ニューバランスのラスト(木型)について本当のことを云おうか
靴の世界でラストとは木型だが、足型と考えてもいい。足を入れる空間を木で仮定するから、木型と言われるのだ。
◯574と996ラスト
ニューバランスのラストは2種類ある。厳密には別の靴好きが言及しているのに詳しいが、フィーリングで品番を2つ挙げると、574と996だ。
いずれもオールタイムベスト。574はややクラシカルで丸っこい見た目。996はちょい先尖りで現代的。今おそらく町履きでは996が一番多い。
それぞれのラストの特徴は、
574は少し幅広で足先が詰まり気味
996は幅は普通で甲が低い
ニューバランスはじめて勢の方に誤解してほしくないのだが、実はこのラストふたつとも、まあまあ足先部分は狭い、というか、短い。寸詰まりな感じがする。
見かけは996が前にしゅっとしているのだが、履いてみると足先はやはり短い。実は足デカ勢はこのラストは2つとも履けなかったりする。
ま、でもこの時点でフィットすれば幸いである。NIKEのコルテッツほど露骨に足が小さく見えるわけでもないし、履き心地もいい。
ところで。足が小さく見えるで言えば、最近流行の327もそうだ。こいつは実際足先もはっきりと短い。デザインも軽さも最高なのだが、小さい。
私はこれなら29.5cmがおそらく最高のフィットなのだが、日本限定展開のモデルなので大きいサイズのハーフ刻みがない。ちなみに574は29.5cmがあって、そのサイズは希少さのために日本での価格が爆上がりしている。でも、そんなのを買うなら、USA製を買わなきゃいけない。
◯USA製、UK製は品番ごとにオリジナルラスト
ニューバランスで無上の履き心地を誇るのは古くは993、今は990に違いない。いわゆる「普通のニューバランス顔」には1400や1300もある。実はすべてランニングシューズという括りなのだが、1400や1300はさすがにドレッシーすぎてカッコよく履かなきゃもったいない。
USA製と呼ばれるニューバランスはそれぞれラストが異なるが、基本的に少し大きい。私のように574が足先の長さで「惜しい、入らない」という人は、もう余計な旅はせずUSAラストを選んだ方がいい。993と1400が最高傑作だと思うが、手に入れにくいし希少なせいで履きにくいので、990のV4かV5にすればいいだろう。990のデザインではV4が完璧に無難だが、最新のV6と比べるとショートノーズ(寸足らず)に見えてしまうので細かいところまで気になる方はもっと渉猟してみてほしい。
2002Rはすべてを諦めた人のためにある、気持ち大型ラストだが、こいつに不満があるというのは、先に「普通のニューバランス顔」の気持ち大型ラストを出してくれよ。
UK製はそもそもUSA表記よりワンサイズ大きい(例パラブーツ、シャンボード)と言われるが、ニューバランスに関してはそんなことはない。普段のマイサイズから微調整すればOK。