あとがきのあとがき
(PV編集:ひな)
文学フリマ36が終わった。
構想からざっと3ヶ月、長いようで短い期間だった。
僕たち「黄金のまどろみ」は今回新刊である「行方不明(24)」を刊行し、
初出店及び弊サークル初作品の「OR」を刊行した回である昨年の文学フリマ35東京の時を大幅に上回り、既刊と合わせて72部を売り上げることが出来た。
(下のリンクからオンラインでもまだ買えるので気になる方は是非どうぞ)
普段僕はこういった「文学」「書籍」ジャンルに触れることは少ない。
しかしサークル主催のはっしーさん、及び今回の文フリでも数時間で完売の人気サークル「履歴書籍」さん、その他沢山の方々に多大なるご協力を頂き、メイン著者としてここまでの作品を作れ、当日の販売まで完遂する事ができた。
この場を借りて改めて感謝したい。
文学に限らず、芸術作品は突き詰めれば強大なエゴの塊だ。
今作に限っては特にそれが顕著な作品でもある。(何故かは語らないが)
僕は基本的に筋の通った文章を一発で綺麗に書くことが苦手だ。それに、装丁や表紙デザイン等も自分で作れない。
値段設定も正直よく分かっていない。
(じゃあもう何が出来るんだコイツは?)
それなのにも関わらず表現したい事があり、そして今回自分の脳内を表現するコンテクストとして文芸誌を選択し、それを手伝ってくれる人々がいたお陰で作品として完成させる事が出来た。
↑上記のロケを経て出来たPV第一弾↑
(編集:tomo)
時には助言を受けてフォーマットを変えてみたり内容を削ってみたりする。そういった活動を数人で行ううちに、バンド活動との共通点が見えた。
言わば、
「曲作り」のプロセスとかなり似ているのだ。
最初に作曲者が粗方作ったデモ音源を持ってくる。
しかしそのままでは発表出来ないし自分の出来ないパートの演奏はわからない。
そこで、バンドメンバーにはデモ音源を元に各パートのアレンジを考えて貰う。
時折スタジオに入って合わせては「ここは違う」等注文を付け、納得いく形にまとめていく。
最終的に全員もしくは作曲者が納得する形になって、ようやく「曲」として完成する。
そしてライブで披露して反応を見たりするのだ。
今回僕が行ったのは上述で言うところの「作曲者」の部分だ。
そして普段僕がバンドでやっている事は往々にして「バンドメンバー」の部分。
作曲者では考えられる限界がある所をアウトソーシングされて投げ返す事をしている。
今回初めて「作曲者」側に回ったことで思ったことは、
普段僕がバンドで行っていることは本当にしっかりやれているだろうか?ということだ。
自分のエゴが出過ぎていないだろうか?作曲者の伝えたい事の邪魔をしていないだろうか?という、
任された仕事に対する自分のエゴとスキルのバランス感覚に関して少々見失っている部分が最近はあった。
しかし、今回の文フリを通してその辺りのヒントを多少なりとも掴んだ気がする。
せっかく文学と音楽の2つの活動を行っているのだから、双方の良いところを取り入れて今後の活動に活かせる事が分かっただけで、この3ヶ月は無駄じゃないと思えるのである。
まだまだ構想はあるので、次回の文フリでも今回の反省を活かしてより良い作品を作り上げたい。
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