主将のK網は3-2、勝ち越したのは立派。まだ1年、将棋のつくりが私と似てるので後継者として成長を期待。私は5-0、敵の主力を捕まえて喰いまくったのでエースとしての役目を果たせたかな。次の春大会では上位争いに食い込めるように頑張りたいです。私も部室に行って後輩を育成しようと思います。拙文をここまで読んでいただきありがとうございました。
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