1996年12月 2つ目の会社

当時の転職は今のような転職サイトとかもなかったので、非常に大変だった。世の中的には終身雇用がまだ浸透していて、入った会社に一生を尽くすことがあたりまえだった。

そんな時代に転職できたのは、大学時代の恩師の会社だったからだろう。今考えれば入社して半年も経たずに辞めた人間などまずまともな会社なら採用対象にならない。

およそ会社を変えると言うことは人生を変えるに等しい。生活のリズム、行動範囲、習慣、人間関係がごっそり入れ替わる。

この会社は恩師の元村がデザイナーのトップにいる30人ほどの会社。
五反田の川沿いにひっそりと存在していた。
社屋は昔試写室だったものを改造した造りで
天井が異常に高い。電気はほとんどついてなく室内薄暗い。
一人一人のブースはパーティションに遮られ、製作環境としては快適。

株式会社 dinks
映像会社umagicaの子会社だ。

構成はルームとゆう方式をとっていた。
元村ルーム、瀬上ルーム、押井ルームetc

理由はよくわからないが、この会社では熱烈歓迎された。思うに転職はスタートの第一印象がとても重要。最初印象が良ければその後ミスをしても調子悪かったね、とか良い方に捉えられるが、印象が悪いと、うまくいっても今回はたまたまだろと、蔑まれる。

ともかく私の最も長い会社員生活が始まるのだ。


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