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NuPhy Air60 V2を購入して気づいたこと


なぜ購入したのか?

 NuPhy Air60の初代(V1)を購入してからは、打鍵感・打鍵音ともに気に入っていたが、唯一の弱点として挙げるならば、Bluetooth接続に対応していないことである。家などでは、Bluetoothレシーバーを使えば、普通にワイヤレスで使用することはできるが、このキーボードの最大のメリットであるのはなんといっても60%レイアウトという、ミニマルなサイズ感でかつ持ち運びができるという点において他のキーボードよりも優れているところではないかと感じている。

*以下、NuPhy Air60V1としてNuPhy Air60 V2V2と省略する。

 個人的にV2で特筆すべきなのは、Bluetooth接続に対応したことキックスタンドが内蔵式になったことVIA(キーマップ変更ソフト)に対応したこと3点があるのではないかと考えている。これらの点が追加されたことはV1からV2といったマイナーアップデート感があるかもしれないが、V1から使用している身としては着実な進化点とも言える。これらの点がV2を購入する決め手となったといっても過言ではない。これらの特筆すべき3点について詳しく紹介していく。購入して気づいたことや余談を挟むうちに文章の量が多くなってしまったがV2を購入or検討している方に参考になれば嬉しい。


Bluetooth接続に対応したこと

 V2の最大の進化点として、日本国内での技適に対応したことでBluetoothでの使用ができるようになったことが挙げられる。これによってusb-cのケーブルを持ち運ぶ必要がなくなり、これらのストレスから解放されるのは個人的には嬉しい点でもある。また3台までBluetoothの接続ができるため、Mac、iPhone、iPadなどといったように使い分けをすることもできることに加え、付属のレシーバーを用いても接続は可能であることから計4台までの使用ができる。またBluetooth時の接続も非常に安定しており、接続を切り替える際の遅延もないためシームレスに使用できるのも嬉しい点である。 内蔵バッテリーの持ちは、公式値ではキーボードのライティングがない場合においては、約1週間程度とされているが体感的にはもっと使えている感覚がある。


キックスタンドの進化

 またV1と同様にAirfeet(Macのキーボード上に乗せても干渉しない)に対応しており、V1で高さ調整をしたい時にはマグネット式のキックスタンドを別でつける必要があり、高さ調整をしたい場合には持ち運ぶ必要があったためその点においては扱いやすさが増した印象がある。V2ではキックスタンドが内蔵式になっており、高さ調整機能としては、ユーザーの好みの角度で使用できる点も進化点として評価できる点ではないかと考える。


VIA(キーマップ変更ソフト)に対応

 VIAと呼ばれるキーマップ変更ソフトに対応したことである。V1では、Windows版のみでキーマップの変更が可能であったが、V2では、Mac/Winによらずオープンソフトに対応しており、自分自身で使い勝手がよいキーマップに変更することができるのは大きな進化点とも言えるのではないかと思う。例えば、CapsキーにCtrlキーに入れ替えるなどといった荒技も可能であり、気に入らないキー配置でもVIAを使えばその心配はないと言える。
 またキーボード本体の静音化なども楽しいが、VIAを用いた独自のキーマップ変更も沼ではないかと感じている。個人的に考え抜いたキー配置については後日紹介したいと考えている。


余談

 たまにBluetooth接続で使用していると、繋がりにくい時があり、接続以前に登録していたVIAでのカスタマイズもすべて消えてしまうことがある。そのため、キーマッピングのレイアウトを保存をしておくことが望ましいかもしれない。
 本体カラーについてはV1で購入したカラーはLuna Grayであり、V2ではIconic Whiteを選択したが、キーボードの本体カラーが変化することでモチベーションも高まることに加え所有欲も高まりnoteの執筆も楽しく取り組むことができているのではないかと感じている。
 打鍵に関する問題としては、V1のgateron茶軸の打鍵感も非常によく忘れられないものとなっている。V1が気に入ったからこそ、V2に乗り換えたのだが多くの文字を入力していく際にロープロファイルの宿命とも言えるかもしれない指先の疲労を感じる場面が多々ある。購入から2ヶ月以上経過しているが、それでもなおタイピングに力みが生じているのが現状である。使用時期はゆうに一ヶ月を超えていることから、自分自身にロープロファイルのような浅いキーボードよりストロークの深いキーボードの方が相性がよいのではないかと思う場面も多々ある。


「Cowberry」が至高ではない?

