1996年9月 辞めようと思ったのは

今思えば、のんびりそのまま転職しなければ部長くらいにはなっていたのか?それとも窓際?営業?
少なくとも私が退職してから数年後、部署が無くなったのは確かな事。
入社して半年も経たずに誰に相談するでもなく辞めることにした。
理由は色々あるが大きくは
1 毎日毎日コピー取りと資料探し、およそクリエイティブではない生活に焦りを感じた。
2 部署内の人間関係は最悪だった。上司や先輩には馬鹿にされるし、転居先の部屋割りに私の名前が無いなどのイジメもあった。
3 そもそも間違えて入社した。

ここで短いながらも私が学んだことは、
会社は人である。
如何に世間的に素晴らしい会社でも中の人間も良いわけでない。むしろ真逆。
表の顔と裏の内情は入って見なければわからない。

もちろん良いこともあったし、全員悪い人であったわけでもない。合う合わないもあったと思う。
面白いことに退職の旨を伝えたところ、皆の態度が豹変してとたんに優しくなった。
ニコニコしながらお茶やご飯に誘いにくるし、
本社の人事部の方からお寿司にも誘われた。
今思えば訴訟されないための手段だったのかも。

退職するときは会社に対する怒りで一杯だった。現在のような法的知識があったら訴訟していたかもしれない、でもしなくて良かった。
その時、話を聞いてくれた友に感謝するとともに同じ気持ちにある方に伝えたい。過去よりも未来を目指して、と。
つまらない訴訟でわずかなお金を貰えば、きっと一生心のどこかにシコリが残っただろう。

私は作品製作を生業にしている、そういった世の中の負の部分に関わらなかったことを誇りに思っている。
心の平穏こそ、最も人生を楽しく生きる秘訣だろう。

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