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伝えるという社会貢献

皆さんは、社会貢献という言葉や行為にどのようなイメージを持っていますか。

堅苦しい? 自分には縁のないこと?

「学生である私には寄付できるような大金も活かせる経験も乏しいため社会に貢献できることなどないだろう。」
私は以前、社会貢献に対してこのような考えを持っていました。
しかし今は学生だからこそできる貢献のかたちがあると考えています。そのひとつは「伝える」ということです!

「伝える」「伝わる」ということに大きなエネルギーを私は感じます。

昨年の夏、NGO国境なき子どもたちのプログラムで私はカンボジアを訪れました。
カンボジアで生活をしている同年代の子たちと交流を通し友として向き合い、彼らが抱える問題を自分の目で見てきました。
過酷な環境のなか夢をもち懸命にいきる彼らの姿勢を尊敬しました。
一方、支援が届かない環境のなか生活している子どもたちを目の前にして、自分の無力さを感じました。

特にゴミ集積所を訪れたときの衝撃的な体験の記憶は頭から離れません。
目的地に到着するとそこには目を疑うような光景が広がっていました。
広大な敷地に分別されずに、ただただ積み上げられたゴミの山がいくつもあり、燃やしているわけではないのに、あちらこちらから化学反応による煙が上がっていました。
足元を見るとそこには緑や赤の危なげな色の液体でできた水溜まりやガラスの破片が目に留まりました。
トラックが新しいゴミを運んでくると、そのゴミの中から使える物や売れそうな物を求め、沢山の人々が集まり始めました。なかには裸足や上半身裸の子どもたちの姿もありました。

集積所の奥には拾ったものを寄せ集めて作った家がありました。扉や窓はなく大雨が降ると水浸しになっめ壊れてしまいそうな家です。
その家で大勢の家族と暮らしているラタナーという当時14歳の少女と出会い仲良くなりました。
彼女は5年前まで小学校に通っていたそうです。しかし、弟が産まれたことをきっかけに家計を支えるため学校に通えなくなり、日中はゴミ山で働くことになりました。「朝と昼はゴミ山で働いて、夜は弟たちのお世話をしているの。 でも…また学校に通いたい、勉強が好きなの。もし叶うのなら学校の先生になりたい。」そう彼女は話してくれました。1日中働いても彼女の収入は日給2.5ドル、私たちがゴミ山を訪れるために買った長靴は1人分で3ドルでした。 そんな過酷な生活の中でひたむきに生きる彼女のために私ができることはなんだろうか。そう考えるようになりました。

しかし、結局なにもできない悔しさを感じたまま帰国し「カンボジアで出会った友達のためにできることは私にはない」という苦しさが消えることはなく落ち込んでいました。すると「直接彼女たちと出会い、話してきたあなたにしかできないことがきっとあると思う」と声をかけてくださった方がいました。その方の助言のおかげで私だからこそできることを見つけることが出来ました。

実際にカンボジアを訪れ、出会った人に感じたのはかわいそうという同情ではなく、夢に向かいひたむきに努力をする姿を見習いたいという尊敬でした。このことを日本に暮らす同年代の子たちに伝えたい、そう思うようになりました。

家族や友人に話したり学校の文化祭や母校の小中学校で展示をしたり、学年集会でプレゼンテーションをしたりと色々なかたちで伝えるという活動をしました。また、展示をきっかけに母校の中学校で授業を行う機会をいただきました。国際問題や海外に興味を持っていない子が多く、その子たちにどう伝えたら伝わりやすいのか準備に悪戦苦闘しました。現地の状況がイメージしやすいように工夫し、そこで暮らす子どもたちが抱える問題に対して、より自分ごととして考えてもらえるようにワークショップを行いました。

生徒の子たちは真剣に話を聞いてくれて、積極的に発言をしてくれました。授業が終るとある男の子がこう声をかけてくれました。「いつも勉強などのやらなくてはいけないことに対して、面倒くさいだとか不平不満ばかり言っていたけれど、カンボジアで懸命に生きている子たちを見習って、日常のひとつひとつのことにもっと真剣に向き合いたいと思いました。今日家に帰ったら親にありがとうと伝えようと思います。大切なことに気が付かせてくれてありがとうございます。」彼の言葉を聞いてとても嬉しくなりました。それと同時に、経験や思いは「伝える」「伝わる」という行為を通し行動力というエネルギーとして人から人へと広がっていくものだと気づかされました。

学生である私たちにとって社会に貢献できることは少ないのかもしれません。しかし、ひとりひとりにその人だからこそできること、その人でなければ出来ない事があると私は思っています。
そして、そのことに気が付かせてくださった方々に心から感謝をしてます。

以上。

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