春大会団体戦振り返り
春大会団体戦振り返り 海舟
本当は書く予定は無かったのですが、要望があったので自戒の意味も込めて書いてみます。
大会前
九州地区では春の団体戦は10人登録5人制です。今年長大には県内屈指の強豪のK木くんが入学し、大きく戦力アップしました。4年になった私は役目を引き継ぎ、さらにエースの座を追われ、ただの老害になりました。他にも多くの新入生が入部してくれたのですが、大会までの期間が短かったためか、多くを連れて行けず、また今まで参加してくれた準レギュらも多忙だったため、8人での参加となりました。去年は5人ちょうどでの参加で他大から狙い撃ちにされボコボコだったので大きな進歩です。さらに戦力的にも充実したので、上を狙えるのではないかと期待していました。
オーダー表
1.T平 1級
2.K原 ニ〜三段
3.K木 七段、元A1 、◯初出場
4.N嶋 4級
5.S藤 三段
6.海舟 就活生
7.M村 4級、◯初出場
8.K網 ニ〜三段、今年度理事
基本的なプランとしては
1.K原 序中盤◎、終盤❌、対格下×
2.K木 絶対負けない
3.S藤 安定◎、秒読み×、対局態度×
4.海舟 エース級以外には絶対負けない
5.K網 序盤❌、終盤◎、格上への一発◎
の固定でいくつもりでした。2.4番手のWエースで2勝確実に取って(フラグ)、1.3.5で誰か1勝して勝つ予定でした。2.4の配置(逆だったかもしれねぇ)や1.3.5の配置(実力的にはトントン)も悩みましたが結局はこのようになりました。九大以外で5枚揃っている大学はないので、相手のエース以外とのあたりなら端でも勝ちが見込めると思ってました。準レギュに関しては層の薄い長大としては出しても勝つことが困難なため、福大や九大戦での固定読みへの外しとして出てもらう構想を考えていました。前回順位が5位の長大は1日目に1〜4位の大学と当たることになり、1日目が山場でした。
1日目 熊鹿福九
九大戦が1日目の最後にあり、ここが勝負所。また、2位以上を目指すためには、九大戦以外の勝利が必須。
一回戦 熊本大学
秋大会では初戦でここに敗れたので、今回は勝って弾みをつけたいところ。熊本で代表を取ったO倉さんやA馬さんが手強く、S木さんもそこそこ。しかしそれ以外は有力な人がいない(と思っていた)ので、それ以外の人とならうちのレギュラーは勝てるはず。
長ー熊
1.K原ーH川 ×
2.K木ーT中 ○
3.S藤ーS木 ×
4.海舟ーO倉 ×
5.K網ーM本 ○
オーダー最悪の当たりでした。初戦なのでどうしようもないのですが。熊大のオーダーを研究したときにO倉さんが2番手に来そうと思ってK木を2番手に据えたのですが、結果的に外されました。その結果、1.おそらく勝てそう、2.勝ち、3.4.ガチンコ、5.相手の人知らんけど勝つやろ の当たりができました。私とO倉さんはおそらく五分ですが、K木で処理する予定だったこともあってかなり動揺しました。そして慣れない戦型の序盤で巻き返しが効かないほどのやらかしをしてしまい、将棋が終わりました。しかしすぐに投了しては周りの士気に関わる。苦しみながら手数を延ばし討ち取られました。まあそれでも向こうの主力のA馬さんなぜかいないから他が勝つやろと思ってたら、1.負け、2.勝ち、3.劣勢、4.負け、5.劣勢… 私のメンタルは破壊されました(せっかく推しの魔女旅のイレイナさんのキャラT着てきたのに)。結果は、3.そのまま押し切られ負け、5.入玉し大逆転勝ち となり2-3負けでした。私が戦犯をかましてしまい、大事な初戦を落としてしまいました。同時に大会前に描いていたプランが崩壊しました。対局後に九大のオーダー表をみると、層が厚すぎてうちを含めてどの大学も勝てないな(絶望)。2位争いになった時に勝ち星の合計が大事になってくるので、一勝でも多くの勝ち星を積み重ねるためにこれからのオーダーは全て固定になりました。
二回戦 鹿児島大学
今まで主力を務めてきたI田さんとたつひろさんが引退したことで大きな戦力ダウン。現存戦力は理事長、T木、K木野。こことならうちのレギュラーはいい勝負ができるはず。外されても勝てると踏んで固定オーダーで。そもそも3勝しないと団体戦として勝てないので、1.3.5.にはある程度の相手には勝ってもらう必要がある。ここで負けたら終わりなので頑張ってくれ。
