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福岡講演レポート

初めての地方での講演を2019年7月21日に福岡で開催しました。台風が直撃し、大雨が降っていた中、なんと70名を越す方々に集まっていただきました。ウガンダを訪れた高校生の体験談や有識者の方々からのお話、そしてディスカッションなどを行い有意義な時間になりました。

本記事では、高校生が難民問題に向き合った4時間をレポートします。

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村川さん ー 自分にとっての幸せとは ー

K-Diffusionors は「未来を担う一人一人を当事者に」を理念として活動しています。そもそも難民問題は少子高齢化問題などとくらべると、身近な問題ではありません。だからこそ、私たちはいかに身近でないことを自分ごとに出来るかが大事だと考えています。

ウガンダに渡航するにあたり、大変だったことが大きく3つありました。まず1つ目は world vision japan との交渉です。2つ目は遠いアフリカの地に行くこと。そして、特に大変だったのは、エボラ出血熱が当時発生していたアフリカに行くにあたり、学校の協力を得ることでした。(KDの後輩に向けて)皆さんもこれから学校の協力を得なくてはいけない場面があると思いますが、挑戦し続けること。さらに、人からもらったアドバイスを吸収することを忘れないで欲しいです。
現代の都会化した日本ではインフラ設備は整い、日々の食事に困ることはなく、物で溢れかえっています。しかし、人々は極力他人とは関係を持とうとせず、人との繋がりは希薄です。それに比べて日本とは対照的に、物資は不足しており貧しい暮らしを送っているウガンダでは街を歩いていても握手をしてくれたり、手を振ってくれたりなど、人々が友好的に接してくれ、日本ではあまり感じられない人間味や温かみを感じました。人間味を失いつつある、現代の社会において、自分にとっての幸せとは何なのかをもう一度見つめなおしてほしいです。

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平沼さん ー 主体的な行動 ー

私はウガンダに行った時の、南スーダン人の17歳の少女の話が特に印象に残っています。彼女はマラリアにかかり、さらに合併症でポリオになった経験から将来医者になりたいと語っていました。一般的には難民であるうえに重病にかかった彼女に同情したり、可哀そうだと否定的なイメージをもってしまいがちです。しかしながら、私たちの想像とは反対に彼女は病気や難病になったからこそ、他人の気持ちが良く分かると前向きに捉えていました。このように私たちはメディアを媒介した情報を得ており、先入観で勝手にネガティブな難民像を築いてしまっているのです。だからこそ、受動的に情報を受けてるのではなく、自ら主体的に行動することが、新しい発見や気づきにつながると思います。

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松田さん ー 考える事の大切さ ー

皆さんはFact Fulnessについて知っていますか?Fact Fulnessとはデータや事実を集め分析して物事を正しく見ることです。皆さんはなぜ難民の人たちがボートを使ってヨーロッパに行くのか知っていますか?なぜ飛行機を使わないのか知っていますか?それは金銭的余裕がないからでも航空までいけないからでもありません。ビザの有無で難民か否かを判断するというEU指令によるものなのです。ビザを得られないと飛行機への登場は止められてしまいます。ほとんどの難民がビザを得られないため、彼らはボートを使わざるをえないのです。シリア難民の命を奪っているのはEU指令によるものであるとも言えるのです。これは事実の一例です。皆さんも何が事実なのかを考えて行動してください。

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以下、有識者による発表

穂積さん

私たちは難民問題について詳しく知りません。実際に自分たちが良かれと思ってした行動が裏目に出ていることもあるのです。例えば寄付行為です。衣服や文具などを私達が集めたとしても、私達が実際に難民の方々に送るわけではありません。難民問題について活動してる団体に現地に送ってもらいます。この現地に送るという行為にも多額のお金がかかります。さらに、実際に送ったとしてもそれが現地の方のためにならないケースもあります。寄付行為一つとっても、私達が難民問題に無知であるためにこれらの問題が起こってしまっているのです。知ることは第一歩です。皆さんも知ることから始めてください。

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伊沢拓司さん

K-Diffsionorsのすごいところは大きく2つあると思います。まず、1つ目は知に誠実であることです。「知る」ことを大事にしていることは、クイズのように楽しいから始まる学びと共通点が多くあると思います。2つ目は、考える場を提供しているところです。自分たちの意見を押しつけがましく言うのではなく一歩引いて事実のみを提供し、それについて「自分ごと」として、主力的に考える場所を提供しているのです。

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伊勢崎さん

私は最貧国の一つであるシエラレオネに住み、貧しい人々の支援を行っていました。しかし、シエラレオネは不思議なことにダイヤモンドなどの地下物資源に恵まれているのにも関わらず、人々は日々貧しい暮らしを送っています。その理由は、腐敗した政治家にありました。賄賂を受け取り、多国籍企業に安い値段で採掘場を売り渡していたのです。一部の人々が私腹を肥やしていた構造が、大多数の国民を苦しめていたのです。さらに、このことが原因で内戦が起き、無実の市民が殺され、兵士として10代の若者が駆り出されました。このように、店頭に並ぶダイヤモンドは人命などの犠牲を持って産み出されているのです。そのため、難民問題や内戦など自らに関係ない事ではあるが、何も知らずにダイヤモンドを買う事は無責任といえるのではないでしょうか。

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ワークショップ・意見交換

公演の最後にワークショップをおこないました。17個のテーブルを設け、各テーブル1人のファシリテーター(進行者)と4人の参加者で話し合いました。私たち中高校生が難民問題を知る意義とはという難しい問いについて議論を行いました。初めの5分をかけ、緊張をほぐしてもらう目的で自己紹介をし、続いて30分ほどで本題について話し合いました。参加者一人一人が積極的に意見を出し、講演会に参加した人にもKDとして活動している私たちにとっても有意義な時間になりました。また、各グループで話し合った後に全体で意見共有も行い、難民問題を知る意義とは「難民問題についてより自分事になれること」や「実際に行動を起こすための第一歩になること」といった意見が共有できました。

このワークショップ・意見交換を通して、難民問題をより「自分ごと」として捉えてもらえたら、嬉しいです。

最後に

この講演はK-Diffsionors初の地方講演です。この講演をきっかけに今よりも多くの高校生に「知る機会」を提供していきます。また、今後とも講演会やワークショップを開催していく予定です。少しでも興味を持っていただけたならぜひ気軽にご参加ください。


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