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「金」はなぜ貴重なのか?

こんにちは、そくにゃんです。
古い時代から高価な貴重品として扱われている「金」ですが、地球上に存在する量が非常に少ないことで知られており、近年価値が上昇しています。
中世では錬金術師たちが希少な「金」を生み出そうとしましたが、その願いは現在でも叶っていません。
「金」とは、どこでどのように作られた物質なのでしょうか。
また、人類に作り出すことは出来るのでしょうか。

ありふれた物質の成り立ち

まず、地球上のありふれた元素(炭素や酸素等)についてお話します。
これがどこで生まれたのかというと、星(恒星)の中です。

いきなり宇宙規模の話になりますが、宇宙は誕生した当初、水素Hと少量のヘリウムHeしか存在していなかったと言われています。
この水素とヘリウムが集まって、太陽のような輝く星々「恒星」が誕生したわけですが、この「恒星」の輝いている仕組みが「核融合反応」という現象です。

この現象は、簡単に言うと元素を合体させてより重い元素に変化させるもので、星の中の水素やヘリウムは徐々に重い元素(炭素や酸素等)に変化し、最終的に鉄が生まれます。

この時点ではまだ「金」は生まれません。

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恒星の断面と主な生成元素
中心に近付くにつれて高温・高圧となる為、
核融合反応が進み、より重い元素が生まれる。

「金」の誕生

恒星の中心部は超高温・超高圧のとんでもない環境ですが、「金」のような重い元素を生み出すには更にとんでもない環境が必要となります。
れを生み出す現象が「超新星爆発」と呼ばれるものです。
これは太陽の8~30倍程度の質量を持つ恒星が寿命を迎える際に起こす大爆発で、近年だとオリオン座のベテルギウスが超新星爆発を起こしそうだというニュースを聞いた方もいらっしゃると思います。

金やプラチナ等の重い元素は、基本的にこの際にしか生まれない為、地球に少ないというよりは宇宙規模で希少な物質だということですね。

余談:大昔の星々が作り、爆発して撒き散らした物質が、地球や私たちの体を作り上げているというのは、なんとも不思議な感じがします。

更に「金」が希少な理由

金は他の元素と化合しない為、地球がまだ固まっていない時代に大部分が中心部へと沈み込んでしまったのも希少である理由です。
人類の力では、地球の中心部付近の金を手に入れるのは不可能であると言われています。

錬金術は可能?

現在、原子炉を使って水銀から金を作るという研究をされている方がいらっしゃるようで、原理的には可能とされています。(実証はされていません)
可能かどうかは分かりませんが、夢が有りますね。

ちょっと宇宙の話が多くなりましたが、以上です。

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