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【ゼミ活動#04】インクルーシブデザインアイデアソン2024に参加してきました!
こんにちは!Kaishi Inclusive Design Labのりょうすけです!
今回は9月に私たちのゼミのとても重要なイベント、ゼミ東京合宿行ってきたのでその活動記録になります!
西川昌宏先生が理事長を務める"特定非営利活動法人インクルーシブデザインネットワーク"が主催の「インクルーシブデザインアイデアソン2024」にゼミ生全員で参加してきました。
会場は東京都江東区にある"芝浦工業大学 豊洲キャンパス"で行いました。
はじめに
このアイデアソンでは、全6チームに分かれそれぞれリードユーザーと呼ばれる障がいのある人と共に、各リードユーザーが持っている希望を叶えるべく3日間フィールドワークからディスカッションをしてきました。
私たちゼミ生はそれぞれ各チームに分かれ参加しました。
Aチーム
リードユーザー:バイク事故によって左半身麻痺、記憶障害、視野狭窄となってしまった方。普段は杖をついて生活している。
テーマ:100%楽しめる一人旅をしたい!
ゼミ生:りゅー
Bチーム
リードユーザー:緑内障により後天的に全盲になってしまい、現在白杖を使って生活している方
テーマ:自分で料理を作ってみたい
ゼミ生:こうが
Cチーム
リードユーザー:生まれつき先天性骨形成不全症を持っていて車いすで生活している方
テーマ:料理を眺めながら楽しみたい!
ゼミ生:りょうすけ
Dチーム
リードユーザー:背骨が曲がる病気と時間と共に筋力が低下していく病気があり、電動車いすを使用している方
テーマ:心身の充電スポット
ゼミ生:だいご
Eチーム
リードユーザー:海の事故で脊椎損傷となってしまい、現在、杖と車いすを使って生活している方
テーマ:14の困りごと
ゼミ生:えみちゃん
Fチーム
リードユーザー:聴覚障がいがある方
テーマ:美術館・博物館を友達と楽しみたい!
(このチームはうちのゼミ生がいませんでした)
アイデアソンの3日間
1日目 【Field research】
まずは、みんな集まり開会式と概要説明がされました
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開会式の後にこのインクルーシブデザインアイデアソンについての説明がされました。
生活においてバリアがある方(リードユーザー)と一緒に、フィールドワークやディスカッションを行う3日間
実は日本の人口全体の42%は何らかの理由で生活においてバリアがある人なんです。
インクルーシブデザインとはそんな人たちも巻き込んでいく手法です。
それを踏まえて、リードユーザーの方達と私たちとが3日間一緒に取り組んできました。
"For User"ではなく"With User"なデザインをする
ユーザーのためにデザインするのではなく、ユーザーと一緒にデザインをするといった形で進めました。
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その後チームが発表され、各チームに分かれました。
チームでの顔合わせをし、リードユーザーが抱える課題のテーマを踏まえてどこにフィールドワーク行こうかチームのメンバーで話し合い、その後フィールドワークに向かいました。
その日は最高気温が33℃でものすごく暑かったです🥵
私のチームは豊洲からゆりかもめに乗り有明ガーデンに行ってきました!
リードユーザーの希望が、「料理を眺めながら楽しみたい!」だったのでいろんな料理が見えるといいかなとチームのみんなで考え、有明ガーデンのフードコートでお昼ご飯を食べました。
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リードユーザーはお蕎麦を選んだのですが、やはり座高が低いので決済の際など顔や腕を上げなきゃいけないのが大変そうでした
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午後には芝浦工業大学に戻り、フィールドワークでの気づきなどのまとめをしました。
そこで、今回のアイデアソンで自分たちのチームが大切にしたいことや気持ちなど含めてポストイット形式で書き出しました。
3日間しかないので、この1日目の段階でどのシーンに向けたものにするのかというところまで話進めました。
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2日目 【Design】
2日目は1日目に考えたシーンをもとにどのようなストーリーの中にそのシーンがあるのかなどより具体的なシナリオについてディスカッションしました。
その中で、リードユーザーが無意識のうちに諦めてしまっている潜在的なニーズがあるのではないかと考え、リードユーザーは「実は◯◯なんじゃないか」といった真の欲求を探し求めました。
もう次の日が最終日で、発表しなきゃいけないのであまり時間がなくチーム内でひたすらアイデアだしと議論を繰り返してました。
夕方までは、ストーリー性であったり見る視覚だけではなく、他の五感で料理を楽しむ方法はないかと考え続けました。
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その後議論を重ねて、結局やっぱり視覚で楽しみたい。という結論に至り、実際に視覚で楽しめるアイデアをみんなで出しました。
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この2日目の最後には、チームのアイデアをまとめて照明と鏡を組み合わせて座高が低くても鏡が頭上にあることで上から料理をみた時と同じ景色が見れるのではないかと考えました。
このタイミングが、本当に周りのデザイナーの皆さんのアイデアが凄くて、ずっとワクワクしていました(笑)
絵もわかりやすくて、そもそものアイデアも面白いものだらけで
そこで学生と社会人の差を感じて、別に凹むとかではなくこのすごい人たちと一緒にアイデアソンの同じチームとして参加できているのが、とても嬉しかったというか楽しかったです。笑
3日目 【Presentation】
とうとう最終日です。
本当にあっという間でした。といってもまだ終わったわけではなくここから最終発表に向けて最後の詰めをしないとです!笑
私たちのチームは、自分たちが考えたアイデアのモックアップを作るために前日帰り際にホームセンターに行き材料を用意しました。
この日の朝からモックアップの制作含め、チーム内で役割分担をして最終発表の準備を進めました。
アイデアが照明×鏡なのでまずは鏡面をどうしようかというところ
モックアップ制作チームは早々にプラスチックダンボールを使用し、作業に取り掛かっていました。
細かくカッターで傷つけることにより、曲がるようになっている。すごい。
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こちらは資料作成チームとワクワク創出チームの様子です
ひたすら机に向かい作業を進めていました。
私は資料作成チームで、自分の得意な写真を厳選したり、編集したりなどをやってました。
デザイナー的な思考や技術はなかったので、もっとも自分が得意なところで少しでも役に立てるように作業してました。
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成果
そして私たちのチームで最終的に出来上がったのが、「tomoni」です
照明と鏡を組み合わせることで、照明として使用しつつ鏡面になっているので料理がよく見える👀
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鏡面を利用して、今までではなかったような視点でコミュニケーションを取ることができる。
このスマホで撮影している角度も今までになくて面白いですよね☺️
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アイデアソンが終わった後、同じチームのみんなで打ち上げにも行きました!
