働く上で必要な能力は臨床技術ではない
こんにちは。人の可能性を引き出すPTのKaiです。
もう3月が終わりそうになっていますね。桜の蕾が膨れてきて暖かくなってきたな〜と思ったら、冷たい雨で寒さが舞い戻ったりとして。早く春来ーーーい!!と叫びたくなりますw
今日は第57回理学療法士国家試験合格発表の日です。受験された方は待ち遠しい時間だったと思います。私も自己採点では超えていたものの、合格発表を見るまではドキドキしていたことを覚えています。
合格された方々、おめでとうございます。
4月から理学療法士として働ける喜びと期待と不安が入り混じったことだと思います。依然としてコロナ渦であるため先行きの見通しが立たない状態が続いています。予定していた実習ができなかったりした学生もいたかと思います。十分に実習で患者さんに関わることができず、この先やっていけるのか?自分のスキル(評価方法や思考方法)はある程度身についたのか?など不安要素は出てくると思います。
しかし、働く上では臨床スキルはそこまで重要ではないです(いや、大事ですが。。。どっち?w)。臨床で求められる能力は下の図のようになると思います。
それぞれは
・スキル(評価・治療)
・臨床推論(統合と解釈・考察)
・ビジネススキル(コンプライアンス・接遇・カウンセリング・マネジメント・コミュニケーション・リーダーシップなど)
のようにまとめることができます。我々は対人援助職であるため、患者orクライアントとコミュニケーションを取ることが必須になりますよね?コミュニケーションが取れないのにスキル(評価・治療)ばかりを高めることしても本質(Needs)にたどり着けない可能性が出てきます。大多数の方がどこかの組織に属する形(就職)だと思いますが、このビジネススキルの分野をまずは身につけるといいと思います。
4月から新社会人となる皆さんにとっては好都合だからです。
理由としては、
・4月入職者への研修に手厚い(多くの組織が4月入職・転職者向けへ集合型研修などを組み込んでいる)
・学生から社会人へのマインドセットが行われる時期
などが挙げられます。一つ目は大きい組織では特に力を入れているところです。組織の力になってもらうため様々な研修が組み込まれています。二つ目がマインドセットです。学生という枠組みから社会人としての枠組みに移ります。社会人=プロフェッショナルという認識です。プロになるという意識が持てるかどうかはこの入職時の影響が大きいと思います。
4月から新入職が数名いますが、プリセプターをお願いしている部下に作った人材育成の資料の中に下記の図があります。指導する上ではこれらの能力が必要だからです。
ここでの各項目の定義は
・カウンセリング能力・・・問題点を聞き出す能力
・ティーチング能力・・・情報を伝える能力
・コーチング能力・・・答えを導き出す能力
・マネジメント能力・・・目標達成のサポート力
・リーダーシップ能力・・・目標に突き進む能力
としています。これらを活用すると人材育成はもちろん患者orクライアントへの臨床へ応用することができます。例えば患者orクライアントが「何に困っているのか?何を叶えたいのか?」など抱えている問題・不安点を聞き出すこと(カウンセリング能力)ができないと、目標設定することができません(リーダーシップ能力)。また目標が定まらないためどのように進めていけばいいかわかりません(マネジメント能力)。
またいくらスキル(評価・治療)や臨床推論が優れていも口頭or文章で相手に伝えることができない(ティーチング能力)と意味がありません。組織では様々な職種の人が働いています。その人達に共通言語で伝えることができないといけません。
以上のようにこれらを理解して使えるようにならないといけません。私たちは治療家思考が強いため、ついスキルや臨床推論に目が行きがちです。ですがそれ以前に私たちは社会人(ビジネスパーソン)です。社会人としての基本的能力を身につける必要があります。専門学校や大学といったところでは教わることも少ないと思います。
新年度になる直前ですが、何かの足しになればと思います。おしまい。