日々を送る。01“僕と袖に止まった蜂”
なんとなく、日記を付けてみる事にする。
今日は朝から災難だった。
朝、いつもの様に通勤する。
朝と言っても仕事は昼からだから昼前の高速道路。
最近涼しくなった沖縄。車の窓を開け、音楽を聴きながら走っていた。
道路はなんだか渋滞気味、どうやら事故があったらしい。
その先では路肩清掃の車がパイロンを立て作業をしている。通勤時にやめてほしいと思いながらも、昼時なら仕方がないとまた音楽を聴く。
ABBAのDancing Queenが流れた途端、窓からそいつは車内に入ってきた。
そう、スズメバチである。しかも結構でかいやつである。
窓の淵に腕を置き、シャツの袖が風に揺られ心地よく走っていたその時、やつは俺の袖に止まった。
小さい頃から僕は虫が大の苦手で、とにかく嫌な思い出しか無い。
そんな僕の袖に、割とデカいスズメバチが止まった事を想像して欲しい。
そう、あわてぃーはーてぃーを体現した様な状態になってしまう。
蜂に驚きその途端にハンドルを切ってしまい、間違ってアクセルを踏み、路肩清掃のパイロンを一つ倒してしまった。
蜂も慌てたのか僕の頭上を飛び回り、運転席の側面に停まった。
にしてもデカいし、近すぎる。
我に返った僕はハザードランプを焚き、生まれて初めて高速道路で車を停め慌てて外へ出た。
事故処理を終えた交通機動隊のパトカーが僕の挙動を後ろから見ていたのか、すかさず僕の車の前に停まった。
お巡りさんが、どうしたの?と声をかけてきた。
蜂が!慌てた僕が指差しそういうと、お巡りさんが車内を見てケラケラ笑いながら、その蜂を車の外に出してくれた。
パイロンを倒した事に対して、注意はされたが“まぁ誰だって慌てるよね”とお咎めなく、僕はそのまま仕事場に向かってまた車を走らせた。
オープンには間に合ったが到着予定より15分程遅れた。
朝から酷く疲れたので、仕事帰りはリサイクルショップに立ち寄り、レコードを1枚買った。
なんとなく日記を付けてみる事にしたが、明日も書けるだろうか…
とりあえず今日は、朝から災難だった。
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