長ー鹿
1.K原ー理事長 ×
2.K木ーT森 ◯
3.S藤ーK木野 ×
4.海舟ーT井 ◯
5.K網ーT木 ◯
露骨なまでにこちらの2.4.を外しにきたオーダーでした。目算では、1.理事長そこそこ強いから多分負け、2.4.勝ち、3.5.ガチンコ。まあ想定内だけど、いざとなると1.3.5.全負けの可能性こわいな。多分2.3.4.で3勝かななんて思ってると私の相手は昨夜国際交流館でささ恋について語り尽くしたT井くん。団体戦で相まみえるなんて… 私の三間飛車対金無双急戦で気持ち良く捌かせてもらった。他の結果を見ると 1.負け、2.勝ち、3.敗勢、4.勝ち、5.劣勢。1.はまあしゃーないとして、3.は何やってんの? 2-2となり5将戦の結果を見守ることに。うちの5将は中飛車美濃の縛りで将棋をやっている(それ以外何も知らない)が終盤の安定感はあり秒読みでも安心して見れる。形勢は敗勢だったが相手玉を頓死させ勝ち。鹿大戦は3-2勝ちとなりなんとか次に繋げられた。
三回戦 福岡大学
絶対的エースだったハシカン先生が引退したことで大きな戦力ダウン。今の福大はT内やH長川などが厄介で、こことうちの1.3.5.が当たれば勝つのは厳しい。他にも有段者が多く控えているので当たり方には注意する必要があった。福大のオーダーを研究したところ、端に強い人を置いて2勝して真ん中でハシカン先生が勝って3勝する形だったが、今回はバラバラに配置されており、ちゃんとオーダーを考えてきたらしい。こちらとしても好都合で、端で2勝取ろうとすると向こうの3番手、4番手が出しにくい形になってたので固定で挑むことに。
長ー福
1.K原ーH長川 ×
2.K木ーH田 ◯
3.S藤ーS田 ◯
4.海舟ーB家 ◯
5.K網ーT内 ◯
やはり端で2勝取りにきたか。目算では、1.負け、2.4.勝ち、3.相手知らん人やけど多分勝つやろ、5.どっちも終盤型やからワンチャン、で2.3.4.の3勝かな。私の相手は本年度主将のB家くん、前回の秋大会では覚醒し大活躍を見せていた。戦型は私がよくやる変な中飛車対穴熊となり、後手番で時間もリードしてたので千日手に誘導。向こうも打開が難しかったみたい。指し直し局では角換わりとなり、右玉対早繰り銀に。角と銀を持ち合い端から攻められる展開に。こちらは角を打ち込み馬を作り、加えて銀を投資し相手の飛車を抑え込みにかかる。とまたここで千日手の匂いが。形勢は難しく打開すると打った銀が遊ぶ可能性が高い。しかし千日手にすると規定で0.5勝となる。私には勝ち以外許されないので打開することに。少し自信はなかったが棋力差でねじ伏せて勝ち。勝ちはしたが内容が悪い、手が伸びない、見え方が悪い。初戦戦犯でかなりメンタルがやられ、ふだんの私の良い将棋を指せていない感覚だけが残った。他の様子を見ると、1.負け、2.勝ち、3.劣勢、4.勝ち、5.優勢。1.はまあしゃーないとして、3.は何しに来たの?、5は福大の主力相手に奮闘してる。結果は、3.こちらあと数手で詰みだが相手が時計押し忘れて勝ち、5.そのまま押し切り勝ち。福大戦は4-1勝ちとなり次はいよいよラスボス。
四回戦 九州大学
去年まで大エースだったM井さんが抜けたが、それを上回る戦力が加入。それ以外にも今までの九大レギュラーよりも強力な新入生が多数。向こうが期待の新エースI上(七段、元A2)で私を絶対に◯すオーダーだったのは見て取れた。こちらの当初の予定は、1.K木、2.S藤、3.海舟、4.M村、5.K網とし、レギュラーのK原を下げて4級の子を七段への生贄に捧げることで、1.3.勝ち、2.K木への当て馬をS藤で倒す、5.格上への一発があるから期待 のはずだった。しかし層が厚すぎる、全員五段以上で固めてきそう。こうなっては、ずらしたところでうちの3勝目が取れない。私はI上にはおそらく10回やって1、2回入るかどうか、それ以外の相手には五分以上でやれると思ってた。もしかしたら私がI上を避けて2勝でも取りに行ったほうが良かったのかもしれない。結局、各員一層奮励努力セヨということで固定にした。
長ー九
1.K原ーK保 ×