残念ながらリードユーザーとメンターの方は都合が合わず参加できなかったのですが、学生と社会人9人で月島へもんじゃを食べに行ってきました。たった3日間のアイデアソンでしたが、2日前に初めて会ったとは思えないくらい、すっかり打ち解けて楽しい時間を過ごしました。
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ゼミ生のコメント
りょうすけ
「3日間のアイデアソン、本当に楽しくて学びがいっぱいでした!実際始まる前、去年のゼミの先輩から話を聞いて期待してましたが、かなり不安もありました。特に参加者のほとんどが社会人で、デザイナーとして働いてるって聞いてたので、『自分は何ができるんだろう…』って。だけど、始まると不安を感じながらも、大学とは全然違う環境で新しい刺激を受けて、ワクワクが止まらなかったです。
特に、チームのメンバーが最高でした。リードユーザー1人、学生が自分と芝浦工業大学の3年生2人、社会人デザイナー6人、そしてインクルーシブデザインネットワークの会員のメンター1人という構成で、全員で11人。みんなのアイデアやスキルのレベルの高さに圧倒されつつも、お互いに議論など重ねて進めることで、とても刺激的な時間を過ごせて貴重な経験となりました。
この3日間のアイデアソンで学んだことも大きいけど、それ以上人とのつながりを築けたのが幸せでした。
大学生活の中で間違いなく1番の濃い経験になりました。」
りゅー
「本当にたくさん刺激をもらいました。
私個人的にはリードユーザー様から得た気づきも大変貴重でしたが
僕たちと同様に参加していたデザイナーの皆様が本当にすごすぎて驚きでした。
言語化能力がめちゃくちゃに高いのと発表がうますぎる。。。
さらにチームマネジメント能力も高く、私自身置いていかれることもなく一緒にみんなで走り抜けることができました。
さすがはプロ。学ぶものがたくさんたくさんあった三日間でした!!」
だいご
「電動車いすの波子さんとフィールドワークに向かいましたが、驚くことが沢山ありました。
数cmの段差が登れないことがある。などの自分の想定外の困り事が多く、実体験の重要性を体験することができました。
社会人の方達と共同でプロジェクトを進めることができたのも本当に良い経験になりました。
三日間という短い期間でのプランニングや与えられたポジションでの立ち振る舞いなど、多くの事を学習することができました。
学習するだけでなく、自分が貢献することができるタスクを用意していただけたのはとても嬉しかったです。」
こうが
「今回のアイデアソンでは貴重な知識や経験を得ることが出来ました。
話を聞くだけでなく、ユーザーの方と体験を共にし、コミュニケーションをとりながら取り組むことで、多くの学びがありました。
また、チームの皆さんにもマネジメント能力やスピード感のあるプロセス、そしてそれぞれ異なった視点や考え方など、驚かされる事ばかりでした。
自分の未熟さを感じつつも成長に繋がるとても刺激的な濃い3日間でした!」
えみちゃん
「今回のアイデアソンは今までに無い経験をすることができました。
プロフェッショナル揃いで、皆さんそれぞれの意見ややり方を持っていて、とても参考になりました。また、発言は少ないが、話し合いで出た内容をきめ細かにまとめてくれる、縁の下の力持ちの役の人にも、進行をする上で視野の広さというものにも気づかされました。
プロジェクトを取り組む中で、授業でやったものの用語が出てきたり、実際にやったことのある製品の形とサイズ感を決めてのプロトタイプの作成、ジャーニーマップの作成で、どんな状況で必要とされているのかの書き出しも任され、今までのデザインシンキングの授業の内容も活かすことができました。
一連のプロセスを経験できたこの、貴重なイベントに参加できたことは私にとって、多くの学びと多くの成長ができました。」
おわりに
実はこの3日間私たちゼミ生はリードユーザーの方たちと泊まってたホテルが一緒だったので、毎朝ホテルから会場の芝浦工業大学まで一緒に移動していました。
このおかげでチームが違うリードユーザーの方ともコミュニケーションを交わすことができました、また毎朝行動を共にすることで気づけることもたくさんありました。
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本当にこの東京合宿では、自分を含めゼミ生全員が貴重な経験を得ることができたと思います。
これから社会人になるにあたって、今回のアイデアソンで得た知識やスキルはもちろん、チームワークやコミュニケーションの大切さを改めて実感しました。
何より、たくさんの素晴らしい人たちと出会えたことが大きな収穫でした。このつながりを大切にしながら、これからも成長していきたいです。
最後に、この貴重な機会を提供してくださった主催の"特定非営利活動法人インクルーシブデザインネットワーク"さま、
そして会場を提供してくださった"芝浦工業大学"さまに心より感謝申し上げます。
備品等も用意していただき、快適な環境で充実した時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました!