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2021年7月
2021年7月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
■山月記
【再読】急に読みたくなって、音読。
何者かになれるかもとおもってた高校生の自分には退屈で眠いだけの作品だったのに、今や李徴のきもちがよくわかる大人になってしまった。さいごまでカッコつけちゃう李徴のダサさとでもほかに道があるか!?という逆ギレ感も。
舟をこぐ生徒が続出するなか、めげずにやたら力の入った授業をしたあの現国教諭は、もしかしてわたしたちのこんな将来を見越していたのか。
音読はカラオケに似た、それ以上のストレス解消効果があるかも(個人の感想です)。
読了日:07月01日 著者:中島 敦
https://bookmeter.com/books/5595292
■ムーミンパパ海へいく (講談社文庫 や 16-7)
【再読】いま、とても灯台守に興味があって。拾い読みしながらすすんで最終二章をじっくりと。ママのホームシックがどうにも痛々しい。
読了日:07月03日 著者:トーベ・ヤンソン
https://bookmeter.com/books/402799
■トーベ・ヤンソン短篇集
【再読】島の小屋の中で嵐に翻弄される話があったような……?ピッタリの物は見当たらない。勘違いか混濁か。初読よりも書いてある世界に馴染めるみたい。
読了日:07月03日 著者:トーベ・ヤンソン
https://bookmeter.com/books/482833
■小さなトロールと大きな洪水 (講談社 青い鳥文庫)
【再読】ムーミントロールがお腹壊すまでのくだりが念入りだ。チョコレートの挿絵に『FAZER』の文字を発見してわあ!と歓声。
FAZERの唐辛子入りのと、カカオニブ入りの板チョコが天にも昇る美味しさだったことを思い出した。フィンランド行きたいねえ。
読了日:07月04日 著者:トーベ ヤンソン
https://bookmeter.com/books/436647
■続 日本の小さな本屋さん
本屋と一口にいうが、あってないようなくくりだ。鵺みたいな商売なんだなーという発見。
取材者の好みが影響してるとは思うけど、アートよりの書籍に力をいれているお店が多い印象。そして高松は豊潤。なんでだ。取材と編集のタイミングも関係あるのか。
自分のおもう本屋ってどんな姿だったっけ?と改めて考えてみるとびっくりするくらいぼんやりしていた。
本屋、あこがれるよね。自分が店をもったら取り揃えたいレーベルはだいたい決まっているの。
読了日:07月04日 著者:和氣正幸
https://bookmeter.com/books/16828936
■恋する日本史
恋という極めて個人的な範疇のテーマが、歴史にどこまでからめるのか。実際、個別事象すぎてここから「歴史」には展開しないなという小論もあった。でも、読み物としてはそういったものの方が抜群におもしろいんだよね~。44頁にあるように『その時代の可能性と限界の中でしか存在しえない』というのは端的で鋭い指摘だとおもう。LGBTQ の件もまさにそうで、2021年現在の定義・目線で数百年数千年まえの「見た目上似ている事象」を扱おうとしても読み間違えるだけだろう。
有栖川宮家の密通騒動は、これはもう恋というか特殊性癖!すごい!
読了日:07月10日 著者:
https://bookmeter.com/books/17410078
■ミステリと言う勿れ(9) (フラワーコミックスα)
なにやらキーパーソン登場。
読了日:07月11日 著者:田村由美
https://bookmeter.com/books/18276069
■高丘親王航海記 III (ビームコミックス)
切ないような焦燥感のようなこの晴れないきもち。
画になると文章とはまた異なる部分をくすぐられる。
読了日:07月11日 著者:近藤 ようこ
https://bookmeter.com/books/17845946
■ヰタ・セクスアリス (新潮文庫)
【再読】先に読んだ本に、Qとしての可能性について示唆されており、しかし内容を全く覚えておらず引っ張り出す。たしかに~。硬派にも軟派にも染まら(れ)ず、自身はどういうことなのかと浮遊する姿がそれらしい。ただし、Qという定義も意識もない「限界と可能性のなか」で、悩んだりつまはじきにされたりという描写はかえって薄い。ここでいう「硬派」はGとはちがう。むしろ対極にあるもののように見える。変形ホモソーシャル。
読了日:07月12日 著者:森 鴎外
https://bookmeter.com/books/575755
■お弁当サンド
この方のレシピ本が好きなのは、ものがたりを感じるから。お洒落にまちがいないんだけど「どこかのくにのどこかのおばあちゃんがつくってくれた思い出の味」のような鄙の空気がある。そこでわたしは、「これは灯台の魔女が、きょうだいが訪ねてきたとき、帰りぎわに必ず持たせるサンドイッチ」などと空想をたくましくし、自分の世界に引っ張り込むのだ。実際つくればもちろん美味。
読了日:07月18日 著者:若山 曜子
https://bookmeter.com/books/16482134
■聊斎志異 (光文社古典新訳文庫)
異類婚姻譚は大好物。ふしぎなお話としての面白さはもちろんだけど、明末~清朝の特に婚姻や家の習俗が反映されている(らしい)のがとても興味深かった。ローティーンで結婚して、当然のように妾を買い。妾の存在と立場は、側室や第二夫人とか言うのとはちょっと違うみたい。旦那様の愛玩対象であると同時に、奥様の話し相手で下女で…というあたりを下敷きにして、不思議ながらもどのはなしにもある程度決まったパターンがある。美女と見るやむしゃぶりつく男ども、どうなんだ!?と苦笑い。そしてなかなかの割合でスプラッター。人間の女はほとんど出てこない。
読了日:07月25日 著者:蒲松齢
https://bookmeter.com/books/17526871
■灯台守の話 (白水Uブックス175)
海風と波の飛沫を肌に感じるようだった。物語がある限り、生きてゆく。
灯台とはぐれ者はよく似合うなあ。
ところで、よかった~と思うものほど感想はかけなくなるね。
読了日:07月27日 著者:ジャネット ウィンターソン
https://bookmeter.com/books/3843110
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