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メガバンクが続々ニュースリリース!私たちの暮らしも変わる新しい金融システムの最新の動き

今日はちょっと固い話。AIの進化も目覚ましいけれど、未来の暮らしの基盤を支える金融システムの進化を知っておくことも大切です。
ここ数日、日本の主要な金融機関からプロジェクト・アゴラへの参加に関するリリースが続きました。とても重要だと思うので、ちょっとニュースをまとめてみました。

日本経済新聞2024/9/18:世界40社超決済、3メガ銀が実験参加

三井住友銀行:2024年9月16日
国際決済銀行のプロジェクト「アゴラ」への参画について(PDFファイル)https://www.smbc.co.jp/news/pdf/j20240916_01.pdf

東京三菱銀行:2024年9月17日
Project Agoráへの参画について(PDFファイル)https://www.bk.mufg.jp/news/admin/news0917_1.pdf

みずほ銀行:2024年9月17日
Participation in Project Agorá(英語版PDFファイル)https://www.mizuhogroup.com/binaries/content/assets/pdf/mizuho-bank/news/2024/09/20240917release_eng.pdf

SBI新生銀行:2024年9月19日


先日、メガバンクからのサカナAIへの出資のニュースもありましたが、いよいよ未来の基盤となる金融システムが動いてきた感があり、ワクワクしますね。

まだ、プロジェクト・アゴラの情報が少ないのですが、これまでのリリースをもとにまとめてみました。

そもそも、プロジェクト・アゴラって何?:

プロジェクト・アゴラは、国際決済銀行(BIS)が主導し、世界各国の中央銀行と民間金融機関が参加する新たな実験的プロジェクトです。ギリシャ語で「市場」を意味する「アゴラ」の名の通り、このプロジェクトは、クロスボーダー決済の機能性向上を目的としています。

主な目的:

  • トークン化とスマートコントラクトの活用:トークン化された中央銀行マネーと商業銀行預金をプログラム可能なプラットフォーム上でシームレスに取引する方法を探求します。

  • 統合台帳(Unified Ledger)の概念:BISが提唱する統合台帳のコンセプトに基づき、中央銀行と民間金融機関が共同で金融プラットフォームを利用し、決済システムの効率化を図ります。

  • クロスボーダー決済の課題解決:国際送金におけるコスト、スピード、透明性、アクセスなどの課題を克服し、金融システムの機能強化を目指します。


革新点

  1. 新技術の導入:

    • トークン化:資産や通貨をデジタルなトークンに変換し、取引の効率性と透明性を向上させます。

    • スマートコントラクト:自動的に実行される契約を活用し、取引プロセスを簡素化・自動化します。

  2. 統合プラットフォームの構築:

    • 中央銀行マネーと商業銀行預金の統合:二層構造を維持しつつ、これらをシームレスに交換・取引できるプラットフォームを開発します。

  3. クロスボーダー決済の効率化:

    • 課題の解決:各国の法規制、技術的課題、営業時間や時差、AML/CFT手続きの複雑さなど、現行の国際決済が抱える問題を技術的に克服します。


参加する中央銀行(7行)

  1. フランス銀行(ユーロシステム代表)

  2. 日本銀行

  3. 韓国銀行

  4. メキシコ銀行

  5. スイス国立銀行

  6. イングランド銀行

  7. ニューヨーク連邦準備銀行


参加する民間金融機関

  • 日本からの参加金融機関:

    • 三菱UFJ銀行

    • 三井住友銀行

    • みずほ銀行

    • SBI新生銀行

    • マネックス

  • 国際的な金融機関:

    • BNPパリバ

    • ドイツ銀行

    • HSBC

    • シティグループ

    • UBS

    • など世界で40社超の金融機関が参加


各参加者の狙い

中央銀行の狙い:

  • 金融システムの革新: 新技術を活用して、金融システムの効率性と安全性を向上させる。

  • 国際協調の強化: 他国の中央銀行や民間金融機関と協力し、グローバルな金融課題に対応する。

  • 金融の廉潔性の維持: 不正行為の防止やコンプライアンスを強化し、信頼性の高い金融環境を構築する。

民間金融機関の狙い:

  • サービスの向上: 顧客に対して、より迅速でコスト効率の高いクロスボーダー決済サービスを提供する。

  • 新たなビジネス機会の創出: トークン化やスマートコントラクトを活用した新しい金融商品やサービスを開発する。

  • 国際競争力の強化: 国際的な金融プロジェクトに参加することで、グローバル市場での存在感と競争力を高める。


今後の展望

  • 実証実験の開始: 中央銀行と民間金融機関が協力し、実際の取引シナリオでのテストを行い、技術的・法的課題を検証します。

  • 成果の共有と普及: プロジェクトの結果を各国の金融システムに反映させ、国際的な決済インフラの改善に寄与します。

  • 新サービスの展開: 成功した技術やシステムを基に、新しい金融サービスや商品を市場に投入します。


まとめ

プロジェクト・アゴラは、国際決済の効率化金融システムの進化を目指す大規模な国際的取り組みです。中央銀行と民間金融機関が協力し、新技術を活用してクロスボーダー決済の課題を解決することで、世界中の企業や個人が恩恵を受けることが期待されると思います!

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