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2023年10月

読んだ本の数:4冊

■地獄絵ARTBOX
加須屋誠/講談社

「地獄に堕ちろ」といわれたこの著者、いったいなにしたのか気になる序文から始まる一冊。
各作品の成立当時は、人間が痛め付けられる様、身体が朽ちてゆく様は、かなり身近にあったのだろうと想像させる迫真の描写の数々だ。人を痛め付けることへの人の想像(創造)力の豊かさにもおののく。舌を引っ張り出して杭で打ち付けるとか…行灯の芯で竹の根を掘らせるとか…いやー!国宝『地獄草子』は獄卒の貌がとにかくよい。老女は戯画化されがちでちくっとすることを含めて。
読了日:10月07日


■イスラエルを知るための62章【第2版】
立山良司(編著)/明石書店

現状をみるためのヒントがほしくて取り急ぎ。I、II、V、VIII、IXを。理屈がいろいろあっても、それを越えて今のもろもろは違うと思う。
文化面の章を読んだら、もっと、なんでだよ!となる気がしている。
読了日:10月13日 


■変な家
雨穴/飛鳥新社

えらくあっさりしたもんだな、という印象。とんとん拍子に解決していって、どうも物足りない。創作だからそれはそうなんだけど、全体に都合がよすぎるなというか。物語のアイテムとしての不条理はあるのだけれど、読み手がそこに巻き込まれるわけではないし、なんというか「ふーん」といっているうちに終わってしまった。
読了日:10月21日


■尾崎翠集成〈下〉
尾崎翠/ちくま文庫

作者の一生を、年表でみて知っているから苦しい。彼女の世界を格納するには、時代の枠が窮屈そうだ。
読了日:10月30日


『地獄絵』では暢気なことをいってたのに、自分の目に直接見えないだけで、ある。ずっとあった。

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