デビルメイクライ5をやってブレイクの詩集を買った
先週に引き続き、デビルメイクライ5の話題で恐縮です!
10年ぶりの供給で脳内アドレナリンがヤヴァイ事になってましてヤヴァイ(語彙力)
デビルメイクライ5についての記事はこちらから
前回の記事はこちら
*以下、デビルメイクライ5のネタバレを含みますのでお気をつけ下さい。
悪魔学講座その2「ユリゼン」とは
今作の敵の名はユリゼンなんですが…聞いたことない魔王…いや、デビルメイクライの魔王の名前は大抵オリジナルなんですけど、造語にしても不思議な…魔界生まれのトリッシュも知らないと言っているし…
その謎は意外な所から判明する事になります。
ストーリーを進めていると、新キャラクターのVくんがもってる本が、ブレイクの詩集だと言う事が判明する(本編ではなくギャラリーで)
悪魔関係でブレイクって言ったらあのブレイクですよね...。
悪魔画家 ウィリアム・ブレイク
ウィリアム・ブレイクとは、イギリス文学に登場する詩人
絵描きでもあり、ルシファーで画像検索すると絵画の中では彼のルシファーがHITする確率が高い...ので、悪魔好きの方ならブレイクの絵は一度は見たことがあると思います。
絵描き勢である私も、ブレイクの絵はなじみ深かったんですが、彼の文章は読んだことがないため、これを機に詩集を買ってみました。
ダンテ・アエーギリ、ジョン・ミルトンそしてウィリアムブレイク
悪魔好きならチェックしておきたい!この3人の詩人の系譜、
実は古代ギリシャから繋がっています。
ダンテ・アエーギリ...デビルメイクライの主人公ダンテの名の元ネタの人
彼の書いた「神曲」で、キリスト教の地獄感は成立したと言っても過言ではない!
それだけ地獄の描写がふんだんで面白い!!
(あんまり教会は地獄の設定を詰めていない、悪魔や地獄を生き生きと描くのはいつの時代も作家の役割です)
詩人ダンテはローマの詩人ウェルギリウスが大好きで
(ウェルギリウスはギリシャ神話世界の冥府下りを書いており、詩人ダンテは彼の冥府の描写を元に地獄を描いている)
「神曲」の作中の中でウェルギリウスにガイドをしてもらい、自分が地獄を探索する、という程でストーリーを描いています。
...自分が好きな人とイチャイチャする文章構成...いわば夢女子形式...それが「神曲」である!
ちなみに、ウェルギリウスは英語ではバージルです。
デビルメイクライのダンテの兄の名はここから来ています。
ジョン・ミルトン...「失楽園」を書いた人。私の推し詩人。
「失楽園」のルシファーが最推し、の話は以前しましたね。
天から堕ちたルシファーが、アダムとイヴに禁断の実を食べさせる聖書の話を、ホメーロス先生(古代ギリシャの大詩人)大好きなミルトン先生が古代ギリシャのイリアスやオデュッセイアにならい叙事詩として制作したもの。
しかし、ミルトン先生、自身も革命家であり、あふれるパッションが止まらなかったのか、ホメーロス先生の作品に比べると少年漫画的というか、ジャンプ作品みたいな勢いが出てしまっている。
イリアスやオデュッセイアが歌としての美しさ、情景の豊かさが味わえるのと比べると、「失楽園」は描写の荘厳さとルシファー...サタンの反骨精神に基づくアグレッシブさがすごいですね、アキレウスとはまた違う勢いで駆け抜けています。
ウィリアム・ブレイク...そして、そんなミルトン先生が大好きなのがブレイク先生。ミルトン先生が好きすぎて、天国のミルトン先生と会話をするという詩も書いているらしい(残念ながら日本語訳が見つけられておりません!)
ダンテ先生と...何か似た気配の作品構造。
しかしブレイク先生、詩集を読んでみると夢女子というよりは素晴らしき厨二文章系詩人!
...私...この感じ見たことがある...過剰に難しい単語を使用して文章の意味が難解に見える...V系の歌詞っぽい...
あと悪魔が好きすぎてサタンの話とかサタンのセリフとかめっちゃ出てくる!
こんなに悪魔びいきでダークな詩がたくさんあるのに、ブレイク先生の一部の詩は聖歌になってるらしいんですよね...不思議。
そんなウィリアム・ブレイクの詩集の1つが
「ユリゼンの書」
高度な厨二文章すぎて半分くらいしか意味がわからないのですが、
どうやら理性を象徴する創作神話の神のようです。
つまりユリゼンとはブレイク先生のオリジナルキャラクターである
それは...知らないわけだわ...オリジナルキャラは読まないと把握できないわ。
ちなみに、今回のデビルメイクライ、最大のネタバレとして、
ダンテの兄バージルが、自身の悪魔と人間を分離させ、魔王ユリゼンとVという存在が生まれた...というシナリオなんですが。
自分の好きな作品の登場人物の名を名乗って魔王になるってどうなんだバージル!
しかも幼少期からブレイク先生の厨二文章が好きだったって大丈夫かバージル!!
ダンテ先生が憧れたウェルギリウスの名を持つバージルが、
ダンテ先生とミルトン先生が大好きなブレイク先生が大好き、という設定に
エモさを感じてやまないのでした。
あとブレイク先生の存在でバージル...Vの厨二病がかなり重度なのが知れて良かったです。好き。