見出し画像

今年のオールスターゲームファン投票に思うこと

2024年7月2日、遂に今年のオールスターゲームのファン投票結果が発表されました。
結果は言うまでもなく日本ハムの独壇場。指名打者を除く全てのポジションで最多票を獲得し、外野手の万波中正選手に至っては2003年以来の投票数120万票を獲得しました。

さて、ネット上で「オールスターゲーム ファン投票」と検索するとこのように出てきます。

2列目に書かれた「オールスター ファン投票 おかしい」の文字。事実、ネット上では今回のファン投票に対して否定的な意見が多く見受けられます。

何がどう「おかしい」のかはもう明確なので省略しますが、なぜこのようなことが起こっているのか原因の方を「組織票」以外の視点から考えたいと思います。

結論から言うと、今回の結果をもたらした原因は野球界における「推し活」の普及にあるのではないかと私は考えます。

「推し活」の文化はここ数年大きく発達しました。特にアイドルグループの推し活は凄まじく、バッグにたくさん推しの缶バッジをつけるいわゆる「痛バッグ」や小さなチェキのようなものも沢山売られるようになりました。

そんな推し活ですが、オリックスの「オリ姫」ブームを皮切りにプロ野球にも進出。これを機にオリックスは推し活をするオリ姫向けイベントである「オリ姫デー」を開催。アイドルの推し活躍向けグッズのようにラフな格好をした選手のグッズを販売し人気を博しました。このような流れは他球団にも及び阪神の「toracoデー」や埼玉西武の「LIONS COLLECTION」などの推し活向けイベントが多数開催されるようになりました。

実際、このような推し活ブームが来てから野球場でも女性ファンを多く見かけるようになりました。中には大きなカメラで推し選手の撮影をしている女性ファンもおり、その熱量は凄まじいものであるなと身をもって感じています。

話をオールスターゲームのファン投票に戻します。今回のファン投票で大きく話題となったのがショートで選出された水野達稀選手に対して投票用事7000枚分を書き込んだ女性ファンがいたことです。この件はTwitter上で大きな話題となり、第二次世界大戦中にユダヤ人に大量のビザを発行した偉人、杉原千畝のようだとも言われていました。

さてこちらの女性ファンの方ですが、過去の投稿内容から水野選手の「推し」であったと思われます。他のファンの人と缶バッジなどの交換を行なっており、いわゆる一般的な推し活をしている様子でした。

「推し選手をオールスターで見たい」という気持ちは誰にでもあります。事実、埼玉西武を箱推ししている私は西武の選手が多く選ばれると嬉しいですし特に応援している甲斐野選手もいつかオールスターで見たいなという気持ちがあります。

しかし、オールスターゲームはあくまでも野球をするイベント。成績を見ずにビジュアルだけ見て投票することは疑問に感じます。実際、成績では水野選手よりもオリックスの紅林選手の方が優れているのでは、という意見も見られました。アイドルグループの人気投票でビジュアル重視で票を入れるは理解できますが、オールスターゲームのファン投票はアイドルの総選挙ではありません。
確かに、オールスターゲームも投票制なので少なからずは人気投票になりますし、どの選手に対しても投票できる点においてはアイドルの総選挙と仕組み自体は変わりません。しかし、選出された先ですることはビジュアルの対決ではなく野球の対決なのです。

勿論一切推しに投票するな、その選手を推すなと言っている訳ではありません。ただ、「ルールの範囲内」であることを悪用し、1人で1つのポジションの投票権限をほぼ独占し、他の人の投票をほぼ無効にする行為はもう迷惑行為に足を突っ込んでいるのではないかと思います。

ではどうすればいいのか。これに対してはもう手の打ちようがありません。本当にファンがオールスターゲームの意義に対して理解を示すしか無いので、NPB側は1人で大量に入れる行為に対して紙の投票を制限するくらいしかないと思います。
あとはもう「オールスターゲームは野球の対決です」とかを呼びかけるしかないと思われます…笑

何度も言いますが「推し活をするな」と言っている訳ではありません。むしろ推し活を通じて野球を好きになってもらったり、チームにお金を落としてもらったりした方が球界にとってもファンにとっても双方に利益が発生する思っています。
ただ、「プロ野球選手は顔で勝負している訳ではない」このことに対して理解を示す必要があると思った次第です。人それぞれ野球の楽しみ方はあると思いますが、あくまでも野球選手を応援しているのだ、成績を出さないと批判される人を応援しているのだ、という自覚が必要なのではないでしょうか。

私も甲斐野選手のタオルやユニフォームを購入して応援しているので見方によっては推し活をしていることになるかもしれません。しかし先述の通り、推しのためになんでもするというのは違うということを心に留め、私自身も暴走はしないようにしたいなという自戒にて結ばせていただきます。
オールスターゲームに選ばれた選手には頑張ってもらいたいですね。最後までありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?