1997年7月 勝ち登るために

出世という意味ではないけれど、働く環境では1番でありたい、また、男ならトップを狙えは私世代には共感できる人も多い思想だろう。

まず勝ち登るために社内で抑えるべきポイントは人事や総務などのポジションの人間と深く仲良くなること。
これは会社全体の人間関係や仕事の入り方、取引の動きを把握するのに最も効果的な方法である。
これは偶然ながら前職で学んだ処世術である。
この会社でも最初に落とすべきは、
事務関連を把握している30前後のベテラン、できれば話好きな女性。
そして最も会社の金の動きを把握している実動的な権力のある人間、プロデューサー。

なんのコネもない新人デザイナーにとって上役や先輩に可愛がられることは勝ち登るための絶対必要条件だった。
良く話を聞き、飲み会について行き、たまにコーヒーなど差し入れする。連れてってくださいよーと甘えてみたりする。もちろん実力も大事だがそれだけでは埋もれるし時間がかかる。
そうそうに同僚にみきりをつけた私は
さらに世界を夢見ていた。
当時の生活スタイルはほぼ24時間会社にいた。
昼間は自分の仕事、夜は上司の付き合い
想像以上に作業時間がなかったので必然的に仕事が早くなったのは怪我の功名。

気がつけば半年にしてプロジェクトのチーフを任される程度にはなっていた。

スタートダッシュ、後に人生の先行投資という言葉に置き換える。

しかし給料は安かった、、
手取り十数万円、まあほとんど家に帰らなかったのでそれでも足りてたけど缶コーヒーを飲むことも躊躇する生活だった。

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