社会人1年目の君へ
さて、君に何から話し始めようか?
今の僕のポジション?今やっている仕事?それともどんな家庭を築いているかかな?
うん。知っている。君は大してそんなことに興味はないね。なるようになっているだろうと思っているだろ?その通り。なるようにしかなってない。
だから、今の僕がどんな状況にあるのかなんて話にほとんど意味がないのは同感だ。だからやめよう。なかなか面白いことにはなってるんだけど、それは実際体験してのお楽しみにしておくといいよ。
じゃぁ、何のために筆をとったのかだって?
知らないよそんなこと。面白そうなテーマを見かけたから、何か書いてみようと思っただけだよ。そもそも、面白そうなら、首を突っ込まずにはいられない。そういうキャラクターだろ僕たちは。
さて君は今、一般に「社会人」と呼ばれるステータスを手に入れたわけだ。気分はどうだい?ワクワクしてる?それとも不安な気持ち?あるいは社会的地位を手に入れて一安心?
うん。そりゃそうだ。とりあえず目の前にある課題を乗り越えるのが優先で、まだ自分の気持ちを振り返ってる余裕はないよね。
実はね、今だから言えるけど今君は自分の能力がどう評価されるか、どんな素晴らしい仕事ができるか、かなりハイテンションになっている。自分の能力を過信して、自分はなんかすごいことができるはずだって信じてる。
それこそ、入社数か月程度で、上司に企画書を提出するぐらいにはね。なかなかすごいことするじゃないか君。
いやいや。勘違いしないでよ。君よりいくらか年取ったからといって、若者の勇み足を冷ややかに批判するほど、僕は枯れてないって。むしろGood Jobだと思っている。それができるのが君のいいところだ。
良くも悪くも自分を信じて、良いと思ったことは発信せずにいられない。いいよ!もっともっとやったらいい!っていうかやれ!(笑)
たぶんというか、確実にこれから君はたくさんの失敗を重ねるだろう。その失敗を通じて成長するときもあるし、成長しないときもある。でも、結果が成功にしろ、失敗しろ、行動しないと成長なんてない。だから思うようにやったほうがお得だよ。
君が本当に良いと思えるものを良いと思える形で発信する限り、それを認めてくれる人は絶対いる。分かってないとか、常識はずれだとか、まぁそんな意見は置いておけ。もちろんそれが正当性があると思ったら、ちゃんと耳を傾けて、取り込む努力をすること。知ってるとは思うけど。
一つ、君の年頃に先輩に言われて未だに忘れられない言葉がある。今となってはすっごい当たり前のことなんだけど、「それってお客さんのためになるの?」だ。これ、結構重要な視点だぜ?
僕らはついつい良いものを追求する気質にある。それは基本的にいいことだし、それ自体は自信をもっていい。でも、自己満足で終わるようじゃだめだ。受け手が何を求めているかを読み取り、そこに対して最適解を返す意識が生まれたとき、仕事は倍以上楽しくなるよ。信じられないかもしれないけど、これはホント。
なにせ、相手が求めることを叶えつつ、こっちが伝えたいことをしっかり盛り込むんだ。向こうの満足を得ながらも、自分が届けたいメッセージはしっかり伝える。最高だろ?そういうの好きだろ君。
そしてそれは、実は僕らがやりたい、成し遂げたいところに通じる道なんだ。だってさ、僕らは絶対的な信念があるわけじゃないよね。具体的にこれを成し遂げないと死ねないなんて思っている何かがあるわけじゃない。
え?そんなことない?自分にだって成したいことはたくさんある?
うん。そうだね。でも考えてみてよ。それはOriginal、Only oneになりたいということかい?じゃぁなぜフロントの仕事ではなく、バックヤードの仕事を目指したのかな?
僕らがやりたいことは、決して自分自身がスポットライトの真ん中に行くことじゃない。それこそお客さんだとか、次の世代で想いをくすぶらせている人たちを、舞台の上に登らせることじゃないかい?
そう。役者のために、役者にも観客にも自然に階段を用意するのが僕ら選んだ仕事さ。
少なくとも僕はそんな風に働いてきた。そしてそれに誇りを持っている。きっと僕らが作る、作ってきたものが届いて、一歩先に進めた人たちだっている。だから、君は君を肯定していい。君のすること、作っていくものは誰かのもとに届き、誰かの可能性を広げるんだ。絶対に。
さぁ、いい加減長くなってきて、僕も疲れてきた。そろそろまとめにはいるべきタイミングかな?
といっても別に君のやりたいように、やりたいことをやればいいと思っているから、いまさら特に伝えたいこともないんだけど。
じゃぁ、なんでこんなに長々と書いたんだって?何度も言わせるなよ。面白そうだったからだよ。他に理由が必要か?そうだろ?
まぁ、あえて言うことがあるならだ。これだけは伝えておこうか。
これから先、君がどんな選択をしようが、どんな行動をしようが、少なくとも僕はそれを全肯定する。だって、君がその選択、行動をしてくれたおかげで今の僕があるのだから。そして、幸せなことに僕は今の僕が大好きなんだ。君のおかげだよ。ありがとう。
だからさ、思うがままに、自分が自分らしく生きられるように、毎日をおもしろおかしく生きてくれよ?それこそが僕たちのアイデンティティだろ?
社会人1年目だから?新人のくせに?知らんよそんなこと。だって、自分がやりたいことをカタチにするために社会に飛び込んだんだろ?だったら、そこは貫き通そうぜ。
外野が騒いだところで、僕らの目指すところは揺らがないさ。
ま、なんにせよ、なるようにしかならないし、どんなことになっても楽しめるのが君だろ?大丈夫!
僕らの人生は、きっと誰よりも面白い!