記憶に残ってる験6(金縛り2•恐怖体験?)
金縛りには慣れた
金縛りが一旦落ち着いた頃、高校生になっていた私。
学校の授業について行けなくなってきた事と、姉との仲がギクシャクしてきた事のストレスから、心霊的なものでない金縛りに遭う様になり、ある意味『金縛り慣れ』になっていた。
今回は何か違う
心霊的でない金縛りの場合、『体に力が入らない状態で目が覚める』ので、動かそうとしても力が入らない。
そこからゆっくりと体が覚醒していき、動かせる部分が増えていく…。
だが今回は全く違った。
最初に、足の裏からガスのような物が入り込んでくる感覚があって目が覚める。
そのガスは足首→ふくらはぎ→膝→もも→腰→横腹→内臓→肺→肩の順に入り込んできた。
いつもとは違うが、金縛りが解けるまで大人しくしていようとじっとしていた。
そこで更にいつもと違う事が起こる。
ガシッ!
いきなり誰かに両足首を掴まれた。
もちろん部屋には自分以外いるはずも無い。
ん?もう一人いる?
足首を掴まれたままだが、別の一人が足の方から這いずって来ている感じ?音がする。
今足首を掴んでいるやつの上を通り越して、そいつは私の頭の方まで這いずって来た。
そいつは両手首を掴んで押さえつけてきた。
寝ている間に、両手は『お手上げ』のような状態で頭の方に上がっていた。
そこをそいつに掴まれたのだ。
二人がかりで組伏せられた状態。
そんな状態だった。
背筋が凍る
両手首を押さえつけているそいつは、おもむろに顔を近づけてきた。
鼻先まで近づいた(と感じた)と思ったら、
ニヤリ
と口を広げ、
わハハハハハハハハッ
と笑ったのだ。
耳で聞いたのか怪しいところだが、
笑い声は
確かに
聞こえた。
元々ビビりな私は、目を開けることができなかった。
だから相手の姿形を見てはいない。
そいつが何者なのか、どんな姿でどんな表情をしていたかなんてものは、あくまで私が感じた『気配』でしかない。
だがしかし、掴まれた両手足の感触、狂ったような笑い声は、紛れもなく自分の肌と耳で感じたのだと確信を持って言える。
そして、その笑い声は狂気に悪意に満ちていた事も…。
そして奴らは消えていった。
笑終わって、奴らは消えた。
出てきた所に戻るでもなく、別の所へ行くでもなく、
唐突に消えた。
私に向けた狂気と悪意を残して…。
金縛りは解けていたのに、しばらく動けなかった。
『背中に冷水を浴びせられた』
という言葉をこの時初めて理解した。
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