 長々と話をしてきたが、まとめとしてこのキーボードに対する不満は主に「軸」に対してなのではないかという疑問が浮かび上がった。以下は軸についての個人的な意見や軽いまとめとなっている。軸選びについて悩んでいる方は参考にできるかもしれない。
 このキーボードを選ぶ上で重要になるのが「軸選び」である。V1の時は、Gateron「茶軸」ということもあり、NuPhyのリニアタイプのオリジナル軸である「Cowberry」を選択した。また「Cowberry」は茶軸のようなタクタイル感や引っ掛かりがないのが特徴とも言えるが、購入当初はタイプミスが頻発することが多かった。徐々に慣れてくるとタイプミスは減ってはきたものの、個人的には若干の引っ掛かりが欲しいと感じている。
 さらにもう一つの重要な要素として、「軸の静音性」があると考えている。Cowberrry軸は押下圧が45g(公式値)と茶軸などと比べると10g程度ほど軽いことからなのか詳しい原因はわからないが、打鍵していると底打ちしているといった感覚があり、カフェなどの静かな環境での使用には向いていないと思われる。実際にカフェで作業をしていると、自分の周りに人が近寄らないことがあった。そういう意味ではいいかもしれない。個人的には、カフェだけでなく生活するということは何らかの音が生じ、音がない空間というものはないのではないかと考えている。カフェなどは、基本的に店内BGMや会話などといった自然な雑音があるからこそ作業スペースとして適した環境ではないかと思う。それゆえキーボードの打鍵音も「心地のよい雑音」と捉え、周囲の人に迷惑をかけている音ではないということを自分に言い聞かせて使用していくこともメカニカルキーボードのユーザーとしての重要な心得ではないかと勝手に感じている。
 YouTubeでV2と検索してみると国内に限るがレビューをしている方々の多くはCowberry軸を購入している。動画内ではいい軸と評価されているものが多いが、このキーボードの最大のメリットでもある外出先でも使用できる携帯性について述べている動画はそこまで見られず、室内での使用をメインとしており持ち運び用のキーボードとしての使用を考えていないことが明らかである。
 個人的に60%レイアウトのキーボード最大の特徴だと考えているのは、「軽さ・薄さ」ではないかと考えている。そのことから、持ち運びを想定した使い方が正しい使い方ではないかと思うため、外出先で使用する際に打鍵音が気になるというのは本末転倒ではないかと考える。Cowberry軸を選んでみたが、「外出先での使用をメイン」という方にはこの軸はオススメしにくい。しかし、個人的に最適解ではないかと考えている軸としては「Gateron Low-profile 2.0 Red」があるのではないかと考える。その根拠として、NuPhyの公式サイトで軸のページには技術仕様が記載されており、Cowberry軸はバネのスプリングが一本であるが 、こちらの軸はスプリングが二本となっている点である。またこのスプリングの数によって、推測ではあるが打鍵時の底打ちが低減される可能性が若干ではあるが改善することが可能ではないかと考えている。極め付きとしては、赤軸にルブ(潤滑)を施したり、マスキングテープを用いた共振を抑える加工、キーボード底面に吸音材を敷き詰めるなどといった方法もあり、静音化の沼にハマると抜け出すことが難しい。軸を疑うだけでなく、製品の構造上の特性なども考がえる必要があり、理想のキーボード探しに「答え」はなく、沼に片足を入れるつもりで根気よく探していく必要があると思うこの頃である。


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