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Photo by
yumenotamago
魔界かもしれない
冷蔵庫が壊れた。
突然、冷蔵も冷凍も本来の力の20%くらいしか出せなくなった。
一人暮らしを始めて20年以上使った3万円の冷蔵庫だから、大往生である。
酷暑の夏を何年も乗り越えてくれた。
ありがとうSHARP!バンザイSHARP!
そして買い換えである。
ネットで買うのはちょっと不安だったのでヨドバシまで行ってみた。
…冷蔵庫って高いのね。
悩んだ結果、今のより少し大きい冷蔵室が上段にあるのにした。
親切なヨドバシの店員さん。
「お届けはいつにしますか?」
…片付けとお掃除ができるのはいつかしら。
なんて言ってられない。
とにかく全部捨てるしかない。ゴミの日に合わせてお掃除終了。
そして気づく。
今の部屋に引っ越してから約10年。
冷蔵庫の下なんて、見たことないし掃除もしてないことに。
どんなことになってるんだろうか…
何か黒いモノとか住んでたらどうしよう。
魔界になっていたらどうしよう。
出かけている時、寝ている時、私の知らない何かが繰り広げられていたのかも。
ドキドキしてきた。
いざとなったら、配送のお兄さんに助けてもらおう。
そして届く新しい冷蔵庫。
先に古い冷蔵庫出しちゃいますねーと軽く言うお兄さん。
いよいよ魔界の扉が開く時が来た。
お兄さんが古い冷蔵庫を持ち上げる。はい、お掃除どうぞーと。
そこにあったのは、黒いモノでも魑魅魍魎でもなく、多少のほこりと80円だった。
あーよかった。
と同時に80円?なぜ?いつ?しかも10円玉で8枚。
などと思っている間に新しい冷蔵庫が運び込まれる。
サイズぴったり。白くてピカピカで美しい。
これからよろしくね。何年のおつきあいになるかわからないけど
楽しく美味しく過ごそうね。
配送のお兄さんが来てから約10分。
こうしてまた我が家の魔界の扉は閉じられたのである。