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『ダリとガラ』をみました

ガラに捧げるうた
あなたはいったい誰だった?
なにを喜び、なにに満足できなかった?
大事にしていたものはある?それはなに?
わたしはただ、あなたの孤独の正体を知りたくて
○○のガラ、○○とガラ、ではないガラを知りたくて
ダリや、エリュアールや、そのほかのシュルレアリストや、ダリのパトロンの目から見たあなたではなく
女神でも悪女でもない
あなた自身が見ていたあなたはどんな姿をしていたのか
ぽつぽつとでいい
聞かせてほしい

8人のダリのうた
ひとりふたりさんにんのダリ
よにんごにんろくにんのダリ
しちにんはちにん全員がダリ
1×8か
1/8か
サルヴァドール・ダリはひとりだけどひとりじゃない

OFFICE SIKA PRODUCE ダリとガラ
男性演者が全員ダリを、女性キャストが全員ガラを演じて紡がれるダリの一代記。「と」のわりにダリの比重がたかくて、それは仕方ないことだよなと思いつつも、やはり、もっとガラを!だ。
誰よりも早くこの目で観たくていった初日。終演後しばし席から立てないくらいのエネルギーを受取る。ぼろぼろになった感情を立て直すのに時間が必要で、帰りの電車を乗り継いでもまだ不安定で、困っちゃったなあ。
近い時期に読んでいた分人理論を手掛かりに考えていたけど、いま振り返るとちょっと違うか。このダリは、相対する人によって姿を変えるわけではないものね。
初日と東京楽(とその間)をみてうあーとなったのが、床。一面に貼られた布(?)にどんどん味がついていくのが見えてすごいけどどきどきした。

雷太さん:あ。すごい。役者なんだ。と思った。ハイレベルの技をたくさん持ってて、みてる人間を興奮させる力のあることはもうわかっていたけど、お芝居の観点からどういう評価でみたらいいか定まっていなくて。いろいろ杞憂だった。これからも信頼して観る。
北野日奈子さん:華奢だねえ。雷太ダリと並んだ時の見た目の対比がよかったわ。
三浦海里さん:存じ上げなかったけど一気に存じ上げた。別の舞台で観る機会あるといいな。
鷺沼恵美子さん:私の知ってるガラのイメージにいちばん近いキャストだなが一つ目で、カラコン一つでだいぶイメージ変わるなが二つ目で、母の死のシーン美しいなが三つ目。
島田惇平さん:放出系。あるものぜんぶ吐き出せ放り出せ絞り出せみたいなお芝居。最終的に体液までぼたぼたしてて命削ってるのかと思った。
久保田武人さん:キュートですね。チャーミングですね。夢想家の純粋さと生真面目さが端々にみえて、中身がにじみ出てるのかなーと思ったり。
須藤茉麻さん:いい感じのおばちゃん風味というか肝っ玉風味があってきゅんとした。
小早川俊輔さん:おしゃれさん。なんとなくフンとしてるとこがよかった。
前川ゆうさん:バスタブでコーヒーをかぶるシーンが焼き付いている。
若月海里さん:名もなき恋人みたいな役はなにを手がかりに生むのかな。
山形匠さん:エルンストがめちゃくちゃよかった。初日は全く気付かなかったけど、二度目にびっくりするほどひきつけられた。
田邉成虎さん:これが俳優デビューだとか。すごく堂々として迫力あったし、おそろしいな。たのしみですね。
飛香まいさん:かわいい。フレッシュさん。水色水玉。幼い雰囲気をかもしつつきっちりFemme Fataleであった。
佐々木ありささん:かわいい。透明感さん。嵐の塔のシーンとラスト見事。