減税公約は「旨みナシ」と思え
明石市長・市議選は明日告示。
その前に、ひとつだけ確認しておこう。
いわゆる“エセ無所属”の自民党の市長選予定候補が公約にした2つの減税、ひとつは「子育て減税」もうひとつは「介護減税」
公約に減税を持ってくるというのは、ちゃんとした裏付けや引いた分を何で埋め合わせるのかが今の時点でちゃんと説明できなければならない。泉市政では「増税しなくても“やりくり”で出す」ことが強調されてきたが、減税は、やりくりでは収まらない。入ってくるものを減らす以上、足らずの財源はどうするのか。
チラシ程度ではスペースの都合書けないこともあるが、絶対に出てくる問題や課題は確実に明らかにしておかなければ「公約は破ってもいい」「言ったもん勝ち、当選すればなんでもあり」を広く認めることになる。
子育て減税は、扶養家族に未成年者のいる世帯主の市民税が10%相当がカットになるという。打ち上げ花火としては妙案だが、全て源泉徴収で納税してる人には「配布される税額決定通知をちゃんと見ないと解らない、ちゃんと見ても解らない」ので、実感は乏しく伝わりづらい。つまり、やりますと言ってやらなくても気づかれないのだ。
さらに厄介なのが「介護減税」で、こちらも「要介護者を扶養している世帯主」という条件をクリアすれば市民税が10%相当がカットになるのだが…
その恩恵を受けるにはハードルが高すぎるのだ。
・要介護者を扶養していることイコール「要介護認定された段階で既に扶養に入っておく必要」があり、減税目当てで認定されてから扶養に入れても除外されかねない。
・扶養が条件な以上、同一生計でなかったり、兄弟姉妹など別の親族(市外在住者)の扶養に入っている場合は、介護に携わっていても減税対象外
・扶養に入れていても、要介護者が市内在住者でない場合はどうなるのか
などなど、減税を受けられるには“法の抜け道”よろしく恩恵を受けられない懸念の方がはるかに多い。
泉市政でも、親の職業で児童手当の追加支給対象が決められていた※ことがあった。
市民が潤う、恩恵を受けるにはそれなりの対象がいて制限があるのは仕方ない。しかし、選挙に向けた公約で打ち出す減税は、決まってその対象が狭く「やってる感の醸成」に終始する。
話7割で聞いても、この2つの減税は実感も旨みも非常に感じにくい。
この「子育て減税」「介護減税」は、お得感を出すための釣り道具の域を出ず、眉唾物と判断ができる。減税には「実感」が絶対必要な条件だということを、有権者は理解すべきだ。
有権者は、実現していない無償化や減税は、くれぐれも鵜呑みにしないよう注意していただきたい。大阪の授業料とか、影響力がある輩の好き放題を見れば「嘘も言い続ければ本当っぽくなる」から。
※追加支給の対象は「公務員でない者」真意を市役所に質問したら「公務員は減収も休業もないから」とのこと。公務員だっていち住民、明石市民ならなおさらだぜ、と憤った記憶がある。私には暴言よりサポート券の専決処分より、問責のもとよりも、こちらの方が失策と今でも思っている。