2.K木ーN山 ◯
3.S藤ーH本 ×
4.海舟ーI上 ×
5.K網ーT嶺 ×
オーダーはまあ予想通り。1.は勝算はありそう。2.相手は本年度主将、未だ地区団体負けなしだがうちのエースの方が強い。3.相手は強い新入生、たぶん負け。4.順当に負け。5.相手は強い新入生、かなりキツそう。さあ対局が始まる。対局を取り囲む九大の準レギュやOBの圧が凄まじい。私もこの日のために少しはI上対策をしてきた、ただで負けるつもりはなかった。ゴキ中党の攻め将棋、薄い玉形を厭わない、終盤鬼とか聞いてたので、私が先手番のときの秘策は用意してきた。後手番のときは?そんなものはない、就活生海舟は大会前日にSPI試験があり(もちろん爆死)忙しかった。そもそも二分の一を引けないようでは勝てない相手に勝てるはずもない。だが私は後手番だった、全てを悟った。よくわからん急戦やって攻めるだけ攻めて、気づいたら形勢が悪かった。鋭い反撃になす術なく、勝負所を作れずに投了図は大差だった。他の結果を見ると、1.勝ち寸前で逆転負け、2.勝ち、3.負け、4.負け、5.負け。1.が勝ちそうだっただけに私の実力不足が不甲斐なかった。九大戦は1-4負けとなり、目標を2位に切り替え条件を計算することにした。
1日目を終えて
2位争いの相手は熊大だった。上位校は2日目に九大戦があり、ここで1敗をつけられる。長大は今2敗、熊大は鹿大に負けたことで今1敗。現在熊大とはこちらだけ九大戦を先に消化し、勝ち星の合計で1勝分リードしていた。熊大ー九大は九大は負ければ着落ちがあるのでガチで潰しに行くはず。そして長大と熊大は共に2日目に西南と九工大を残しており、ここでいくつ勝ち星を拾えるかの勝負であった(フラグ)。勝ち星が同数の場合は直対でも前回順位でも下なので、熊大より多くの勝ち星を稼ぐ必要があった。
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2日目 西九工非
西南戦と九工戦でいくつ勝ち星を重ねられるか。最終戦は非公式チームとなので他チームの結果を見守ることになる。2日目は福大OBのハシカン先生が駆けつけ、長大の実況をしてくださることに。ハシカン先生はまだささ恋の9巻を読んでなかったので、読むように熱弁した。
五回戦 西南大学
西南さんは常に人手不足で今回は4人での参加(1つ不戦勝)。この中ではれいなさんが一番強く、ここをK木でぼこぼこにすることで確実に5勝取りに行った。
長ー西
1.K原ーU田 ◯
2.K木ーれいな ◯
3.S藤ーI橋 ◯
4.海舟ーH井 ◯
5.K網ー 不戦勝
向こうは4人しかいないので狙い撃ちにした、といってもこちらは固定なのでそのままのあたり。今大会好調のK網を不戦勝に使ってしまったのは痛かった(オーダー表の一番下だから仕方なかった)。私の相手は初参加の人、居飛車対中飛車の将棋となり、向こうが美濃に組み前に斜め棒銀から攻め潰した。他の結果を見ると全部勝ってる、安心した。西南戦は5-0となり熊大へプレッシャーを与えられる。熊大は五回戦で九大に0-5負けを喫し、先に西南戦を消化して熊大に6勝分リードする形となった。その時点で2位の可能性が高まり、我々の士気は高揚した。この時はまだ誰も、九工にも2位の可能性があることに気づいていなかった。
六回戦 九州工業大学
九工大は毎年春大会だけ出場しており、数は少ないが皆有段ありそこそこの実力があった。今回は6人での参加だった。初戦ではエースの理事長を温存した鹿大に3-2で勝ち、福大に1-4負けしていた。単体で強いのは何人かいるか、全体的にはそうではないと思っていた。九工で強いのはM長さんとS部くん。ここが誰と当たるか(まあこっちは固定なのだが)が重要となった。2位争いを加味すると、5-0で2位確定、4-1で熊大は西南・九工相手に5-0、5-0が必須となり、目標は4勝だった。
長ー九工
1.K原ーH尾 ×
2.K木ーS部 ◯
3.S藤ーU越 ×
4.海舟ーM本 ◯
5.K網ーM原 ×
