見出し画像

言語の壁

難民キャンプ、受入国での就職時や日常生活で大きく立ちはだかるのが、言語の壁だ。

難民キャンプでは、ボランティアとのコミュニケーションが取りにくいことが少なからず問題になっている。中東、アジアの難民では英語を話せる者は少ないことに加え、ボランティアが必ずしも現地の国の言葉を話せるわけでもない。彼らは、知っている数少ないことばを用いながら、身振り手振りと合わせて意思疎通を図っているそうだ。労力と時間がかかる作業である。

新しい場所での生活に慣れ親しんでいくには、言葉は欠かせない。その国の言語が話せなければ、受け取ることのできる行政サービスの存在にすら気がつかないこともある。そのため、語学研修を受ける人も多い。一方で、資金不足や教員不足が原因で、十分な数の質の良い学習の場が提供されていない国があるのも事実だ。言語の壁が原因で最終的には、就職ができなかった場合は政府の援助からも抜け出せなくなる。こういったことが積み重なれば、彼らは自らが社会の一員であると感じられなくなり、反社会的行為にもつながる可能性も指摘されている。

難民キャンプなどで、異言語を話す人々の間でのコミュニケーションを円滑にするために、次のような取り組みが行われている。一つ目は、フレーズブックだ。キャンプの日常生活で頻繁に使用される言葉が様々な言語に訳され表になっている。ボランティアは表の中から自らの母国語を探して、対応する表現を別の言語で簡単に探すことができる。しかし、問題なのが逆のパターンだ。WorldAtlasによると、南スーダン、アフガニスタン、ソマリア(いずれもUNICEFによると、難民を最も多く出している国の上位5位以内)は2015年現在で識字率が50%以下だ。つまり、仮に手元にフレーズブックがあったとしても、文字が読めなければそれは彼らにとっての役にはたたないのだ。もちろん、ボランティアから難民へ言葉が伝わるだけでも、大きな進歩とはなるだろうが、相互にコミュニケーションが取れることが理想だ。二つ目は、オンラインの通訳システムだ。様々なアプリなどを用いて、世界中にいる人が通訳として援助ができるシステムだ。このシステムの欠点、安定したインターネット環境がないと成り立たないことだ。

難民の語学教育にも、インターネットが利用されているようだ。これは先に述べた、教師不足や資金不足の対策以外にもメリットがある。デジタル語学ツールを利用することで、生徒それぞれのニーズに合わせて学習ができることだ。就きたい職業によって、求められる語学レベルも異なるため一人ひとりが自分の目標を設定して学習できるのは大きな助けになるだろう。

様々な場面で立ちはだかる言語の壁。それが打ち破られる日が来ると願いたい。

参考

以上。

K-Diffusionorsは常にメンバーを募集しています。また、イベントの共催の依頼やアンバサダーの依頼なども受け付けてます。公式のTwitterやInstagramでご連絡ください。

私たちの活動は以下のリンクから知ることができます。

Twitter
https://twitter.com/diffusionors
Instagram
https://www.instagram.com/kaiseidiffusionors/?utm_medium=copy_link
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCfNhtKMihsjRGJIjc5CL5Zw

応援よろしくお願いします。

4代目K-Diffusionors

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?