向こうのじゃんけんオーダーの結果、M長さんが外れ、S部くんはうちのエースのK木と。こちらとしては願ってもないあたり。目算では、1.相手知らんけどまあ勝つやろ、2.うちのエースが負けるはずない、3.ガチンコ、4.私もそこそこ強いから勝ち、5.相手知らんけどまあ勝つやろ。3勝は確保できると思っていた、思っていた… 私の相手はよくわからん人。居飛車対中飛車となり急戦で仕掛けた。序盤からやけに長考するなぁとか思ってたら相手に上手い反撃があり、形勢不明に。だが秒読みに入った相手にミスが出てそこからは一方的に殴る展開に。私は勝ちそうだったので横の5将戦の将棋を見ると、K網が敗勢に陥っていた。なにか嫌な予感がした。ため息を吐きながら相手玉に必至をかけて勝利し、他の結果を確認しに行った。すると、1.負け、2.かなり悪そう、3.劣勢、4.勝ち、5.敗勢… 正直勝って当然だと思って六回戦に挑んでいた。甘さが出た。もう遅かった。その後、2.大捲りで長手数の即詰みに討ち取る、5.負けとなり、2-2で3将戦が残った。形勢は悪い、そして秒読みのS藤くんの終盤は弱い。まだチャンスはあったが、勝ち目のない粘り方をしている。勝負手を繰り出せずただ手数を延ばしているだけの将棋、私は見ていられなかった。九工戦は2-3負け、私の春大会は終わった。
七回戦 非公式チーム
これは消化試合。2位は最終戦の熊大ー九工の勝った方となった。戦意喪失の中、今まで試合に出してあげれなかった3人をこの非公式戦に出した。残り2人は誰でもよかったが、私とK木が出ることにした。非公式チームは九大のBチームのようなものであり、メンバーから外れた人たちが出ている(もちろんみんな有段ある)。ここで鬱憤を晴らすか。
長ー非公式
1.T平ーK野 ×
2.K木ーW田 ◯
3.N嶋ーH内 ×
4.海舟ーM本 ◯
5.M村ーガッツ中嶋 ×
1.T平にはほんとは多く出番を与えるはずだったが叶わず。2日間会場でずっとスイカゲームをしており暇そうだった。3.N嶋、団体戦皆勤賞、毎回出てくれるのはありがたい。5.M村、今年度入った新入生、将棋へのやる気があるのでこれからの成長に期待。私の相手は九大の期待の新入生、先手番で戦型は横歩取りとなった。私は横歩取りは33角に同飛成として77角打とする竹部スペシャルしかできないのだが、34飛に33桂と跳ねられ動揺を隠しきれない。その後はジリジリとした展開になり、端から相手が動いてきたところにカウンターを決めてそのまま押し切れた。周りを見ると、1.負け、2.勝ち、3.負け、4.勝ち、5.大優勢。まじか、5将戦勝ちそう、ガッツを無くしたガッツ中嶋は弱くなっていた。しかし寄せを間違えて根元の攻め駒を取られて逆転負け、惜しかった。非公式戦は2-3負けとなった。
最終結果
団体3勝3敗(3位) 個人4勝2敗
非公式を除く
総括
今回長大は勝ち星の差で最終順位は3位であった。大きな躍進であるが、2位以上を狙っていたので悔しかった。大会直前に研究会に参加していただいた伊ケ崎氏やオーダーを考える際にアドバイスをしてくれたつちくれ氏、2日目実況をしてくれたハシカン先生、他にも応援していただいた他地区の人々に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。今回の敗因はやはり私が初戦で負けたことだ。確定2勝のうちの1勝をここで落としてしまい、2-3負けにしてしまった。私の手で西日本出場の機会を落としたことは今後も引きずっていくと思う。戦犯は私であると最大限認めた上で、全勝したK木以外のレギュラーにもっと勝ってほしかったのも事実だ。私が実力を過信していたのか、大会で勝てなければ意味がない。戦力を高く見積もってオーダーを考えていたようだ、もっと冷静に判断しなければいけなかった。一応秋大会もあるが、四、五段以上クラスを7枚揃えられる九大に九州地区内で対抗できるところはどこにもない。来年の春のために高い順位で終わらせることが目標になりそうだ。私は4年なので来年の春大会には(多分)出れないが、私の後輩で実力も同じくらいの学将使くんが長大に来るはずなので私の穴は埋まるはずだ。そうなるとやはり長大の課題は変わらない、誰が3勝目を取るか。九大を倒すには春しかないと思っている。レギュラーの成長を期待している。
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